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ワンピース二次創作、ゾロたしのSS中心です。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
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ほんっと、寒いよ~~!(T_T)
冷たい雨は、雪よりも堪えます。
やばち~~♪(濡れていや~~の庄内弁よ♪)

明日は仕事お休みするんで、
駆け込みUP~♪

ポチポチありがとうございます。

>だらだらたぬきさんへ
 わ~い、コメントありがとうございます。
 
 「横顔」 楽しんでいただいて、とっても嬉しいです。
 返信不要のお気遣いもありがとうございます。
 やること沢山ある時の、ゾロたし妄想は、
 いいリフレッシュになります。
 案外、いい場面が浮かんだりしてね。


今日はスモヒナです。
「光芒」の後。
なんやかやで、鉄板の二人です。

「つづきはこちら」からどうぞ



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「Sweet Emotion」


 

「なにしけた顔してんの?白猟のスモーカーが!」

そう言って、隣のスツールに腰をかけたのは
ヒナだった。

 

「とんだ御挨拶だな。」

スモーカーは軽く睨みつける。

 


「久しぶりね。そうね、マイタイ頂戴。」

カクテルを注文すると、新しい煙草を取り出し、
火をつける。


ふう~~っ。

おいしそうに一息つく。

 


スモーカーもストレートのウオッカを喉に流し込む。

 

 


「ほんと、一方的に呼び出すなんて、そんな都合のいい女じゃないのよ。」

文句をつけながらも、久しぶりの再会に嬉しそうだ。


首をかしげて、じっとスモーカーの顔を覗き込む。

「その傷ね。たしぎが連絡をくれたわ。自分のせいだって・・・」


「はっ、莫迦言うんじゃねぇ。相性の悪い敵だっただけだ。
 たしぎのせいなんかじゃねぇ。」

「ふふ、相変わらず、仲いいわね。お互い助け合って。」

 

ヒナが少し目線をずらす。


スモーカーは、何杯目かのウオッカを頼む。

 

「新世界への赴任を希望したときから・・・」


思い出すような顔で、語り始めた。


「あいつは俺が守ってやらねばと思っていた。どんな敵が待ち受けているのか
 正直、俺も不安だった。」


ヒナが見守るようにスモーカーを見る。

 

「・・・そうね。あなた必死だったわ。」

 

 

「あいつも、拠りどころが必要だった。」


「見知らぬ世界で、二人きりだもの。」

 

責めないヒナに胸が痛んだ。

 


「支えてきたつもりが、随分、助けられた。」

 

 

「あいつ、戦場で動けなっちまいやがって。」


瞳の奥にスモーカーの後悔がうかがえる。

 

「俺は、気づいてやれなかった。」

 


「聞いたわ。しばらく休養が必要だって。
 マリンフォードに戻ってたんでしょ。」


「あぁ。」

 

「あいつ、消えてしまいそうだった。」

 


立ち上る紫煙に視線を巡らせる。

 

なのによ。


俺じゃなかったんだ。

あいつを立ち上がらせたのは。

 


頭の中で、言葉にならない想いが渦巻く。

 


いつまでたっても話し出さないスモーカーを
ヒナは横目で、見つめた。


マイタイのグラスに盛られたフルーツをつまんで
口に放り込む。


「ん、おいし♪」

 

 

あぁ、とばかりにスモーカーは立ち上がる。

誰もいない店内のソファにドサリと身体を沈ませた。

 


呼び出しておいて、愚痴聞かされちゃ、たまったもんじゃねぇな。

 

「マスター、ブラッディマリーだ。」

「はい。」


頭を少しリフレッシュさせるか。


緩めたネクタイを更に引っ張ると、外してポケットにしまい込んだ。
シャツのボタンも、ほぼ外れている。

 


頭をのけぞらせて、もたれさせる。


マスターが、出来たブラッディマリーを運ぼうとするのをヒナが止めて
グラスを受け取る。

スツールから降りると、ゆっくりとスモーカーのもとへ近づいた。


「どうぞ。」

コトリと、テーブルの前にグラスを置いた。


「サンキュ・・・」

スモーカーの視線が、グラスからヒナの指先へと移る。

そのまま腕、肩、全身と眺めて、目を細めた。

 

「なんだ、ちょっと雰囲気が違うな。」


「あら、やっと見たわね。」

ヒナは、毛先を巻いた髪をふわりと掻き上げる。


いつもの黒いパンツスーツに桜色の髪は、よく映える。


胸元にはボリュームのあるプラチナのネックレス。
深く開いたスーツの隙間から、白い肌が浮かび上がる。

 

「慰めて欲しい?」

くすっと笑うヒナに、思わずドキリとした。


「莫迦、そこまで情けなくねぇ。」


「あら、そうかしら? どっから見ても、くたびれた中年だわ。」


ふっ、力なくスモーカーが笑う。

 

「あんまり優しくすんな。」


ヒナが首をかしげる。

「どういうこと?」

 


「後悔すっから。」

 

「・・・ばか・・・」

困ったように眉を少し寄せて、スモーカーに背をむける。

 

カウンターに戻り、マスターに声をかける。


「やんなっちゃう・・・うんと強いの。」


マスターは無言でうなずいた。

 

 


スモーカーはソファに沈み込んだまま、
ヒナの背中を見つめた。

 

なぁ、どっかで飲み直そうか。

 

 

思わずもう一度口説けるような気がした。


莫迦野郎だな。

 

 

「そろそろ出ようか。送っていく。」

「そうね。」

外はもう寒い。

二人コートを羽織ると、バーのドアを開けた。

 

「さむっ!」

ヒナが思わず首をすくめる。

スモーカーもポケットに手を突っ込んだまま、
背中を丸めて歩き出す。

 

いつものように、腕を軽く曲げて、ヒナの腕が通りやすくしている自分に気づく。

いつまでたっても、埋まらない隙間に、時間の経過を思い知る。

 


後ろからついてくるヒナの気配。


スモーカーの背中を見つめた。

 

戻れる訳ないじゃない。

そう簡単に・・・

 

「ねぇ・・・」

 

「なんだ?」

スモーカーは立ち止まり、振り向いた。

 

 

「キスしてよ。」


スモーカーの目が大きく開かれた。


「言ったでしょ、慰めてあげるって。」

 

「それと、どう関係あるんだ?」


「いいから、キスして。そして・・・抱き締めてよ。」

 

風は強く、ヒナの長い髪を乱す。

 

スモーカーは、何も言わずに、手を伸ばそうとした。

 

 

風に揺れる髪で、顔がよく見えなかった。

 

「やっぱ、やめとくわ。」

急にそう言ったかと思うと、ヒナは笑った。


「ホテル、この近くなの。今日は、帰るわ。」

軽く手を振ると、踵を返して歩き出した。

 

 

 

スモーカーはつっ立ったまま、
その後ろ姿を、いつまでも見送っていた。

 

*****

 

どうするつもりだったの?


部屋に戻ったヒナは、鏡に映る自分に問いかける。

 


ほんっとに、自覚のない人。


あのまま居たら、きっと私はあの人を
許してしまうだろう。

 

何事もなかったように。

 

 

それでいいの?

 


ヒナは、首を左右に振ると、
熱いシャワーを浴びにバスルームへ向かった。

 

 

〈完〉




 

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