ワンピース二次創作、ゾロたしのSS中心です。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
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えぇっ!?
来週もう71巻発売なの~~?
すんごく早く感じるわ~!
今年の夏は、行事が多くて
嬉しい悲鳴~~♪
ポチポチありがとうございます。
サイトを見直してたら、
たくさん不具合があって、修正せねば~~!と
思ってました。
あ、まだ終わってないです。ハイ(^^ゞ
さて、パンクハザード編最後に
ローたしです。(笑)
ただの会話です。
episode19 「つづきはこちら」からどうぞ
episode19
「おいっ!」
子供達が治療を受けてた医務室から出てきたところで
急に声をかけられた。
振り返ると、トラファルガー・ローだった。
「お前、やられたのか?」
視線はたしぎの肩に向けられていた。
さっき、G-5の医療班に応急処置をしてもらった。
包帯が巻かれた肩が、破れたコートから見えている。
「こ、これは・・・」
だから、弱い奴は・・・
そんなことを言われそうで、思わず口ごもる。
「どれ、診せてみろ。」
意外が言葉に、たしぎは驚く。
「だっ、大丈夫です。さっき手当てしてもらいましたから。」
「あいつらの腕じゃ、傷が残る。
それに、斬ったあとも気になる。」
たしぎは、ローに斬られたお腹に手をやった。
「ついて来い。」
たしぎの返事も聞かずに、歩き出すと、
医務室のそばの部屋に入っていった。
船員の休憩室になっているその部屋は、簡易ベッドが備え付けられていた。
「座れ。」
たしぎに指示しながら、ローは上着を脱いだ。
「傷を見せろ。」
たしぎは、ためらいながらもコートを脱いで、
包帯を外した。
「そのシャツも邪魔だ。」
そんな!シャツの下は何も着けてないのに・・・
「お前の裸に興味はない。俺は医者だ。」
たしぎの戸惑いを見透かしたように、言い放つ。
「・・・・」
何か言い返したい気もしたが、たしぎは黙ってシャツを脱いだ。
くしゃっと丸めたシャツを胸の前で抱える。
少し引きつるような痛みを肩に感じたが、
触れているのがわからないくらい、あっという間に治療は終わった。
「よし。」
「あ、ありがとうございます。」
後ろに立っているローを振り返らずにお礼を言った。
「それと、腹、診せろ。」
えぇっ!
と思ったとたんに、腹に触れるあたたかさに気づく。
「なっ、なにするんです!?」
振り向いて立ち上がろうとするが、ローの真剣な目に
再びベッドに腰を下ろす。
じんわりと、お腹があたたかくなったように感じた。
「女の身体は、案外デリケートだからな。
ちゃんとくっつけとかないと、血のめぐりが悪くなる。」
腰とお腹を挟むように押さえるローの手は
少しひんやりとしていた。
「・・・女とか、そういうの、気にしない人だと
思ってました・・・」
たしぎは、独り言のようにつぶやいた。
「・・・別に、考えたことないな。」
「私を斬ったとき、その太刀筋に躊躇とか、迷いは・・・感じなかった。」
ふっ。
背後のローが笑ったよう気がした。
「この刀じゃ、人は殺せねぇ。バラバラになるだけだ。
ま、俺の能力を使っている時は、だが。」
「オペオペの実・・・」
「あぁ、女子供だろうが、斬るときは容赦しない。」
「死なない刀・・・医者なんですね。」
「別に刀じゃなくても、人を殺す方法なんて
山ほどある。」
ふふ、そうですね。
たしぎは、やっと肩の力を抜いて笑った。
「ヴェルゴを倒したんですね。」
ローは、黙って聞いている。
「スモーカーさん、ダメージを受けてました・・・
あ、あの・・・ありがとうございます。」
「何故お前が礼を言う?」
「えっと、たぶん、あなたが一緒にいたから、
無事に戻れたのかと・・・」
自分でも少し検討違いかと思いながらも
言わずにはいられなかった。
ローとスモーカーの二人が、R棟の出口に
トロッコを引いて現れた時、どんなに安堵したことか。
「海賊に借りをつくるのが、死ぬほど嫌いみたいだな。」
「ふふ、そうですね。」
たしぎは素直に笑う。
「ヴェルゴが持っていた俺の心臓を取り返すのに
スモーカーが協力してくれただけだ。
俺は何もしてない。」
「ヴェルゴは海軍の敵です。ずっと裏切っていたなんて・・・」
たしぎは唇を噛む。
「海軍の中にいるだけじゃ、世の中知らないことだらけだ。」
「・・・そうですね。」
「子供達の事は、本当に知らなかった。」
いきなり言い出したローの言葉に、顔をあげる。
ずっと気にしてたんだ。
「えぇ。」
たしぎは、頷いた。
ホッとしたような柔らかさが部屋を満たす。
「終わったぞ。」
屈んでいたローが背筋を伸ばした。
「あっ!ありがとうございました。」
たしぎも、慌てて立ち上がり、お辞儀をする。
「いいから、早く服を着ろ。」
!
上半身は何も着ておらず、ズボンのボタンもいつの間にか
外され、下着が見えている。
あたふたと身支度を整える。
この人は、医者だから。
自分に言いわけをする。
コートを羽織り、振り向くと
ローは刀を手に、部屋から出て行こうとするところだった。
「あの!」
たしぎは、呼びとめた。
なんだとばかりに、ローはゆっくりと振り返る。
「あの・・・弱いって、罪でしょうか!?」
唐突なたしぎ問いかけに、黙ったまま見つめ返す。
「弱いヤツは・・・死に方も選べないと・・・」
たしぎは、手をぎゅっと握りしめてローを見つめる。
ローの瞳が、少し揺らいだように見えた。
「気にするな。俺の持論だ。」
「それに・・・お前みたいなヤツは・・・」
真っすぐに問いかけをぶつけてくるような奴は苦手だ。
いらぬ事を思い出す。
「自分の頭で考えろ、それが答えだ。」
冷たく突き放すように言うと、その場を後にした。
俺は弱い・・・
ローの目に浮かぶ仲間達の顔。
何も答えることもなく、行ってしまったローを
たしぎはぼんやりと見送った。
あの人は、この新世界で
何を得て、何を失ってきたのだろうか。
瞳の中に見え隠れするアンバランスな優しさ。
この先、我々がジョーカーを探っていくならば、
きっとまた何処かで出会うだろう。
たしぎは、海軍にまで影を落とし始めた
得体の知れない大きな闇を感じ、
気づかぬうちに、自分を抱き締めていた。
〈完〉
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