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ワンピース二次創作、ゾロたしのSS中心です。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
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グランドライン、まだ、シャボンディに着く前。
男達が語ってます。
「恋愛談義」

「つづきはこちら」からどうぞ

そして
>susuさんへ
 
普通でなくてもいい?へ、変態でも?あうっ!(喜)
 ありがとうございます。
 妄想作業中、自分の好みに気づき、赤面するという、
 楽しい時間を過ごしておりました。(笑)
 徐々に、ええ、少しずつ・・・ほほほ(危)

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とある昼下がり。
ここはサニー号の船内。

ナミとロビンはチョッパーをお供に、
島へ買い物に出かけている。
昼食を終えたばかりのクルー達は、食堂に残ったまま
くつろいでいた。

「はぁ~、ヤローに出すメシは気合が入んなくていけねぇ。
 なんか、報われないなぁ。」
ひと仕事終えたサンジが、煙草を燻らせながら、ため息とともに呟く。
「サンジ君!とっても美味しいわ!あなたの料理、毎日食べたいの~!
 言われてみたいなぁ。」
両手を組んで、うっとりと、想像する。

カチャカチャと皿を洗っていたウソップが振り返る。
「サンジ、じゃあお前、結婚したらメシはお前が全部作るのか?」

「あぁ?もっちろん俺が、全部作ってあげるんだぁ~!」
「はは、お前なら、掃除も洗濯も何から何までやりそうだな。」

「愛する人が望むなら、何でもしてあげるんだぁ。
 あんなことも、こ~~んなこともっ!」

「ははは。」脱力して笑う。

「ウソップ、お前、故郷に、いい人がいるんだろ。」
「なんだよ、急に、お、俺は、いいんだ、別に。」
ウソップが、時折、珍しい物や綺麗な装飾品を小包で
差出人も書かずに、送っていることを、皆、知っていた。
「俺が、勇敢なる海の戦士になることを、
 きっと喜んでくれるんじゃねぇかと、思うんだ。」

「嘘を本当にする男だぁ、俺は!」と親指で自分の胸を指して胸を張る。
「ま、そんなこと確かめた訳じゃねぇけどな。」
と少し、照れて鼻を擦る。
「そんでもって、自信が持てたその時には、きっと会いに行くさ。」
ウソップの頭の中には、花を抱え、あの屋敷の窓の下に立つ、自分の姿と
それを身を乗り出して迎えるカヤの姿が浮かんだ。


「なに、語ってやがる、若者達!女の扱い方は、俺様に聞けって!アウッ!」

「変態はやだよ・・・」ウソップとサンジが目を細める。

「おう、ありがとなっ!いいか、女ってのは、強がって生きてっから、
 そこを、ど~~~んっと、受け止めてやる懐の深さを見せつけてやると、
 安心するんだぜ。」
パカッと胸を開けて見せると、中にコーラの瓶が見える。
「ああ、よく見える!」サンジが一応つっこむ。

「強がりの仮面が、パッと外れる瞬間が、たまんなく、可愛い生き物なんだよ~!
 女ってのはっ!!!!その表情(かお)を、俺だけにしか見せないとくりゃ、
 男冥利に尽きるってもんだろ~~~!」

ウソップは、すっかり、感心してうんうんと頷いている。
サンジは、「そんな顔、見せられたら、俺、どうしよ~~」
と、また妄想に目を泳がせている。

黙って聞いていたブルックが、紅茶のカップをソーサーに置くと、
遠い目をする。(あ、目ないんですけどね。)
「共に、骨になる日まで・・・ですかねぇ。あ、私もう骨なんですけどっ!」
一人で笑いながらも、
「いいんです、いいんですよ。例え傍に居なくとも、私の心の中に、
 愛しい人の面影がちゃんと残っていますから。それだけで充分なんです。」
そう言いながら、やっぱり遠い目をする。
(って、目ないんですけどね!ってしつこいってばっっ!!!)


ソファーで目をつぶったまま、腕組みをして黙っていたゾロが目を開ける。
ふぁ~~~~っと大きな欠伸をひとつ。
「ゾロは、どうなんだ?」ウソップが問いかける。
「こいつには、何も期待しねぇぞ、脳みそ筋肉だからな。」サンジが呟く。

「オレかぁ・・・オレは、生きてりゃいいよ。」

「はぁ?」サンジが目を見開く。
「何だよ、それ!傍にいてやりたいとか、一緒に居たいって思わねぇのかよ!
 お前、やっぱ頭おかしいっ!」
声を荒らげる、サンジに、少しの間、考えた様子のゾロだったが、
「生きてりゃ、オレは、充分、幸せだ。」
と、繰り返す。

「てめぇの幸せなんざ、どうでもいいんだよっ!
 相手が、可哀想すぎるだろっ!相手がどこかで泣いてても、構わねえってのかよ!
 助けに行って、抱きしめてやりたいって思わないのかよっ! この極悪非道人!」
サンジがカッカしながら近づいてきて、ドンとゾロの前のテーブルを叩く。

