[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ポチっとありがとうございます。
「大人の時間」 好評でございます。(テレテレ)感謝~!
えっと、シリアスなのと、えろいのが出来た!
どっちがいい?
え?やっぱり~?(←バカ)
という訳で、
グランドライン航海中。二人の、ある逢瀬の話。
「つづきはこちら」からどうぞ
真面目に書きましたけど、大人むけの表現があります。
苦手な方は、やめといた方が、いいですよ~~!(汗)
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
「けぶる雨」
ムッとする湿気を含んだ空気の中、たしぎは勤務を終え、
船を降りた。
向かうは、街の酒場。
麦わらの一味を確認との情報があったからだ。
ほんの数分歩いただけで、汗でシャツがまとわりつく。
立ち止まると、雲に覆われた空を恨めしげに仰ぐ。
いっそ、一雨降ってくれたら、すっきりするのに。
空振りが多いが、今日の情報は確かなようだ。
もう、最後にロロノアと遭ってから、どれくらい経つのだろうか。
捕らえたいのか、逢いたいのか、自分でも分からなくなる。
一人、悶々と思いながら、足を早めると、とうとう霧のような雨になる。
細かい水滴は、じっとりとまとわりつく。
「遅かったじゃねェか。」
急に声をかけられ、驚いて顔を上げる。
薄闇の中、路地から出てきたのはゾロだった。
「ロロノア。久しぶりですね。」
いつもは、たしぎが先に見つけるのに、今日はゾロの方が、待ち構えていた。
「どうしたんですか?今日は。
やっと、勝負する気になってくれたんですか。」
そう言うと、時雨の柄に手を掛ける。
ゾロは、けっというような顔をして、ぶっきらぼうに答える。
「そうじゃねえよ。」
「お前は、逢いたくなんねぇのかよ!」
ストレートな言葉に、返事することも出来ずに、固まってしまう。
パラパラ、サァーッ。とうとう雨が落ちてきた。
雫が顎を伝って、激しく脈打つ胸元に流れてくる。
ざっと首を振り、雨を払うと、ゾロがたしぎに迫る。
有無を言わせずに、たしぎの手を取ると、走り出した。
「行くぞ。」
雨宿りに入り込んだ所は、海辺の漁師小屋だった。
網や、浮きがあちこちに転がっていて、人の気配は無かった。
先程から、たしぎは、何もしゃべらない。
私も逢いたかったと素直に言えればいいのに。
それを認めてしまえば動けなくなるのは、分かっていた。
どう答えればいいの?責めるような目でゾロを見つめる。
面白くねぇ。
たしぎの立場も理解してた筈だった。
それでも、困ったような顔をするたしぎがゾロを苛つかせた。
「お前は、違うのかよ。」
返事を待たずに、唇を重ねる。
濡れた髪をくしゃくしゃに掻き回して、たしぎの口内に舌を差し入れる。
返事の代わりに、たしぎの吐息がもれる。
唇を重ねたまま、シャツを引き裂くように剥ぎ取ると、
濡れた肌が、吸い付くように密着する。
たしぎの抵抗を一切受け付けずに、ゾロは、女を組みふせる。
優しさもへったくれもなく、無理やりたしぎの快感を引き出していく。
「う・・・っん・・・」
まだ、足りねェ、お前が足んねェ。
離れていた時を埋め合わすかのように、何度も求める。
「・・・ああっ。」
たしぎも、否応なく刺激される快感に溺れていく。
次第に大きくなる嬌声に比例して、更に激しく責め立てる。
訳が分らないまま、快感の果てに、動けなくなったたしぎを認め、
ゾロはようやく動きを止めた。
手の甲で、たしぎの頬をそっと撫でる。
ふっと目を開け、ゾロの方に手を伸ばすたしぎ。
その手を取って、抱き起こす。
ゆっくりと、たしぎはゾロに向き直り、力の入らない手を背中に廻す。
ゾロに持たれ掛かるように、抱きしめる。
聞き分けのない子をあやすように。
まだ、そんな顔してる。
たしぎは、まだ溜め込んだゾロ自身を自分に受け入れる。
向き合うように一つになり、その胸にゾロを抱く。
こんなにあふれているのに。まだ、分らない?
さっきまでの強気はどこにいったの。
たしぎの指先が、身体を撫でると、ビリビリと痺れるような快感がゾロの脳天を突き抜ける。
おかしくなっちまう。お前に触れられると。
たしぎの動きに、身を任せる。
波に揺られるように、お前の動きがオレを包み込む。
たしぎのとろけるような微笑みを認め、安堵する。
その、眉間の皺をほどいて、私にちょうだい。
全部、受け止めたいから。
支える指が、たしぎの腰にくい込んだ。
少しだけ、吐息をもらして、たしぎの奥深くで、ゾロが弾ける。
ほとばしる快感を、たしぎは飲み込んでいく。
******
外に出ると、雨は止んでいた。
雨雲は相変わらず留まり、またいつ雨が落ちてきてもおかしくない空だった。
来た時と同じように、ゾロはたしぎの手を引いていた。
離れがたい。
二人何も語らぬまま、歩く。
たしぎを見つめるゾロの目は、いろんな想いを物語る。
「・・・わたしも、同じです。」
たしぎは、さっきのゾロの問いに答える。
そして、あなたの瞳の想いとも、同じです、ロロノア。
何度、不安な夜を過ごしただろう。
幾度、切ない夜を過ごしただろう。
でも、こうやって会えるから。
約束は交わさない。
「じゃあ、またな。」
いつもの別れの言葉を交わして、二人それぞれ戻る場所へと帰って行く。
また、雨が落ちてきた。今度はいつ晴れるのだろう。
その時がいつになるのか、誰も知ることはできないけれど、
二人の心は、きっと来るその時を待つのだった。
〈完〉