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久しぶりに、HPを開いたら
3ヶ月更新されないと出てくる広告が
ひえぇ~~!!
どんだけ、サボってたんだぁ( ̄▽ ̄;)!!
こまめに更新しようっと!
なんか、前も同じようなこと
言ってたな~~(^^ゞ
ここらへんは、まだ梅雨空で
時々、豪雨という感じです。
今年の夏は暑そうだな~
生存報告にも、
ポチポチありがとうございます。
episode18 見届けて 後編でございます。
「つづきはこちら」からどうぞ
episode18 見届けて 後編
たしぎが甲板に出ると、出航準備をしていたG-5達が
駆け寄ってきた。
「大佐ちゃ~ん!エンジンもバッチリだ。
これで、いつでも船出せるぜ。」
「ご苦労様。みんな、食事は?」
「あぁ、交代でご馳走になって来たぜ。旨かったなぁ、
あのスープ。さすが、アニキ。」
「おっと、馴れ合っちゃいないよ、大佐ちゃん!」
へへへと笑う部下に、たしぎは笑っただけで、何も言わなかった。
タンカーを降りると、たしぎはスモーカーの元へ向かった。
「スモーカーさん、タンカーの出航準備が整ったので、
これから子供たちを乗せ、出発します。」
「任せたぞ。」
「はい。」
「・・・よかったな。」
え?
スモーカーの言葉に思わずたしぎは見つめ返した。
「子供ら、無事に保護できて。」
あぁ、そういうことか。
「はいっ!」
元気よく返事をする。
「スモーカーさんも、お気をつけて。では、失礼します。」
踵を返すと、たしぎは隊員達のもとへ戻っていった。
「・・・・」
その背中を見つめるスモーカーは
たしぎの瞳に宿る力強さの理由を、言葉に出来ずにいた。
ローグタウンを出た頃のたしぎを思い出す。
真っすぐな瞳で、前だけを見据えて。
この2年、
揺らぐ瞳を何度も見ていた。
見つけたか・・・
考えるのはやめとこう。
スモーカーは、大きく葉巻を吸い込むと、
煙を吐き出した。
******
乗り込む隊員と子供達の人数をチェックし、
ここに残るスモーカー達に
海軍が来るまでの必要な物資を、タンカーから下ろす作業の指示に
たしぎは忙しく立ち回っていた。
忙しく動きまわっていないと、
この近くの何処かにいる
緑の髪を探してしまいそうだから。
「よかったね。」
急に声をかけられ、ビクッとする。
振り返ると、サンジが立っていた。
「子供たちに作った料理、運ばせといたからね。
たしぎちゃんも食べてね。」
「あ、ありがとう、ほんとに・・・いろいろと。」
たしぎは、目を伏せる。
サンジは笑って煙草をふかしている。
「また、会えるよ。」
え!
たしぎは、顔を上げる。
「俺達を、追うんでしょ。」
優しく微笑むサンジ。
「え、ええ。もちろんです。」
たしぎは、激しく頷く。
「こ、今度会ったら、今回のようには
行きませんから!たとえ・・」
必死に海兵としての顔をしようとするたしぎを
やはり、サンジは笑って見つめてる。
「じゃ、それまで、元気でね。たしぎちゃん!」
サンジは軽くウインクをして、歩きだした。
たしぎは、赤くなった頬を覆うように手を当てた。
不思議なひと。
******
子供達も全員タンカーに乗り込み、
後は出航するだけとなったところで
岸壁にいる隊員達が騒ぎ始めた。
「海賊共は、この世のクズでェ!」
「おれ達こそが正義!」
かつての自分を見ているようで
胸が痛んだ。
「お礼なんか言いやがったら島に置いてくぞー!」
子供達を黙らせようと銃まで向ける始末だ。
涙をこらえる子供達が、どれだけ麦わら達に救われたかと
思えば胸が痛む。
「待って!!ごめんね!!!」
思わず、大声を張り上げた。
「あなた達、いい加減にしなさいっ!みっともない。」
海軍だ、海賊だと言う前に、
自分の目で、何が正しかったのか、その目で見てきたでしょう!
岸壁の離れた所で、
スモーカーはたしぎの叫ぶ声を聞いた。
「だがよ、たしぎぢゃん!悪口でも言い続けないと!?
おれ達ァ、この無法者共を・・・!!!
好きになっちまうよォォ~~~~!!!
・・・か・・・海賊なのによォ~~~!!!」
「・・・」
スモーカーは思わず額を押さえる。
言っちまいやがった、バカヤロウ共。
笑い出すたしぎの顔も見える。
大莫迦野郎だ、お前も・・・
あまりの素直な告白に、たしぎは思わず吹き出して笑ってしまった。
ほんと、海賊なのに・・・
海賊なのに、好きになってしまったんです。
笑いながら、涙が滲む。
言葉にしたら、心がすっと軽くなった。
もう、隠しきれない。
思い切り子供達がお礼と別れの言葉を張り上げる。
「ありがとう~~!」
去りゆく麦わら達の中に、たしぎは緑の髪を見つける。
振り返りもせず、歩いて行く。
ビスケットルームで見上げた背中を思い出す。
あなたの背中。
見届けますとも。
たとえどうなろうとも、私が最後まで・・・
ゆっくりとタンカーが岸壁を離れる。
たしぎの想いと覚悟を乗せて。
風をはらんだ髪が揺れる。
それを手で押さえるたしぎの顔は
進み行く前を、真っ直ぐに見つめていた。
〈完〉