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ふんふんふ~~ん
鼻歌出そうなくらいお気楽な感じです。
ところで、時雨の鍔は
四角ので決定でしょうかね。
最初は、丸みを帯びて花びらみたいでしたけど、
ね~~、鍔、交換したということで、いいのかな?(笑)
ポチポチありがとうございます。
元気になりますよ~~!
>susuさんへ
ありがとうございます。まだまだひよっ子ですが(^^ゞ
楽しんでいけたらなぁと思ってます。
ほんと、あの10分の間に何があったんでしょうか。
見えない所のほうが、妄想に拍車がかかります。
レス漫画、素直に我慢する姿を(なにに?)妄想してました。(^^ゞ
時折からみながら離れないぐらいの距離で、
ずっと共に行動してくれたらいいのになぁ。
PH編後のG-5の海軍の立場が気になる。
あ~、ワの国にはたしぎは必要でしょう。
あの刀マニア!(笑)
>ひゅうさん
>最も濃いゾロたし風味(笑)
ひえ~、もうあの展開から3週間も経つんですね。
まだ、どっぷり浸ってます。(笑)
あと、ありえない・・・のお話は、他サイト様の作品なんで
NGでございます。ごめんなさいね。
さて、今回はパラレルです。
お待たせいたしました。
ひゅうさんリクエスト。
中世ヨーロッパ風味の空想物語です。
よろしかったら「つづきから」どうぞ
「双剣の鷹」 1
小春日和の午後の陽ざしの中、
交差する幼い影。
「えいっ!」
バシンッ!バシン!
木刀の打ち合う音が響く。
「・・・ってぇ・・・」
小手を打たれ、刀を落したのはゾロの方だった。
「やったぁ!まだまだ、ロロノアには負けません!」
腰に手をあてて、胸を張って勝ち誇るのは、たしぎだ。
「ちっきしょお!お前なんか、すぐに追い越してやっからな!」
悔しそうに刀を拾い、たしぎに向ける。
「ふんっだ!」
確かに、ゾロの腕前は、急激に上達してきている。
ここ最近は、負けはしないものの、引き分けの回数も増えてきている。
このままじゃ、きっと負ける。
そんな予感がしつつも、どうすることもできなかった。
「オレだって、もう10歳になるんだからな。」
ゾロの負け惜しみに、口をへの字に曲げていたたしぎが
パッと笑う。
「もうすぐロロノアの誕生日だね。何が欲しい?」
顔についた泥を、拳でぬぐうと、ゾロは見下ろすたしぎをきっと睨む。
「何もいらねぇや!」
踵を返すと、だっと駈け出した。
「あっ!こらっ!ロロノア~~!」
*****
姫様・・・たしぎ様・・・
呼ばれて目を開ける。
ま、まぶし・・・
「たしぎ様、また、こんな所で、うたた寝など!
はしたない、お幾つになられました!?」
えと・・・19・・・
ぼ~っとする頭で、答える。
「お歳が問題なのではありませんっ!そもそも、うら若き姫が
こんな庭先で、眠ってしまうなど・・・・」
侍女の小言を聞き流しながら、たしぎは、ドレスに落ちた花びらを払う。
小さな中庭の、東屋。
たしぎのお気に入りの場所だ。
深まる秋、ちょっとした陽だまりが心地よくて
思わず萩の花が咲き乱れる中、目を閉じていたら眠ってしまった。
「ふぁ~~~っ!」
両腕をそらしたら、大きな欠伸が出た。
「姫様っ!!!」
「はいっ!」
急いで、敷石から降りようとして、低い段差でこけた。
「姫様っ!」
慌てて駆け寄る侍女の後ろから、聞こえてくる忍び笑い。
「くくっ・・・まったく、進歩ねぇな。」
はっとして、起き上がると、ゾロが姿が目に入る。
「ロロノアッ!」
間抜けな所を見られ、さすがに、顔が赤くなる。
「ロロノア・ゾロ。ここは姫様の寝所近くの中庭でございます。
お前が来るような所ではありませぬ。」
侍女が、間に立ちふさがる。
「これは失礼いたしました。ただ、親方様に呼ばれまして、ここが一番の近道かと。」
確かに、ゾロの居る詰所から、本所まではここを突っ切るのが一番早い。
「それでは、致し方ありませぬが・・・あまり、ここに通り道にするなど」
まだ、何やら言いたそうな侍女に
「それでは。」と頭を下げると背をむけてさっさと行ってしまった。
久しぶりに見たロロノアの姿は、秋だというのに日に焼けて
身体も一回りも大きくなったように感じた。
父に呼ばれたと言ってましたね。
何だろう。
たしぎは、部屋に引き返すと、こっそりと父のいる本所に向かった。
*****
ここは、鷹の目城当主、ジュラキュール公ミホークが治める地方の領。
混乱を極めた戦乱の世の中、
ジュラキュール公は、若くして、領地を広げ、治安を維持し、
領民は安定した暮らしを送っていた。
しかし、見えない大きな時代流れの中、
ここもまた、戦乱の流れに巻き込まれようとしていた。
******
「剣術競技大会ですって!?」
控えの間で、こっそりと、父ミホークが話す内容に、たしぎは心が躍った。
諸国の若い剣士たちを集めて、その技を競わせようという趣旨だった。
