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昨日の雨で、だいぶ涼しくなりました。
一昨日は、35度とか・・・弁当腐るよっ!
そいうい時に限って、保冷剤凍らすの
忘れてしまうんです。
そんなんで、まだ熱い夏は終わらない~~
ってな感じで
ゾロたし パラレル 風シリーズです。
頭ン中は、もう・・・
「つづきはこちら」からどうぞ
「熱風」2
ガタン。
バイクのスタンドを立て、ヘルメットを脱いだ。
振り返ると、先に降りたたしぎがヘルメットを抱えている。
「疲れただろ。だいぶ時間くっちまったな。」
「大丈夫。」
バイク置き場は蛍光灯一つで、薄暗く
たしぎの顔はよく見えなかった。
たしぎからリュックを受け取ると先に立って歩く。
アパートの部屋の鍵を廻した。
*****
「いいのか?」
部屋に入り、鍵を閉めると、なんだか急に緊張してきた。
思わず確かめる。
「うん。」
たしぎは、普段通りに、居間でジャンバーを脱ぐ。
「ロロノア、運転疲れたでしょ、なんか食べる?」
途中、寄ったコンビニで何やら買い込んでいたお菓子や飲み物を
テーブルに並べ始めた。
「いや、なんでもない。それより、シャワー浴びてこいよ。
汗かいただろ。」
言ってしまってから、急かしてると思われたかと
一人、焦る。
「いえ、ロロノアの方が大変だったんだから、先に
お風呂入って、ゆっくりして下さい!」
たしぎに押し切られるように促されて、ゾロは風呂場に向かった。
この後のことを、考えるだけで、落ち着かなくなった。
ガチャ。
風呂から出ると、たしぎもすぐに立ち上がると
目もあわせないで、
「交代ですね。」
と、そそくさと風呂場に消えていった。
寝室は、朝起きた時のまま、布団が敷かれている。
少しシーツを引っ張って直すと、寝心地を確かめるように
寝転がった。
ほんとに、これから、ここで・・・
居間から流れ込んでくるエアコンの冷気が日焼けした身体に
心地よく、ゾロは目を静かに閉じた。
******
ふと、目覚めてガバっと起き上がると、
部屋は薄暗く、常備灯だけがともっていた。
やべぇ、寝ちまったのか?
両手で覆うように顔を擦る。
たしぎは?
開いたドアから覗く居間には姿は見えない。
帰ったのか?
立ち上がろうと着いた指先に柔らかいものが触れる。
びくっとして、振り返った先にはたしぎが寝ていた。
Tシャツと短パン姿で、丸まるように眠っている。
オレの後ろに寄り添うようにくっついて・・・
仄かなあかりの中、白く浮かび上がるたしぎの姿を
息をするのも忘れて、眺めていた。
顔にかかる髪に手を伸ばそうとして
思わず手を止めた。
たしぎを起こさないように静かに立ち上がると
トイレに立った。
洗面所で顔を洗い、冷蔵庫から水を取り出して
一口飲んだ。
もう眠れないのは、分かっていた。
たしぎに触れたい。
あの髪にも、頬にも、唇にも
・・・全てに・・・
起こしちまっても、構わねぇ。
嫌と言われても・・・
言われたら・・・どうすればいい・・・
抑える自信がねぇ。
グルグルと頭ん中を、いろんな想いが巡るまま
たしぎの姿に、引き寄せられるように
寝室に戻った。
横に正座して座ると、たしぎを見下ろす。
ゴクリと喉がなって、拳をぎゅっと握り締めた。
身体が固まったまま動けなかった。
ふっと息をはき、ここから離れようと
着いた手に、たしぎの指先があたった。
やべ。触るつもりはなかったのに。
急いで引っ込めようとした手に微かな抵抗感。
まじまじと自分の手を見つめると
たしぎの手が指をオレの指を握っていた。
「目が、覚めちゃった・・・」
「お、おう。」
間の抜けた返事をしながら、たしぎを見下ろした。
「んしょ・・・」
たしぎが身体を起こした。
Tシャツの首のところから半分見える肩口に
ドキッとする。
ペタンを女の子座りするたしぎと
正面から向き合うような格好になった。
「ロロノアの寝顔見てたら、眠くなっちゃって。」
へへへと笑う。
「ワリぃ、寝ちまって・・・」
「ううん、私も、ほんとは疲れてたから。」
「・・・あぁ。」
気まずい沈黙。
「まだ、夜中なんだね。」
チラッと目ざまし時計を見て、たしぎが言う。
あぁ、まだ時間はたっぷりある。
「でも、もう眠れないかな・・・」
あぁ、オレも。
「・・・いいのか?」
ためらった末に、聞いてみる。
ふふっと、たしぎが笑う。
「ロロノア、今日は、そう聞いてばっかり。」
少し責めるようにオレを見るたしぎから
慌てて目をそらした。
「ゴ、ゴメン・・・」
耳に自分の鼓動が響いて、思考がどっかに吹っ飛びそうだ。
ちょっと腰を浮かして、顔を近づけたたしぎが
耳元でささやく。
「・・・いいよ。」
頬に軽く触れるキス。
弾かれたように顔を上げると
たしぎが離れてしまわないように、ぐっと引き寄せた。
〈続〉