ワンピース二次創作、ゾロたしのSS中心です。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
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HAPPY BIRTHDAY たしぎ~~~!!!& ロー!
あ~、バルトも仲間入りだね!
みんな、おめでと~う♪
今年もやってまいりました、たしぎ誕!
こうやって大人になっていくのね~
なんのこっちゃ(笑)
そういえば、昨日のアニワンは
サボ登場しなかった!(^_^;)
そういえば、漫画もそうだったわ。
ポチポチありがとうございます。
リクエストもありがとうございます。
まずは、ゾロたし月間 第一弾!
っていうか、連載の続きで~~す!
サニー号を書く時は46巻が欠かせないわ!(^_^;)
「それでもいいと」2~海賊船Ⅳ~
「つづきはこちら」からどうぞ
「それでもいいと」
2 ~海賊船Ⅳ~
気づけば、東の空が白み始め、
たしぎは、自分が夜通し刀を振り続けていたことに気づく。
太陽の昇る方向でサニー号が南に進んでいることを知った。
自分の位置を知りたいと思うのは、船乗りの習性だろうか。
ここがどこか、これからどこに行くのかも知らないというのに。
それでも、混じりけのない澄んだ空気の中、
たしぎの頭の中はすっかり空っぽになっていた。
「起きてたのね!」
甲板に出てきたナミが声をかけてくれた。
「あ、おはようございます!」
「調子もどったみたいね。よかった。」
ん~~と両手を伸ばしながら目の前を通り過ぎる。
短パンからスラリと伸びた脚が綺麗だとたしぎは素直に思う。
「たしぎも、シャワー浴びる?」
小首を傾け、こっちを振り返る。
たしぎは、言われて気づく。
パジャマ用にナミに借りたTシャツは
すっかり汗で身体に貼りついていた。
「こっちよ!」
返事も待たずに歩き出すナミの後ろをついていく。
ガチャリとドアを開けると、浴室は明るく湯船には並々とお湯がはられていた。
「すごい!こんなにお湯がたっぷり!」
「ふふ、サニー号は24時間入浴OKだから!」
ウィンクしてみせる笑顔がまぶしい。
「G-5じゃ、一日おきですよ!それと、ぬるいシャワーがかろうじて毎日。」
「ほんと?よく耐えられるわね。」
「これでも大佐になって、待遇はよくなったんですよ。」
むさくるしいG-5の軍艦を思い浮かべて、天と地の程の差があると
実感する。
「たしぎは、ここで女子力UPしなくちゃね!あたしにまっかせなさ~いっ!」
ナミはなんだか楽しそうだ。
「先に入って!あたし、着替えを持ってきてあげるから。
あ、タオルはここね。」
そう言って、部屋に戻っていく。
たしぎは、なんとなく当たりを見まわしながら、服を脱いで、
浴室のドアを開けた。
熱い湯に身を沈めると、身体から余計な力が抜けていく。
ナミの明るさに助けられ、一味の優しさに、なんだか涙が出そうだった。
「着替え、ここ置くわね。」
「あ、はい。もう上がります。」
「ゆっくりでいいわよ。」
カチャリとドアが閉まる音がした。
たしぎはふ~~っと息を吐くと、ゆっくり立ち上がった。
ナミが持ってきてくれた着替えは
胸元が大きく開いたTシャツと、短パンだった。
「えっと・・・」
鏡に映った姿を見れば、のぼせた頭がいっそうクラクラしてきた。
これは、早く自分の服を調達しないと・・・
この船で暮らす第一目標だと心にメモして浴室を出た。
甲板に出ると、食堂から朝食のいい匂いが漂ってきた。
一晩中、起きて動いていたたしぎのお腹は、香りに反応して急に鳴り始めた。
「たっしぎちゃ~~ん!おっはよ~~!!!」
昨日と変わらない元気のいい声が飛んできた。
食堂のドアが開いて、サンジが顔を出す。
「さあ、朝ごはん出来てるよ!どうぞ!」
言われるままに食堂の椅子に着けば、テーブルには
何時に起きて作ったのだろうかと思うほど
多くの皿が並んでいた。
「たしぎちゃんの好きなものある?ごはん、パンの両方用意したんだけど。
あ、あと嫌いなものは何?教えてくれる?」
「あ、えと、何でも大丈夫です。凄いですね、
こんなに沢山。全部サンジさんが一人で作ったんですか?」
「うちのクルーは大食らいだからね。これくらいあっという間に
消えちゃうから。あ、でもレディ達の分は、ちゃんと確保してるから
安心していいよ。」
「わぁ、お味噌汁なんて久しぶりだぁ。お新香も、あ、卵焼きまで!」
目を見張るたしぎの様子を満足げに眺めながら、
サンジはご飯をよそい、目の前に置いた。
「あ、ありがとう。じゃあ、お言葉に甘えて、いただきます!」
たしぎは両手をあわせて目を閉じる。
さっきから口の中が、唾が溢れている。
こんなに食欲をそそられる自分に驚いていた。
それが当然だったと思わせる程、サンジのご飯はとても美味しかった。
「ごちそうさまでした。ほんと、こんなに美味しいご飯、はじめてかも。」
「嬉しいな。料理人冥利に尽きるよ。」
サンジは嬉しそうに、頷いた。
「・・・・・」
なんだか、とても満ちたりた気分で、ありがとうの気持ちを伝えたいが
言葉が出てこない。
身体がふわふわして、目の前が揺れる。
あ、私、眠いのかも・・・
そう思ったのは、すでに夢の中だったかもしれない。
目が覚めたとき、たしぎは部屋のベッドにいた。
頭はやけにはっきりして、薄暗い部屋の中でも視界はクリアだった。
部屋の中には、誰もおらず、そっと、ドアと開けて甲板に出てみた。
やわらかい茜雲が遠くまで続いている。
水平線には、ぼんやりと夕闇が迫りつつあった。
もう夕方?
