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ワンピース二次創作、ゾロたしのSS中心です。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
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ひゅうさんリク作品です。
ゾロ、たしぎ、ペローナが出てきます。
「つづきはこちらから」どうぞ

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「お~~い、ゾロ~~、そろそろ行くぞ。
 鷹の目が呼んでいる。」

ん?あぁ。
カフェのテラス席で、ゾロは半分眠っていた目を開けた。
ここはグランドラインのとある島。
クライナガ島から鷹の目、ペローナの三人で、
月に一度の買い出しに来ていた。
今日は、一日中ペローナの買い物に付き合わされ、
いい加減うんざりしていたところだ。

立ち上がり、荷物を運ぼうとした時、
後ろから聞き覚えのある声がした。

「待ちなさい!ロロノア、また逃げる気ですか!」
振り返ると、いつもの海軍のジャケットを着た
たしぎが立っていた。

ほんの数時間前に、街角でばったり出くわし、
逃げてきたのだった。
上手くまいたと思ったんだがな。
まったく、厄介な奴に出くわしちまった。

苦虫を噛み潰したような顔で、頭をガリガリと掻くと
「ったく、お前とは勝負しねぇって言ってんだろ!」

「そうやって逃げてばかりいて、本当にあなたって人は・・・」
怒りを露わにして、たしぎが時雨に手をかける。

そこに、しびれを切らしたペローナの分身が飛んで来た。
「おいっ、ゾロ、おせーぞ!何やってんだよ!」

ゾロは目の前の女と睨み合って動こうとしない。
何だ?こいつ海軍か?こんなのほっといて、早く来ればいいのに。

イライラしながら、ゾロの周りにまとわりつく。
「なぁ、早く行こう。」

「あ?今行く。先、行ってろ。」
海軍の女から視線を外さずに、言い放つゾロの態度にペローナがムッとする。
「なんだよっ!こんな奴ほっといて、行くぞ!ゾロッ!」
「分かったから、向こうで待ってろ。」

ペローナに強く言われるゾロを見て、
たしぎは面白くない。
「逃げ足の速い剣士ってのは、ずいぶんモテるんですね!」
引きつったような笑みを浮かべる。
「こいつは、関係ねぇよっ!」


コイツだとっ!関係ねぇだとっ!
完全に頭にきたペローナ。
「お前が、手こずる相手なら、手助けしてやるよ!」

「くらえ、ネガティブホロウ!!!」
さっと手を振ると、ゴースト達がたしぎの身体をすり抜けた。

「あっ、バカッ!やめろ!」

「はははは~、ザマーミロ!ゾロ、先行ってるからな。」
満足そうに、地面に膝まずいたたしぎの姿を認めると
ホロホロ~~と居なくなってしまった。

 


ペローナが完全に見えなくなると、
ゾロは恐る恐る振り返り、たしぎの様子を伺う。
両手を地面について項垂れている。

「お、女に生まれて、すいません・・・」
「強い剣士になろうだなんて・・・」

ペローナの奴、なんて事してくれたんだっ!
こいつは、ほんと、めんどくせ~んだよ!まったく。


ひとめもある街角から遠ざけるべく、
今にも地面にのめり込みそうなたしぎを担ぎ上げると
その場を離れた。

背中でブツブツ言っているたしぎを降ろしたのは、
海の見える小高い丘だった。
近くの木にもたれさせるように座らせると
ゾロは両手で頬を挟むようにピシャピシャと叩く。
「おいっ、しっかりしろ!」

「ロ、ロロノア・・・」
やっと焦点の合った瞳で、ゾロを見つめ返すたしぎ。
「大丈夫か?」
顔をのぞき込む。

たしぎは、困ったように眉間にシワを寄せると、
「あなたと、同じくらい強くなくてゴメンナサイ・・・」

はぁ?ダメだ、全く醒めていない。
ゾロはがっかりする。

「ロロノア、あたたの側にいたいなんて、思ったりしてゴメンナサイ・・・」

はああ?なんか、変な具合になってきたぞ。
ゾロの片眉がピクンと上がる。

「海軍なのに、あなたしか目に入らないなんて、
 私は、ミドリムシ以下です・・・」
見つめるたしぎの潤んだ瞳から、目を逸らせない。

えっと、何だ。
急に鼓動が激しくなった。
ゾロは、たしぎの肩を抱いたまま、うろたえる。
「お前、何言い出すんだよ、ほんとに。」

「ほんと、グズで、トロくって・・・
 それでも、ロロノアのことが・・・」

「わ~~~~~~っ!!!もう、何も言うなっ!」
大声でたしぎを遮ると、
がばっと自分の胸にたしぎの顔を押し付けるように抱きしめた。

ガクンとたしぎの身体から力が抜け、そのままゾロの腕の中で崩れ落ちた。


頭を抱え、座り込んでいるゾロの横で、たしぎはすうすうと寝息をたてている。
少し、強く覇気を当てすぎたようだ。

まだ心臓がバクバクしている。
まったく、こいつは何を言い出すかと思えば、焦ったぜ。
ネガティブホロウのせいだ。こいつの本心じゃねぇ。
そう自分に言い聞かせてみても、何だか落ち着かなかった。

はぁ。大きく息を吐いて空を見上げれば、陽がだいぶ傾いてきた。
このまま、たしぎを放ったらかしにして帰ろうかとも考えたが、
何となく腰を上げることが出来なかった。


「ん、あれ?私、何で寝てるんですか?こんな所で・・・」
たしぎが目を覚ました。
身体を起こすと、側にいるゾロに気づく。
「ロロノア。」
たしぎが声を掛けても、ゾロは、元に戻ったのか半信半疑で
じっとたしぎの様子を見つめていた。

ゾロの様子に首を少し傾げると、両手を大きく上に伸ばす。
「んん~~~っ、なんか、すごいスッキリしたぁ。
 最近、寝不足だったからかしら。」

どうやらネガティブホロウは脱したようだ。
しかし、何にも覚えてないのか?
ゾロは、いぶかしげにたしぎの様子を伺う。

「あっ、大変、もうこんな時間。隊に戻らないと。」
たしぎは時計を見て、何事もなかったかのように立ち上がる。
「ロロノア、勝負はお預けです。運が良かったですね。」

本気で言ってんのか?
とゾロが睨むのも気にぜず、笑っている。
「じゃ、私、行きます。」
たしぎが歩き出す。
二、三歩進んで、思い立ったように振り返ると、


「ロロノアが、年下の子が好みだなんて、
 知らなかったです。」
と言うとべ~~っと舌を出し、そのまま走っていった。

残されたゾロは暫くたしぎが走り去った方を眺めていた。
はぁ~っと、息をついて、仰向けに寝転がる。

なんか、すっげぇ疲れたぞ、今日は。
ふぁ~~っと大きな欠伸をすると静かに目を瞑った。
ゾロの頬を、爽やかな風が撫でるようにそよいでいった。


〈完〉


ひゅうさんからリクエスト
「ペローナがたしぎと張り合いゾロの両腕取り合う!!」
ありがとうございました。
まぁ、両腕取り合うまでは行きませんでしたが、
お互い反目してるかな感で
許したって下さいませ。
というか、たしぎがネガティブホロウを喰らったら、と考えてたら
楽しくなってきて、ゾロを弱らせてます。
2年の間なんだろうけど、たしぎがいつも通りで、
ゾロの目も変わらず、なんか設定は曖昧です。
たしぎが、確信犯かどうかは、想像におまかせします。(^^)


 

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ゾロとたしぎは公認カップルと信じて疑わない。
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