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ワンピース二次創作、ゾロたしのSS中心です。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
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Happy Birthday!ロロノア・ゾロ!\(^o^)/

次巻が楽しみだ~!
ワノ国、楽しみだ~!

やっぱり本編登場って、いいよね~!


ってなことで、ほぼほぼ一年ぶりの更新です。
ワノ国での、たしぎとゾロのお話です。

よろしかったら「つづきはこちら」からどうぞ


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ワノ国慕情2



******



「あなたは、いいですね。何にも囚われることなく、自由で・・・」

そう言って、オレの頬に手を伸ばす、たしぎの言葉が
チリっと胸の内に引っかかり、消えていった。




*****





「そりゃ、オレの台詞だろ。」



突然、ゾロが身を隠していた廃寺を訪ねてきて、
いきなり「なんでこんなところにいるんですか?」と驚かれれば、そうも言いたくなるだろう。


呆れて、目の前のたしぎをまじまじと見た。

身なりはきちんとしていて、どこぞの武士の家の者のようないでたちだ。


海軍大佐のたしぎは、ワノ国の動きを探る為、
上官のスモーカーとG5の部下数名と、ここワノ国で潜入捜査をしていたのだった。

たしぎ達が、入国したのは、ゾロ達がワノ国に入る少し前のことだという。



とりあえず、たしぎを庫裏に通し、いきさつを聴いた。


「スモーカーさんは、火消しの親分の元に。私は町の剣術道場に住み込みで・・・」

「へえ、道場やぶりでもしたのか?」

囲炉裏の前にどかっと座り、湯飲みに酒を注いだ。

「違います!たまたま、そこの師範の息子が、絡まれていたところを助けたのがきっかけで。」

「ここでも、子供助けか?」

パンクハザードでの必死な姿が浮かんだ。


「ちがいます。18歳ですから、もう元服した大人です。」


「あ?お前に助けられるなんざ、よっぽどのトロい奴だな。」

「まぁ、お世辞にも強いとは言えないですが・・・気持ちのやさしい子です。」


「へぇ、お前もまんざらでもねぇみてえだな。」

「私は何も!ただ、向こうが・・・師範は、私を息子の許嫁にしたいらしく・・・」


歯切れの悪いたしぎに、ゾロは湯飲みの冷酒をあおった。



「道場に住み込みと言うが、ただのお客様かよ。」

「私だって、稽古させて欲しいと、頼んでいるのです!
恰好だって、女に見られないようにって・・・」


ゾロはたしぎの話を聞いて、初めて出会った頃のたしぎを思い出した。

何を今更、同じようなことで悩んでいるんだか。

「やはり、そういう目でしか見られないんです。いつまでたっても・・・
この国でも・・・」

悔しさを滲ませるたしぎの顔を、ゾロは、面白くなさそうに見やる。



「で?ここには、何しに来た。」

たしぎは顔をあげ、ゾロを見つめ、話し始めた。


「町で噂になっている辻斬りと賭場に現れた浪人。
どちらも翠の髪の三本の刀を差している者らしいと聞いて、もしやと思って
探したんです。ロロノアを。」

賭場で、アニキと付きまとう若いもんが、二人いるが、そいつらにここを教えた覚えはねぇしな。

「誰に、ここを聴いた。」

腕を組んで、じろりとたしぎを睨む。

「お坊さんです。ちょうど、道場に托鉢に来たお坊さんに、尋ねてみたんです。」



「ちっ、あのクソ坊主、余計なことを。しかし、よく教えたな、あいつ。」


「やはり、お知り合いなんですね。あの、たまたま持っていた錫杖が、
仕込み刀のようだったので、見せてほしいって頼んだんです。」

ガクッとゾロの頭がのけぞった。

「お前も、相当だな。」

たしぎは、ピンときていない。

「相当な刀バカっってことだ。」


「いやぁ、仕込み刀なんて初めてでしたから
思わず、興奮しちゃって。」

ダメだ、こりゃ。

ゾロは、再び茶碗の酒を飲みほした。


「そのお坊さんに、特徴を聞かれて、左耳に三本のピアスと
・・・その、隻眼だって、話したら、ここを教えてくれました。」


あぁ、それだけ言えりゃあ、知り合いだと思うだろう。
それに、こいつから敵意を感じなかったんだろう。


「ま、事情はわかった。で、なにしに来た?」

静かにゾロが尋ねる。

「まさかこの国で、捕り物しようって訳でもねえだろうが、
一体、海軍が何をたくらんでやがる。」


たしぎは、少し背筋を伸ばして、居住まいを正した。


「あの、よかったら、稽古つけていただけないでしょうか。」


まっすぐに、ゾロを見るたしぎの瞳に嘘の匂いはなかった。


「仮にも海軍大佐という肩書の奴が、海賊に教えを乞うとなりゃ
大問題だろ。いいのかよ。」


「・・・わかってます。でも、ここはワノ国、世界政府に加盟していない国であって、
ここにいる私たちも、海軍ではないという考えで・・・
この国へ来たのも、任務ではなく・・・」

いろいろと言葉を選びながら話すたしぎに、
理由なんかどうでもいいと、ゾロは思い始めていた。


「ま、勝手にしろ。」

ゾロは、立ち上がると土間の台所へ向かった。


「さっそく、稽古ですか!?」

たしぎも慌てて立ち上がる。


「・・・腹ごしらえだよ。」

ゾロは、立てかけてかった大根を掴んで、支度を始めた。



*****


「はふっ・・・あつっ・・・お、おいしいです!ロロノア!」

半時ほどで、囲炉裏の前で二人、風呂吹き大根を頬張っていた。


「ロロノアが、こんなに料理が上手だったなんて、意外です。」

「別に、大根切って煮ただけだ。味噌は坊主が置いてったものだ。」


「ほんと、美味しいです。」

幸せそうに、椀を抱えるたしぎに、半ば呆れながらも
ゾロは、身体のぬくもりを感じていた。


夕餉を終え、夜のとばりが降りる頃、ゾロは秋水を手に立ち上がった。


「お前に教えてやれるもんなんか何もねぇが、好きにしていいぜ。」


ゾロが、月に照らされた境内へ降りると、たしぎも慌てて後を追った。



真っ直ぐに前を見つめ、すっと刀を抜くゾロの横に立つたしぎ。


ふぅーっと大きく息を吐くと、時雨の柄を握る。


ビリビリとゾロの圧を感じながら、気後れすまいと、下腹に力を込めた。




つづく




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ワンピース大好き。
ゾロとたしぎは公認カップルと信じて疑わない。
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