「あぁ?じゃあ、てめェは、愛する人が望むならって、ぬかしやがって。
 惚れた女が、他の男が好きだと言ったら、譲っちまうのかよっ!」
ゾロの反撃に、サンジは、ぐっと言葉に詰まらせる。
「うるせぇ!マリモにはそんな事言われたくねぇぞ!」
二人、今にも、掴みかかりそうな勢いの所を
ウソップが止めに入る。
「おい、そんなに熱くなんなよっ!まったく、お前ら二人は、いつもこうなるんだから。」
「若いな、おめえら。」フランキーは、笑いながら事の次第を見ている。

「おい、ルフィ、お前はどうなんだ?惚れた女に、どうしてやんだ?」
フランキーが水を向ける。

「あ?おれか?おれは・・・」
もぐもぐと、食後のオヤツを頬張りながら、ルフィが応える。
「おれはなぁ、全部だ!全部、愛するぞっ!」
拳を振り上げて、宣言する。
睨み合ってたゾロとサンジも、ルフィの方を見る。

「よほほ、さすが船長、意味が深いです。」ブルックが笑い出す。

「ああ、おれは、海賊王になる男だからな!」
しししと、ルフィが笑う。
「なんだよ、ルフィ、意味わかんねえぞ。」とウソップ。

それでも、なんだか皆んな笑い出して、席を立ち、食堂を後にする。
ルフィは釣りでもするかぁと伸びをしながら、甲板に出ていき、
フランキーは、地下の作業場に降りていった。
ブルックは、デッキへ出て、ヴァイオリンを奏で始める。
ゾロは、もう既に、甲板の日陰を見つけて、眠っていた。

食堂に残ったウソップとサンジは、なんだか毒気を抜かれたように
座っていた。
「俺、なんだかゾロの、生きてりゃいいっていう気持ちわかるかも。」
ウソップが、テーブルに肘を付きながら、話し出した。
サンジの眉がピクンと上がるが、何も言わないので、ウソップは続ける。
「俺の・・・想う人は、故郷にいるから、なんの心配もしてないけど、
 ゾロの、あいつの好きな女って、確か、海軍の、女剣士だろ。
 常に、戦いの中に居る訳だ。危険なこともあるだろうし、でも、
 海賊のあいつにしてみりゃ、傍にいることも、助けに行くことも出来やしねえだろ。
 だからよ、無事でいてくれって、いう意味じゃねぇのか。
 ま、俺だって、シキの事もあったし、故郷が無事かって、心配し始めたらきりがないからな。」

新しい煙草に火をつけたサンジが、大きく煙を吐き出す。
「そんなもん・・・・奪っちまえばいいだろうが・・・」
両手を頭の後ろで組んでいたウソップが笑い出す。
「ははは、サンジ、好きな女の、望むようにしたいんだろ。
 そう言う奴の台詞かよ!」
つられてサンジも笑う。
「本当だな。」
 

 

********


その夜、見張りに起きていたゾロの元に、サンジが酒を抱えてやって来た。
「おう、邪魔するぜ。月見だ。」
ほうってよこされた酒瓶を、キャッチして眺める。
「月見には、いい酒だ。」
ゾロがニヤッと笑う。サンジが持ってきたのは、ゾロの生まれた地方の酒だった。
グラスに注いで、一口含むと、少し辛めの味が、目を覚まさせるようだ。
中秋の名月とまでではないが、満ちつつある十三夜の月が今夜ははっきり姿を現している。

切り出したのはサンジだった。
「まったく、お前は、痛いとこ付きやがる。」
「あぁ?・・・ああ、おめぇこそ。」
昼間の事だと、ゾロはすぐに気がついた。

わざわざ酒を持ってきてくれた事が、ゾロの口を滑らかにしたようだ。
少しだけ、言い訳をするように、話し出す。
「お前が言ってるように、傍に行って抱きしめたら、自分がどうなっちまうか分かんねぇ。
 全部、滅茶苦茶に壊してしまいそうで。」
純愛というのは相手を滅茶苦茶にしてしまいたい感情なんだろうか、サンジは思った。
ゼロか100かなんて、俺には選べねぇ。

「俺だって、俺だけのモノにしたいって、何度思ったことか。
 でも、その笑顔が見られるだけで、俺は充分幸せだって。」
ひとしずくの笑顔でいいから、与えられれば、自分も潤うのかもしれない、ゾロは思った。

「でも、相手が俺でなくとも、俺はあなたの幸せを願いますなんて、
 今はまだ、そんなこと考えたくもねぇ。
 生きてるだけでいいなんて、俺には、まだ、思えねぇ。」

サンジはゾロの潔さが、羨ましかった。
ゾロはサンジの素直さが、羨ましかった。


「はは、蓋を開けりゃ、欲望が渦巻いてドロドロのぐちゃぐちゃなんだよ。」
「ああ、安心したぜ。その若さで、煩悩捨ててしまったかと、俺は心配したぜ。」
プッとゾロが吹き出した。
「悔しいけど、煩悩まみれだぜ。てめえと一緒だ。」
「ああ、まったく。」

月は高く、酒の瓶は二人の間を何度も行き来する。
たまには、こんな話しも悪かねぇな。
そう思っても、口には出さずに、黙って酒を酌み交わす男二人を
月の光が、静かに映しだしていた。

〈完〉

 


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ゾロとたしぎは公認カップルと信じて疑わない。
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