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ワンピース二次創作、ゾロたしのSS中心です。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
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 ひっさしぶりのお話の更新です。
なんか、いろいろ書き散らかして
全部、途中ものばっかで (^^ゞ

ま、ゆっくり書き上げていきたいと思います。

毎年言ってますが、
うちのひな祭りは、旧暦ですから!(笑)

でも、こんな寒いのに、祝う感じじゃないですよ~~!
今年も!(も?)
おっ!ヒナ嬢、お誕生日おめでとう!
昨日は、サンジ君おめでとう!

ポチポチありがとうございます。
息子、無事、卒業できました。
そう言えば、私、高校の卒業式、ひどい風邪で
出席できなかったんです。
昨日は、私の母校ということもあって、
初の高校卒業式でございました。
うん。いい式でした。

さて、双剣の鷹シリーズ第3作
お姫様たしぎと従者ゾロ
「つづきはこちら」からどうぞ




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双剣の鷹 3 ~縁談~

 

「さぁ、あとは、焼けたらひっくり返して。
 焦げないように、よく見ててくださいませ。」


「・・・ふぁああい。」

「なんですか!そんな気のない返事はっ!
 いいですか!そもそも、お料理は、家事の基本。
 姫様が、将来、お仕えする旦那様に美味しいと
 褒められるようなお料理を、作ってさしあげられるようで
 なければ、なりませんのですよ!」

大きな調理場で、激を飛ばす侍女の隣に立ち、
たしぎは料理の手ほどきを受けていた。
午前中かかって、林檎のジャムを大鍋で作り、
午後からはパンケーキを焼いていた。

半分、眠たげなまなざしのたしぎは、
目の前のフライパンを握ったままだ。

「・・・・」

「ほらっ!ぼさっとしないっ!火が強すぎます!
 煙が出てます、姫様っ!!!」


「あっ!はいっ!」

慌ててひっくり返すも、裏側は、見事に真っ黒なパンケーキが出来あがった。

「これでは、呆れられます。さ、もう一枚。
 本日は、ミホーク様をはじめ重臣の皆様に
 に召し上がってもらう予定なんですから。」

たしぎは、皿に盛られた数々の失敗作を
ため息とともに眺めると、再び、生地を流しこんだ。

こう、手首の返しが大事なのかしら?
返す刀のように・・・
横から・・・


「ほらっ!動かさないでっ!まだ、焼けておりませぬ!」

いけない。
どうも、料理の勉強など、身に入らない。

たしぎは、小さく肩をすくめた。


*********

「では、本日の会議はこれにて終了いたします。」

お付きの者がそう告げると、ミホークは顔を上げた。

「皆の者、しばし残れ。
 たしぎが、お茶を振舞うそうだ。」


大広間で開かれていたのは国の情勢をミホークに報告し、
方針を話し合う会議だった。

ロロノア・ゾロは、先の剣術大会の功績を認められ、
隊長のスモーカーと共に、会議に同席していた。
最も、ずっと壁際に立っているだけであったが、
会議の内容は、一兵隊が知るには重大すぎ、
ミホークの期待の大きさが伺えた。


「失礼いたします。」
しおらしくお辞儀をして、たしぎが広間に入って来た。
後ろから、大きな皿に山盛りのパンケーキとジャムの入った白い陶器の入れ物を
持った侍女達が続いた。

各人の前に皿が置かれ、位の高い者から順に、取り分けていった。
カップには香り高い紅茶が注がれる。


ゾロにも末席に椅子を用意され、目の前に
パンケーキののった大皿が回ってきた。

どう見ても、焼きすぎの端が黒ずんだのと、焼き色が妙に薄い
生焼けのものが大皿に残っていた。

ゾロは、ためらいもせずにそれを自分の皿に取った。

「どうぞお召し上がり下さい。」
たしぎの声に、皆、ナイフとフォークを動かし始める。

 

「この焼き具合といい、素晴らしい腕前ですな、姫様は。」

「親方どの、これなら立派な奥方になれます。」

「どこへ嫁がれても、立派にやっていけましょう。」

皆、口々に褒めるのを、たしぎはこそばゆい気持ちで聞いていた。
その皿の殆どが、侍女達が作ったものだったからだ。

遠い席で、ゾロが黒こげのパンケーキを取るのが見えた。

あ。

私が焼いたのを・・・

 


