ワンピース二次創作、ゾロたしのＳＳ中心です。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
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HAPPY BIRTHDAY！
たしぎちゃ～～ん！
あはは、ほぼ1年ぶりでございます。
94巻出ましたね。
読後すぐだったので、ゾロと日和の
キョリが気になって。
ま、感想は次回ということで、
94巻読んでのSSです。
ほんと、１DAYクオリティですが、
ほんと、１DAYクオリティですが、
「つづきはこちら」からどうぞ
「兵（つわもの）、夢のまにまに」
「花の都」はずれの森の奥、
閻魔堂にて、夜を明かす二人がいた。
ゾロ十郎ことロロノア・ゾロと光月日和。
オロチ御庭番衆に追われた日和を助け、ここまで
逃げてきた。
しつこい追手を片付け、やっと一息ついたたところだ。
ゾロの奪われた秋水を取り返すため、
明日、鈴後のおいはぎ橋まで日和に案内してもらうことになった。
狭いお堂の中、ゾロはごろりと仰向けになる。
日和も、当たり前のようにゾロの隣に、添うように横になる。
頭の後ろに手を組んだまま、ゾロはちらりと日和を見て、
そのまま目を閉じた。
日和は、20年前、親を殺され、はぐれた兄と
家臣たちとの再会を信じ、必死に待ち続けた。
兄のモモの助に合わせるまでは、こいつは
守らなければならない。
おいはぎ橋で、傷ついたゾロを
手当してくれたのも、日和だった。
オロチの部下達に狙われれば、身を守るすべもねぇ。
それでも、日和を弱いとは思わなかった。
胸に思いを秘め、今日まで耐えてきた。
光月の誇りを失わず、決して諦めずに信じ続けてきた。
柔らかな腕も、細い首も、どこにそんな強さがあるのかと
思わせるほど、華奢だ。
物腰も柔らかで、育ちの良さがうかがえる。
男なら、守ってやらなければならない気持ちになるのも
もっともだと思う。
こういうのを、女らしいと言うのだろうか。
何故、あいつは怒るんだろう。
ふとゾロの脳裏に浮かぶ一人の女がいた。
オレが目の前にいるといのに、
敵に傷つけられたまま、助けを求めなかった。
最後まで、自分で闘おうとしていた。
くそっ。
今、思い出しても腹が立つ。
目を閉じたままのゾロの眉間に、皺が寄った。
ナミもロビンも、決して弱くはない。
一人でも十分に戦える。
それでも、身の程ってのは、知っている。
こっから先は、オレらに任せるってラインだ。
あの時、一目でもオレを見て、
自分の負けを認めていたら・・・・
いや、絶対に、そうしないのは分かっている。
あれは、あいつの戦いだった。
手出し無用の想いを
勝手に助けたのは、オレの方だ。
剣士の矜持。
そんなもん、勝手にしろ。
もっと、素直に・・・
素直に、なんだ？
・・・オレを頼れ・・・・
浮かんだ想いに、ハッと目を開いた。
月明かりを受け、お堂の天井がぼんやりと浮かび上がる。
くそっ！
忌々しい。
女だから強くなれないと、涙を流した幼馴染と
女だからと言って、手を抜くなと怒る奴。
同じ顔をして、逆のことを言う。
何故か、初めて逢った瞬間から、心をざわつかせる。
可愛げがないってのは、ああいう奴だ。
そのくせ、とんでもなくトロい。そんでもって、刀バカ。
「クソッ。」
思わず口から洩れてしまった。
隣で寝ていた日和が、もぞりと身動きする。
「ゾロ十郎どの、どうされました？」
眠たげな声。
「なんでもねぇ。起こして悪ぃ。」
しばらくして、規則正しい日和の寝息が聞こえた。
ゾロも目を閉じる。
しょうがねぇか・・・
剣を持っちまったんだからな。
女とはいえ剣士とあらば、その矜持、誰にも譲れないもんだろう。
付き合ってやるしかねぇな・・・
っんと、可愛くねぇ。
今、どこにいる？
死ぬんじゃねぇぞ。
こうやって、オレの手の届く範囲にいてくれれば・・・
変な夢見ちまったな。
寝よう。
ゾロは、浮かんだ姿を掻き消すように、きつく目を閉じた。
fin.
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