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ワンピース二次創作、ゾロたしのSS中心です。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
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なんやかやで、結局、今週もWJ買ってました。
なんだか、憶測が飛び交ってますが、
一番気になってるのは、来週の予告に
ワンピースのタイトルが載ってなかったこと。
大丈夫かな~?

17号(3/25日発売)には再開の予定という
公式HPのコメントを信じて待ってよう~~っと!
(思い切り、P176 見逃してましたわ~)

ハイキュー スガ 登場!わ~い!

ポチポチありがとうございます。
いろいろ顔出しに行きたいよ~!

さて、「双剣の鷹 4 ~願い~」
完結です。
「つづきはこちら」からどうぞ

拍手


「双剣の鷹 4 ~願い~」 後編

 

 

 

空が雀色に変わる頃、遠くで馬のいななきが聞こえた。


ゾロは顔をあげ、辺りを見回す。

「・・・馬を繋いでくる。」

とだけ言うと、そっと身体を離した。

 

風が急に冷たく感じられ、たしぎはぞくっと身体を震わせた。

 

 

ゾロは、口笛を吹くと、駆けてきた馬に飛び乗った。
たしぎの馬の所まで行き、一旦降りて二頭の馬を繋ぐ。


「これで、よし。」

 

たしぎの所まで戻ると、乗ったまま手を伸ばす。

「つかまれ。」

たしぎが伸ばした手をしっかりとつかんで、
馬上へと引き上げた。

背後から支えられるようにゾロの前に乗る。

「ロロノア、寒くないですか?」

「あぁ、オレは平気だ。」

たすなを掴んだたしぎの手を上からゾロが握る。

「・・・帰るぞ。」

たしぎは、黙って頷いた。

 

 

 

******


二人を乗せた馬は、ゆっくりとした足取りで
日が沈んだ野原を進んでいった。

薄紫の空は、次第に色を濃くしていき、
東の空に、下弦の月が輝き出す。


城の灯りが微かに見えた。
松明をともしているのだろう。
普段よりも明るく城壁が浮かびあ上がっている。

たしぎが少し緊張するのがゾロには分かった。

あそこに戻れば、姫として・・・

 

たしぎは、たずなを握る指先に力を込める。


背中に感じるぬくもりに、身体をあずけたまま、
振り向いて、すがりつきたかった。


お願い。
このまま、どこか遠くへ連れていって。
ロロノアと一緒なら・・・何処へだって構わない。

 


たしぎが口を開きかけた瞬間、
たしぎの手に重ねられていたゾロの手に、ギュッと力がこもった。

痛いほどに。


不意に首筋にあたるぬくもりに、胸が苦しくなる。

ゾロの息遣いが感じられた。

 

言えよ。

お前の、望みなら、命に替えても叶えてやる。

 

重ねた腕ごと、きつく抱きしめる。
たしぎの折れそうな細い体躯は、マントの上からでも
ゾロの腕の中にすっぽりと収まった。


言ってくれ、このまま、二人で・・・

 

たしぎは、ゾロの覚悟を悟った。

あぁ、この人は・・・
私が口にすれば、どんな犠牲を払っても、それを叶えようとするのだろう。

自分の命と引き換えても

ロロノアを咎人にする訳にはいかない。


たしぎは、すっと息を吸い込むと、静かに瞳を閉じた。

 

 

一歩、一歩、馬の歩みと共に城が近づく。

間もなく、二人の時が終わる。

二人だけの・・・

 

決して忘れはしない。

たしぎは、ゆっくりと目を開け、前を見据えた。

 


******

 

「姫様!姫様~~~~~っ!」

見張りの大声で、城内が一気に、騒がしくなった。

松明を持った従者達がバラバラと走ってくる。

屋敷の門をくぐり、ゾロは馬を止めた。
先に降りると、たしぎを抱きかかえるように降ろした。

待ち切れないように、従者達がたしぎを取り囲む。

「姫様、ご無事であられますか?」
「お怪我はありませぬか?」

側近の侍女は、よほど心配したのだろう
泣きはらした顔をしている。

「さっ、姫さま、お寒かったでしょう。これを。」

たしぎの羽織っていたマントを奪うように脱がせると
用意していた暖かそうなマントで、たしぎを包み込む。

あ・・・ゾロの、マントが

たしぎは、振り向いて行方を追おうとするが
侍女達に抱えられるように屋敷の方へ連れて行かれた。


馬を厩の者にあずけたゾロは、
遠ざかっていくたしぎの姿を目で追っていた。


気が付けば、さっきまでの騒ぎは
嘘のように静まり返っていた。

すっかり、人気がなくなった敷地に
ポツンと落ちているマントをゾロは拾い上げた。

 

あんなに強く抱きしめたのに・・・

 

 

澄んだ空は、限りなく透明で
月の光が明るくゾロを照らす。


いくら伸ばしても、この手はお前に届かないのか。


恨めしげに月を見上げると
重い身体を引きずるように、歩きだした。


胸が痛ぇ・・・

 

 


〈完〉

 

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ワンピース大好き。
ゾロとたしぎは公認カップルと信じて疑わない。
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