ワンピース二次創作、ゾロたしのSS中心です。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
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君にジュースを買ってあげる♪
あんあんあん あんああんあん♪
Mステにグループ魂出てましたね。
「ケロロ軍曹」のアニメの主題歌でした。
「なつかし~!」と
長女がノリノリで飛び跳ねて歌ってました。
どうも!見事にハロウィーンスルーのそめたです(^_^;)
長女は小学生の時からケロロが大好きで、
ケロロランドという雑誌にイラスト送って
載ったことがありました。
(このころから、やっぱりこういう系好きだったのよね。)
で、最近、クラスメイトが、同じころに、
ケロロランドの企画にオリキャラを考えて送り、
選ばれると吉崎観音さんに、
そのキャラを書いてもらえるという
のがあったらしく、
なんと、選ばれてイラスト化されて載ってたということが発覚。
長女も当然、送ってて、
占いができる設定がいささか、かぶってるキャラが
採用されて、娘のは、選外でした。
本人も残念だったみたいで、よ~く覚えてました。
クラスメイト君、すごいね~!と驚きながらも、
こんな偶然に、春が来るか~?なんて期待しちゃったりして♪(笑)
by バカ親
さてさて、ポチポチいつもありがとうございます。
どうなることかと思った「不機嫌な王様」後編です。
「つづきはこちら」からどうぞ
「不機嫌な王様」後編
「誰か、嘘だと言ってくれ~~~!」
「俺らのたしぎちゃ~~ん!いや~~!」
周りからの悲鳴とも思える叫び声を浴びながら、
憮然とした顔でステージ中央に
どかりと腰を下ろしたのはゾロだった。
その男に向かって、進んでいくたしぎの
足取りは、少しふらついていた。
「なんで、お前なんだよ!今からでも遅くはない、
代わってやるぞ!」
「うるせぇ。」
言葉少なに、ジロリと睨み返すゾロに
サンジもひるむ。
「あ、たしぎちゃ~ん!無理しなくていいんだよ!
レディなら、一回パスできるからねっ!」
やってきたたしぎを、サンジは必死に説得する。
「いいんです!海軍代表として、
敵前逃亡する訳には、いきませんからっ!!!」
「たしぎちゃん!これは、ただのゲームだよ!」
「いいえっ!海軍の威信をかけて、勝負します!」
「だから、勝負じゃないって!」
おろおろするサンジを横目に、
「誰だよ、こいつに飲ませたの。」とゾロは呟くと、
ジロリとこちらを伺っているナミとロビンをにらみつける。
ゾロの視線に気づいた二人は、ヒラヒラと手を振ってみせた。
番号が呼ばれた時に、テーブルにロビンの指が見えた。
気にもとめなかったが、こういう魂胆があったとは。
「いいですか?ロロノア!」
たしぎに差し出されたポッキーを咥えて、顔を向ける。
一瞬だけ、たしぎがひるんだように見えた。
「じっとしてて下さいね!いざ!」
やけくそとばかりにサンジが声を張り上げる。
「どうなっても知らねえぞ!ゲームスタートォ!」
正座をする格好で、両手を床について、顔をゾロの方へ近づけようとするたしぎ。
それでも、短いポッキーは身体を思い切り傾けなければ、食べ進められなかい。
ゾロは、ポッキーを咥えたまま、口を動かそうとしない。
コリコリと、たしぎがポッキーをかじる振動が伝わってくる。
不意に、リズミカルな振動が止まった。
耐え切れずに、離したか。
ゾロは、閉じていた左瞼をゆっくりと開けた。
飛び込んできたのは、潤んだ瞳をめいっぱい開いて、
じっとこちらを見つめるたしぎのドアップだった。
おいっ!
と思わず口を開きそうになるのを、必死でこらえた。
*****
最初にナミが教えてくれたポッキーゲームのルールは
簡単だった。
「両端から食べてって、離さなければ勝ちよ。」
「それって、二人とも離さなかったら?」
「そりゃ、引き分けよ。」
「へえ。」
なんとなくわかったような気でうなずいた。
最初は、ブルックの骨がカチカチ鳴る音におびえた海兵が
離して負け。
ロビンとチョッパーは麦わら同士だからノーカウント。
サンジと女装海兵は、サンジが堪らず離して逃げようとしたから
海軍の勝ち。
「一勝一敗よ!この勝負、たしぎにかかってるからね!」と
背中をはたかれて、その気になったけど、
これって・・・
そう気づいた時には、すでに遅し。
目の前に迫るゾロの顔に、思考が完全に停止してしまった。
ポッキーを咥えて、こちらに顔をむけたロロノアを見た時に、
急に心臓がドキドキし始めた。
部下達の悲壮な叫び声は、負けるな!の意味だと思った。
でも、これって、負けない=キスするってこと?!
部下達の目の前で、キスなんて出来る訳ない!
麦わらの一味だって、みんな見てる!
ど、どうしよう・・・
堪らず目の前の男の顔をじっと見つめる。
こんなに近い。
ロロノアは嫌じゃないんですか?
心の中で聞いてみる。
返ってこない答えに心細くなる。
私、ひとりで、何やってるんだろう・・・
じわりとゾロの輪郭がぼやける。
でも、負けたくないだもん・・・
******
こいつは一体何を考えてるんだっ!!!
そんな顔をするんじゃねぇ!!!!