私ったら、朝からずっと眠ってたんだ。
普段なら夜通し任務にあたっても、こんな風に眠り込んでしまうことなど
考えられない。
しかも、ここは海賊船だというのに。
自分の緊張感のなさに、あきれる。
でも、お風呂、気持ちよかった。
ご飯も美味しかった。
ふふふ・・・
思わず笑っていた。らの一味には、敵わない。
すっかり彼らのペースに巻き込まれている。
まぁ、郷に入っては郷に従えだろうか。
ここまできたら、そうするしか仕方ないですね。
たしぎは、自分の身の置き場を、受け入れつつあった。
ふと、マストを見上げれば、広い展望台がひっそりと
そびえていた。
部屋に灯りはともっていない。
誰もいないのかな?
昨日、ナミの船の説明で、あそこはジムで
ロロノアがトレーニングで使っていると聞いた。
夜に船に響いてきた音は、あそこの部屋からのものだった。
ロロノア・ゾロは、あの場所で日夜なにをしているのだろうか。
麦わらの一味とこの船でしばらく過ごすと覚悟を決めた途端、
持ち前の好奇心旺盛な性格が、ロロノアの強さの秘密を確かめずには
いられなくした。
薄闇の中、マストのロープを静かに細い影が登っていく。
ひょっこりと床についた出入り口から顔を出すと、部屋に残る汗の臭いが鼻を突いた。
目の前には、大きなダンベルが転がっている。
恐る恐る梯子を登り、トンと足を踏み入れた。
驚いたことに床は、鉄のじゅうたんで覆われている。
目の前のひときわ大きいダンベルに触れる。
こんな重いのを?
試しに持とうとしても、ビクともしない。
見上げれば鉄棒も設置されている。
これらを使い、どうやってトレーニングしているのか見当もつかなかった。
「こそこそ嗅ぎまわるとは、ずいぶんな趣味だな。」
背後で、ロロノアの声がした時には心臓が止まるほど驚いた。
「わっ!べ、別に、嗅ぎまわっていた訳では、あ、ありませんっ!」
背筋を伸ばして硬直したまま、振り返ることも出来ずに、必死に答える。
「べつに、見られたってどうってことないけどな。」
トゲのない言葉に、胸をなでおろして、ようやく振り返る。
梯子から身を乗り出したゾロがこちらを見ていた。
ゾロは、展望台に登るたしぎを見つけ、後を追ってきたのだった。
昨日とは違い、ジムをきょろきょろと見回しているたしぎは、
元気を取り戻しているように見えた。
たしぎも、ゾロと普通に話せている自分に、ほっとしていた。
「あの、今度、ロロノアの稽古を見てもいいですか?」
「見たって何の役にもたたないだろ。」
「いいんです!それでも、何か掴めれば。
せっかく、あなたと同じ船に乗っているんですから。」
「弱点でも探るのか。」
ゾロの眉が、ピクンとあがる。
どこか、面白がっている。
「あぁ、そういう手もありますね。」
たしぎも負けじと笑ってみせた。
「ここは自由に使っても、かまわねぇが、オレは夜中に稽古と見張りをしてる。
お前に合わせるつもりはない。」
「かまいません。」
ゾロは、ふんと鼻をならすと、「好きにしろ。」と言って
ベンチに腰をかけ、外に目をやった。
「・・・あの。」
「今度は何だよ。」頬杖をついたまま、面倒くさそうに答える。
「私、スモーカーさんを、信じます。」
ゾロの目が遠くの海原に目をやったまま、少し細くなる。
「・・・ありがとうございました。」
「別に・・・」
オレは何もしてねぇ。
ざらついた舌が言葉を飲み込む。
たしぎは、ペコリと頭を下げると
じゃあと爽やかな笑顔すら浮かべ、梯子を降りていった。
勝手なことばかり言いやがって。
復活したんなら、それでいい。
グチグチされるのは面倒だからな。
余計なことを考えまいと、ゾロは首を振った。
見上げる空には、十三夜の明るい月が輝きを放っている。
その光を浴びながら、ゾロの頭には、いきなりこの船に現れた女の表情が、
めまぐるしく脳裏に浮かんでは消えていった。
〈続〉
ふぃ~、これでたしぎのサニー号での暮らしが始まりま~す!
楽しみすぎる~~♪
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