ミホークは、若い頃は、世界一の剣豪ここにありと、その名を広く知らしめたという。
もちろん今でも、その腕は健在だが、大きな勢力を保持するようになった昨今、
表立っての戦闘を、たしぎは見たことがなかった。
たしぎは、父ミホークが刀を抜く時が、来なければいいのにと密かに願った。
ミホークは弟子は取らなかったが、多くの剣士達に目を掛けてきた。
軍師であるコウシロウに、道場を持たせ、有望な若者を集めては、剣術の稽古をつけさせていた。
そこの集まる者たちは、皆いずれ、この国を守る、立派な剣士になることを夢みていた。
その若者の中に、ロロノア・ゾロがいた。
たしぎより二つ年下で、物心ついた頃から、一緒に過ごしていた。
たしぎはずっと、コウシロウの子だと思っていたが、
実は血は繋がっていないという噂を耳にした。
その腕を、やっかんで、周りの者たちが、どこぞの馬の骨ともわからない捨て子だと
いかにも本当らしく話すのを聞いて胸が痛んだ。
しかし、当の本人は、意も介さずに平然としているので、
きっと噂は嘘だと、たしぎは一人納得していた。
たしぎの母は、たしぎを生んですぐに命を落としたと聞いている。
母の面影は、ほとんど記憶にない。
父は、闘いに明け暮れる毎日。
少しでも、父に目をかけてほしくて、
必死に剣を学んだ。
きっと性に合っていたのだろう、いつしか女の子とは思えないほど
強い剣の使い手になっていた。
子供の頃の遊び相手は、やはり一緒に剣を学んでいたゾロだけだった。
遊ぶといっても、剣術ばかり、一日中、刀を振っていた。
たしぎが13歳になると、たしぎは父の命によって規律の厳しい
寄宿学校に入らされた。3年間、上流階級の子息にふさわしい教育というものを受けた。
要は、剣ばかりの娘に花嫁修業をつけさせようという苦肉の策だったらしい。
熱く戦術や刀の細工の素晴らしさを語るたしぎは、だいぶ変わり者だったが
友人も出来、それなりに充実した学校生活だった。
学問は、それほど苦にはならなかったが、
たしぎにとって、剣を振れないことだけが、辛かった。
このままじゃ、ゾロに負けてしまう。
そんな想いで、長期の休みで屋敷に戻る度に、必死に剣をふるった。
15歳もすぎれば、身体もゾロのほうが大きくなり、たしぎはゾロに勝てなくなった。
次第に、勝負にすらならなくなった。
一度、悔しくて悔しくて、泣いて掴みかかったことがある。
一方的な言いがかりだとは、十分に承知していた。
それなのに、ゾロは、困った顔をしてただ黙っていた。
それ以来、剣を合わせることはなかった。
ゾロが14歳になると、外の国へ赴任していった。
3年後に戻ってきた時には、どこから見ても立派な剣士だった。
三本の刀を腰に差し、精悍に馬を操る姿は、しばしば侍女達の噂にのぼった。
密かに好意を持つ女達は、やれこっちを見ただの、目が合っただの、
おかげで、たしぎはゾロの様子は、こと細かに知ることが出来た。
耳の三本のピアスをつけているのは、赴任先に置いてきた女のものだとか
三人の女がいるんだとか、様々な憶測が飛び交っていた。
そんな噂を耳にしながら、たしぎは、話しかけることも出来ずに
遠くから、姿を眺める日々が続いていた。
*******
「ねぇ、お父様。剣術競技会、私も見てかまわないでしょう!?」
「めずらしく頼みごとをすると思ったら、まだそんなものに興味があったのか。」
「だって、お父様の娘ですもの。」
少しすねるように言うと、まんざらでもなさそうに笑いながら
許してくれた。
「優勝した者に、なにか褒美をお考えでしょうけど、
私から、花束を進呈したいのですが・・・」
「・・・まぁ、構わぬか。」
「ありがとうございます!」
嬉しそうに部屋を出ていく娘の後ろ姿を見ながら、
「そう簡単にいくか?」
と笑みを浮かべながらミホークは呟いた。
******
部屋に戻ったたしぎは、ほうっと大きく息を吐いた。
窓辺にたたずめば、外には紅く変わり始めた森が広がっている。
子供の頃は、あの森を抜けて、よく馬を走らせた。
高台の上から眺める夕日は、ほんとうに綺麗だった。
いつから、こんなに遠くになってしまったのだろう。
手を伸ばせば、触れられる程近くにいたのに。
たしぎは、自分の想いがどういったものなのか、自分でも分からなかった。
ただ、前のように、一緒に稽古したり、普通に話したいと思った。
競技会は、ロロノアの誕生日の近くだ。
何か、一緒にプレゼントをあげよう。
「何もいらねぇや。」
幼い頃の、ロロノアの顔が浮かんで、
たしぎは、くすっと笑った。
******
ガチャン、ガチャン!
鉄がぶつかり合う音が、誰もいない部屋に響く。
稽古場の片隅で、ゾロはトレーニングをしていた。
今日、ミホーク公から聞いた話を考えながら。
剣術競技会だと?
願ってもないチャンスだ。
この腕を試せる。
その日も、夜遅くまで
ゾロの息遣いが、静かに響いていた。
〈続〉