たしぎは、急に緊張して、視界の端で、ゾロが黙々と食べている姿を捉えていた。

こんなことなら・・・

 

自分の不真面目さを悔やんでも、もう遅いと思った。


*********


カチャカチャ。
侍女達が空になった皿を下げ始める。

たしぎも、侍女達と共に退出しようとした時、
ミホークが呼び止めた。

「たしぎ。お前はここに残りなさい。話しがある。」

「はい。お父様。」

急にどうしたのだろうと、不思議に思いながら、たしぎは
父ミホークの側に控える。

「皆の者にも聞いて欲しい。たしぎ、嫁ぎ先が決まった。
 ま、一年も先の事だが。」

「え?」
父ミホークの言葉に、たしぎは耳を疑った。

「相手は、隣国ハート王国のトラファルガー・ロー王子だ。
 小さい国だが医療技術が発達していて
 おまえが結婚すれば、我が国も医療は安泰だ。」

「おめでとうございます。」
重臣達が口々にお祝いの言葉を言う。

「なるほど、いい、嫁ぎ先ですなぁ。」
「ロー王子も、26歳、丁度よいではございませんか。」
「よい縁談を結んだものです。」

「まずは、一年は婚約期間だ。花嫁修業と思って、精進いたせよ。」

父の言葉が、頭に入ってこない。
結婚?婚約?花嫁?

何故?
隣国?
何故?どうして?

結婚という言葉と疑問だけが、グルグル頭を駆け巡る。


「・・・たしぎ?聞いてるのか?」

「はっ、はい。」

「一国の、姫として、しっかり役目を果たすのだぞ。」


こくりと頷くと、重臣達の拍手の中、
どういう顔をしていいか、分からなかった。


「では、今日はこれにて終いだ。」


ミホークと共に広間を出る。
ふと、視線を感じ振り返ると、ゾロと目があった。

弾かれたようにドレスの裾を持って走り出すと、
たしぎは自分の部屋に飛び込んだ。

 

何も言わずに離れた娘の後ろ姿を
見つめるミホークの目は少しつらそうに見えた。


******


「しばらく、一人にして。」

心配して部屋に来た侍女を下がらせると、
たしぎは、そっと部屋を出た。

 


まだ、明るい夕暮れだった。

たしぎは誰にも見られないように屋敷の外に出ると、
少しずつ暮れていく空を見上げた。


「私の愛馬は元気にしてるかしら。」
明るく装い、馬小屋の者に尋ねる。

「これは姫様、こんな所に。ええ、元気にしております。
 丁度、馬場に出ております。今、連れて来ます。」

急なたしぎの訪問に驚いたものの、すぐにたしぎの元に、馬を連れてきた。

「ありがとう。」

たしぎが、馬を撫で、話しかけている様子を見ると
従者は、気を使い、すこし離れた。

 


「少し、走ってきます!」

その声に、従者が驚いき駆け寄った時には、
たしぎは馬に乗り、馬場の外へと駆け出していた。


「姫さま、姫さま~~~!!!」

後ろで聞こえる、従者達の声も振り切るように
手綱を引いた。


流れていく雲を追うように、遠くへ遠くへと、馬を走らせた。

 

 

従者達の騒ぎにゾロが気づいた。

「どうした?」

声をかけると、皆、青ざめた顔で、答える。
「姫様が・・・一人で、馬に乗って行かれてしまったんです。
 お供もつけずに、行き先も・・・」

「どうしよう・・・もし、姫様の身に何かあったら。」

口ぐちに騒ぎたてる者達にゾロは、
「連れ戻してくる。」
と告げ、さっと自分の馬にまたがった。


何考えてんだ!

毒づきながら、馬を走らせる。

最近は、遠乗りなんて出掛けてなかった筈だ。
一体、どこに・・・


大広間を出る時のたしぎの顔が目に焼き付いて離れなかった。

あいつに限って。

湧き上る不安を押し殺し、ただひたすら、
感覚を研ぎ澄まし、
ゾロはどこへ向かえばいいか、想いを巡らせた。

 

〈続〉


 

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自己紹介:
ワンピース大好き。
ゾロとたしぎは公認カップルと信じて疑わない。
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