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一昨日、昨日の空模様で
すっかり、雪景色に戻ってしまいました。
春は、まだまだ遠いな~~フッ
そういえば、先日、髪をバッサリ切りました。
少年のようなショートカットに。
いえ、ただのおばちゃん・・・
女子力、落ちてるような・・・化粧しないとな~~
すっかり、手抜き。
マスクで、隠してます。
さて、頑張るたしぎちゃんシリーズ(笑)
ポチポチありがとうございます。
すっかり間があいちゃったけど、
「G-5物語~作戦~」 つづきはこちら からどうぞ~
4 作戦
次の日、たしぎはスモーカーに
昨夜考えた作戦を告げた。
腕を組みながら、黙って聞いていたスモーカーが
頷く。
「よし、その作戦でやってみるか。作戦準備は全てお前が指揮をとれ。」
「はい。」
「ほんとは、スモーカーさんは、島で爆煙の担当がうってつけかと。」
「俺が捕り物に参加しないで、どうする!」
「そうですよね。」
ペロッと舌を出すと、
たしぎは、バタバタを船長室を後にした。
*****
その日は風もなく静かな夜だった。
沖合に浮かぶ一隻の船。
薄曇りの空に浮かぶのは、黒い帆。
おもむろに、島の港への侵入経路に停泊すると、
ドーンッ!と大きな大砲の音が辺りに響いた。
昼間老人が指し示した岩山から、白い煙があがる。
甲板の上では、乗組員達が歓喜の雄たけびをあげる。
その船の更に沖合から、また一隻の船が近寄ってくる。
黒い帆の海賊船だ。
先に大砲を打った船の横につけると、
負けじとばかりに、大砲のねらいを島に定める。
船長らしき男が、見てろよとばかりに号令をかけようと
腕を振り上げた途端、先に打った船が、船の舳先を割り込ませてきた。
「何しやがる!邪魔だ!どけっ!」
丁度、雲に隠れていた月が姿を見せるとともに、
旗がするすると掲げられる。
その旗を見た海賊たちの動きが止まる。
旗には、カモメがモチーフの海軍のマークが浮かび上がっていた。
「覚悟しなさい!」
ひらりと身を翻し、たしぎが敵船に舞い降りる。
月の光りを浴びて、時雨の刀身がきらめいて見える。
スモーカーはホワイトブローを繰り出すまでもなく、
十手で次々と海賊達をなぎ倒していった。
敵船を制圧するのに、僅かな時間しか要しなかった。
「すげぇな、あの二人。」
「あぁ、あっという間だった。」
「おらぁ!ボケっと見てねえで、こいつら縛り上げろ!」
海賊船に乗り移るまでもなく、捕り物が終わってしまった部下達は
あっけにとられて、二人の戦いを見とれていた。
「さぁ!敵船を繋いで基地まで連行します。」
「りょ、りょうかい・・・」
口数も少なく、作業に取り掛かる。
「あっ、忘れてたっ!」
たしぎが大きな声をあげる。
「島の岩山で、待機してる者達に合図しなきゃ!」
「あいよ。」
空砲を打っていた狙撃班が返事をする。
大砲を空にむけると、点火する。
「行くぜ!」
ドッカーン!!!
ひときわ大きな音とともに、空に鮮やかな花火が開いた。
「?!」
口を開けたまま空を見上げるたしぎが絶句する。
「いあやっほ~~~!」
「作戦成功だぁ~~~!」
港を見れば、島の住人たちが家からバラバラと出て来て
花火を見上げている。
大人も子供も皆笑顔だ。
「それ、もういっちょ!」
ドッカーン!ドッカーン!!!
まるで祭りのように、一気ににぎやかになった。
「こんなの、いつの間に準備したんですか?」
「いやぁ、こういうことは、俺らに任せてよ、少尉ちゃん!」
得意そうに鼻をこする。
「ったく、大層な作戦だな。」
たしぎの背後から、スモーカーが声をかける。
「スモーカーさん。すいません。」
驚いて振り向いたたしぎが、慌てて頭を下げた。
そして、花火を見上げてはしゃぐ隊員達に向かい、
大声をあげる。
「あなたたち!やりすぎですっ!!!」
その声も、楽しそうに笑う島民と隊員のまえに、
次第に笑顔に変わっていった。
******
空が白んで明るくなる頃、島の岩山に大きな海軍のマークが浮かび上がる。
岩山班の皆で、目印しのように書きあげたものだ。
「これなら、海賊も的には出来っこないだろうな。」
「あぁ、まったくだ。」
「G-5の縄張り、一丁あがりってもんだ。」
岩山班の人員を船に回収すべく、港に降り立つたしぎとスモーカー。
島の住人達がその姿をみて次々と顔を見せる。
「ありがとう!海軍!」
「まったく、昨夜は楽しかったぜ。」
「もう、これで、海賊達は大砲打ったりしないよね。」
「あぁ、俺らが目を光らせているから、もう平気だ。」
「あぁ?今まで諦めてた奴が、何だよ。」
「へへへ、まぁ、今回は、新しい準将と少尉のおかげだな。」
住人に応える、G-5の顔も、誇らしげだ。
たしぎと話した老人が前に進み出る。
「ありがとう、海軍。これで、ゆっくり夜も寝られるよ。」
「よかった。また寄りますから、何かあったらすぐ、教えてくださいね。」
「あぁ。頼りにするよ。」
「いくぞ!お前ら!」
スモーカーの掛け声に、隊員達がバラバラと走って集まる。
その素早さは、信頼の表れだろうか。
たしぎは、嬉しかった。
先陣切って、飛び込んで行きやがった。
あんな奴ら、初めてだな。
あぁ、いつも俺らの後から
ついてくるような上官ばっかだったからな。
二人を見つめる隊員達の空気が、
航海前とは少しづつ、違ってきていた。
〈続〉