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ワンピース二次創作、ゾロたしのSS中心です。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
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「砂漠に降る雨」に続き、
その後の二人、
「そんな目で見ないでください」
ゾロはたしぎの名を・・・

「つづきはこちら」からどうぞ

ポチっと拍手ありがとうございます。
ほんと、嬉しくって、励んじゃいますっ!(^^)

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そんな目で、オレを見るな。

おまえがくいなじゃないのは、分かっている。

カチッと刀を鞘に収め、ふっと小さく息を吐く。
顔をあげれば、そこにたしぎがいる。
黒い瞳がオレを真っ直ぐに捉えて離さない。
「これでいいんだろ。」
たしぎの視線を引き剥がすように、言い捨てると、
背を向ける。
早くこの場から、立ち去りたかった。

「待って。」
静かに訴えるその声に、心が揺れる。
無言で振り返ると、困ったようにオレに問いかける。

「どうして、そんな、悲しそうな顔をしてるんですか?
 そんな目で・・・私を、見ないでください。」


何も応えられませんから。
あなたの望むものを、私は持っていません。

それでも、あなたが伸ばす手を取りたいと願うのは、
どうしてなんでしょうか。


こいつは、苦手だ。オレの思っていることが何故わかる。

「おまえの方こそ、泣きそうな顔してんじゃねえか!」
隙を見せぬように、たたみかける。
「オレが、なんかしたっていうのか!」

「したじゃないですかっ!」
何も答えられなかった。

「じゃあ、どうすりゃいいんだ?
 もう謝ったりしねえぞ、オレは。」

「ちゃんと・・・ちゃんと、私を、見てください。私はたしぎです。」


その言葉に固まる。
「どういう意味だ?」

「私は、あなたの亡くなった親友じゃありません。」
「そんなこと十分わかってる。」

「だったら、もう少し・・・」
「もう少し、なんだ?」

「嬉しそうな顔したっていいじゃないですかっ!!!」

「はっ?な、なんでオレがお前に会って嬉しそうにしなきゃなんないんだよっ!!!」

「私は、生きてるんですからっ!」

突拍子のない論理に、ゾロは、一瞬耳を疑った。
そして、大声で笑いだす。
「た、確かに・・・」笑いすぎて涙が出そうだ。


自分の言った言葉に、急に恥ずかしくなったたしぎは、
顔を真っ赤にしながら、後ずさり、逃げるように離れる。

「私は、ずっとあなたを追い続けますからっ!」

取りようによっては、いろんな意味の言葉を言い残すと、
たしぎは、あっちこっちにぶつかって、すっ転びながら、見えなくなった。

「おい・・・」
なんなんだ、あいつは。

たしぎが消えた方向を見やりながら、しばらく、つっ立っていた。

ふっと、小さく息を吐くと、頭をガリガリ掻きながら、歩き始める。
酒を買いに来んだった。


なんだか、少し気が楽になった。
今度は、いつあいつと出くわすんだろう。
私はたしぎですと言った声が耳に甦る。
たしぎ。頭ン中で繰り返してみる。
嬉しそうにしろだと、自分を傷つけるなだの、いちいちうるせぇ奴だ。

ゾロは笑っている自分に気づいた。


〈完〉

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自己紹介:
ワンピース大好き。
ゾロとたしぎは公認カップルと信じて疑わない。
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