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ワンピース二次創作、ゾロたしのSS中心です。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
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HAPPY BIRTHDAY!たしぎ!&ロー!


ひゃっほ~い!めでてぇ!


ゾロたし月間だよ~ん!


今日のアニワンは
膝裏に手がありましたね~~♪
いろいろ、撫で回し・・・・(笑)



今回のお話は、
誕生日だけど、甘くないのよ~!(^^ゞ


誕生日ネタでもないんです!


2年の間のお話です。


「光芒」1

「つづきはこちら」からどうぞ





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「光芒」1

ガチャ。


医務室から出てきた船医はドアを閉めると
廊下で待っていたスモーカーに向かって
こう告げた。


「まあ、精神的な要因だろうな。こういうのは
 焦らず、じっくり待つしかないじゃろう。
 どういう結果になろうとな。」


スモーカーは黙って頷いた。


*****


医務室のベッドには、
うずくまるように眠っているたしぎがいた。


顔色が悪く、だいぶ痩せてしまった。


気付かなかった。


たしぎが時雨を抜けなくなっていたことを。


いつも通り、任務はこなしていた。
いや、いつも以上に必死だった。
戦えない事を悟られないようにしてたのだろう。


昨日、海賊とやりあった時に、
戦闘のさなか、ぼうっと突っ立っているたしぎを
見たとき、心底ゾッとした。


死にてえのかと。


「少尉!何やってんだよ!」
「危ねえ!たしぎちゃん!」


たしぎの異変に気づいた部下達が
たしぎを取り囲むように集まってきた。


「駄目!みんな、私から離れて!
 これじゃ、狙い撃ちです!」


団子状態の海兵など、敵から見れば格好の餌食だ。


「危ない!」


たしぎが、部下をかばって銃弾に倒れる姿が
スローモーションのように目に映った。


もう少し早く、敵の頭を仕留めることが出来ていたら
たしぎに、こんな怪我をさせやしなかったのに。


いや、もっと早くたしぎの異変に気づいてやれてたら、
戦闘になど、連れ出さなかったものを。


くそっ!


いつも傍に居ながら、俺は何をやっていたんだ。


スモーカーは襲い来る激しい後悔とともに
壁に思い切り拳をぶつけた。


 


******


 


 


たしぎは、暗い海の中を漂っていた。


もっと、もっと強くならなきゃ。
このままじゃ、ダメ、まだまだ弱い。


 


自分の声が響く。


思わず耳を塞いだ。


すると、目の前に鮮烈な光景が浮かぶ。


助けを求める人々。
すぐそばで、倒れていく海兵の仲間たち。
狂気を帯びた目で、襲いかかる敵。
その後ろには、姿が見えない巨大な敵が、
大きな闇となって、たしぎを飲み込もうとしている。


助けて!


あぁ、また誰かが助けを呼んでいる。
行かなきゃ。


助けて!


足が動かない。


助けて!


耳を塞いでいるのに、どうして声が聴こえるの?


助けて!


あぁ、これは、私の声だ。


戦わなくては!


時雨を・・・


耳から手を離し、時雨を抜こうとするけれど
時雨が見当たらない。


時雨はどこ?


時雨が無いと戦えない。
時雨はどこ?


湧き上る恐怖と共に
真っ赤な炎が燃え上がる。


いやっ!
怖いっ!!


声にならない悲鳴をあげながら、
たしぎは崩れ落ちる地面と共に、赤い地面に飲み込まれていった。


 


******


 


「大丈夫か?」


ハッと目を開けると、部屋の白い天井が目に入る。


「だいぶ、うなされてたな。」


顔を動かすと、ベッドの側に座り
心配そうに見つめるスモーカーと目があった。


「スモーカーさん・・・わたし・・・」


「いつからだ?」


「・・・・」


黙ってまた、天井を見上げる。


「いつから・・・ひと月に・・・なるのかも・・・」


そんなにもの間、お前は一人で、苦しんでいたのか。


スモーカーがギリっと火の付いてない葉巻を強く噛んだ。


「申し訳ありません。みんなを危険な目に合わせてしまって。」


「何故、黙っていた。」


「・・・・すいません。」


 


「いや、気付かなかった俺の責任だ。今は、傷を治すことだけ考えろ。
 ゆっくり休め。いいな、分かったな。」


スモーカーは立ち上がると、部屋を出ていった。


 


「・・・わたし・・・動けなかった・・・」


たしぎは苦しそうに、顔を歪めると、唇を噛む。


一人になった部屋で、たしぎは静かに泣いた。


 


*****


 


「私は、このまま此処に居ていいいんでしょうか。」


たしぎが船長室で窓の外を見つめながら呟く。


「何言ってやがる。お前がいないとこの隊は成り立たねえんだ。
 つまらねぇ事言うんじゃねぇ。」


銃弾で負った傷は、肩をかすっただけで
程なく治った。
しかし、たしぎが時雨を抜くことが出来ない状態が
続いていた。


時折、何も聞こえていないような様子で
ぼうっとしているたしぎを見るのがスモーカーは辛かった。


「なぁ、たしぎ。少し任務から離れてみるか。」
スモーカーの口から、そんな言葉が出た。


え?と驚いた顔で見つめ返す。


「・・・私は・・・私は・・・
 他に行く所なんてありません。
 スモーカーさんの、側に置いて下さい。」


「誰も、他所に行けと言ってんじゃねぇ。俺の側で
 少し休めって言ってんだ。」


「・・・・」


スモやん!オレら、たしぎちゃんの為なら
何だってする!
刀なんて使えなくたっていいじゃねぇか!
俺らが、たしぎちゃんを守るから!


スモーカーは、口々にたしぎの身を案じて頼み込む
G-5の隊員達を思い出していた。


「もういいんじゃねぇか。剣が使えないとしても、
 お前は海兵として充分、やっていけるんだ。」


たしぎが、ハッとして顔をあげる。


「お前が俺が育てた。だから、どんなことになろうと
 俺が最後まで面倒みる。分かったな。」


 


「あ、ありがとうございます。」


こんな言い方しかできないスモーカーの優しさが
たしぎには、嬉しかった。


 


それでも、
一人、部屋の窓から海原を眺めると
浮かんでくる想い。


 


剣が使えなかったら・・・
私に、生きている意味なんてあるんだろうか・・・・


刀を置いて、どうやって生きろと。


 


〈続〉



 

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ワンピース大好き。
ゾロとたしぎは公認カップルと信じて疑わない。
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