怒涛の思考の波に呑まれそうになりながら、
必死に冷静さを保とうとしていた。
そこまで戸惑うなら、離せばいいものを。
この負けず嫌いが!
だからと言って、ゾロが自分からポッキーを離すつもりは
毛頭なかった。
悪いが、オレも負けるつもりはねぇ!
********
ゾロが動いた。
ステージ正面に腰を下ろしていたゾロは顔だけを横に向けていた。
ゾロの方を向いて横向きに座っていたたしぎの後頭部に右手を伸ばす。
おもむろに自分の正面までたしぎを引き寄せると、顔を近づけた。
反射的に、バランスを保とうと床から離したたしぎの右手首を、ゾロが掴む。
二人の顔が重なる。
会場が静まり返った。
背中をむける体勢になったたしぎの顔は、みんなからは見えない。
パサッ。
たしぎの髪が揺れて肩に落ちる音が息をのむギャラリーの耳に届いた。
「んっ!」
完全にフリーズした頭で、必死に状況を把握しようとするが、
ゾロの柔らかい唇の感触だけが、今、たしぎに理解できるすべてだった。
ひんやりとしたゾロの唇と、ほてった自分の唇に心地よかった。
そんなこと思ってる場合じゃないのに・・・
必死に抵抗の声をあげようとするも、それは、苦しげな吐息となって
漏れただけだった。
悩ましげな吐息は、ギャラリー達を一層、興奮させる。
「てめぇ、何やってんだよっ!!!」
ステージ上で、ただ一人、たしぎの表情を伺えるサンジは、
目を丸くして、二人を引き離そうとする。
「・・・・んんっ・・・・ん・・・」
たしぎの切なげな声に、サンジが鼻を押さえる。
ヨロヨロと、後ずさりながら、うめく。
「いいかげんにしろっ!誰が、舌入れろって、命令した!」
どよっ。
サンジの解説は、ギャラリー達に余計な妄想を与えただけだった。
「ゾロったら、やるわね。」
ナミがステージの騒ぎを眺めながらロビンにつぶやく。
「ふふ、ここまでやると、こっちも仕組んだ甲斐があったわね。」
ロビンが笑って答える。
サンジが番号を言った瞬間に、二人のクジと、本物のクジの番号を書き換えたのだ。
どれくらいの時間が経ったのだろう。
ゾロの顔が見えた。
たしぎは、くたっと力が抜けたように、ゾロの胸に崩れ込む。
たしぎの背中を支えたまま、ゾロの口角がくいっと上がる。
「甘ぇ。」
ぺろりと唇についたチョコを舐めとって、ふてぶてしく笑う様子に、
誰一人、文句を言う者はいない。
海兵達が、固唾をのんで見守る中、
「よっこらしょ。」の掛け声と共に、たしぎをその腕に抱えて、ゾロが立ち上がる。
「そんじゃあ、オレの勝ちってことで、こいつはもらっていくぞ。」
サラッと言い放つと、スタスタとステージから降り、出口へ向かう。
通りすがりにナミとロビンをジロリとにらみつける。
ナミは、悪びれずに親指を立ててみせる。
それを見て、ゾロは、ふふんと鼻で笑うと、大股で会場を出ていった。
******
まるで毒気を抜かれたような会場の中、一人ステージで
立ち尽くすサンジに視線が集まる。
「おれらの、たしぎちゃんが・・・」
「やっぱり、魔獣だ。」
次第に非難がサンジに集中する。
「黒足のアニキが、あんな命令したからだ。」
「そうだ、そうだ!」
じりっと詰め寄る海兵達。
「えぇ、ちょっと待てよ!俺は、ただポッキーゲームの
命令しかしてねぇ!」
「いや、黒足のアニキのせいだ!」
「違うだろ!」
行き場のない気持ちを思い切りサンジにぶつける。
「おれらの、たしぎちゃんを返せ~~~~!!!!」
どさくさに、さっきの女装海兵が迫る。
「あたしにも、ディープキスして!」
「うわ~~、やめろって!」
サンジの叫び声とともに逃げ出すと、
宴会場は、ネコとネズミを放したかのように
大騒ぎとなった。
「てめえら、いいかげんにしろ!まったく何の騒ぎだ!?」
個室から出てきたスモーカーの怒号が響き渡る。
「やっと出てきたな、ケムリン!お前も、やろうぜ!」
一連の騒ぎをげらげら笑いながら見ていたルフィが近づく。
「なにをだ!?」
「シシシ、ポッキーゲーム!」
「あ?」
「いいか?誰が一番多くポッキーを咥えられるか勝負だぞ!」
「ちょ、ルフィ、違うって!」
ナミが止める。
「なんだよ!1本なんてケチくさいこと言うな!
いいか、やるぞ!ありったけのポッキー持って来い!」
「へへ、面白そうだな。よ~し、俺もやるぞ!」
ウソップが乗り出す。
「俺、わたあめならいくらでも口ン中、入るぞ!」
チョッパーが得意そうに胸を張る。
ルフィが集められたポッキーを前に、スモーカーに挑む。
「いいか?ケムリン。よーいどんって言ったら、始めるぞ。」
「俺はやるとは言ってないぞ。」
「なんだよ、逃げるのか?」
「なに?!」
どうやら、こっちの勝負も始まりそうで、まだまだ宴会は続きそうだった。
******
「・・・そろそろ、降ろしてください。」
会場の外、人通りもまばらな路地に二人はいた。
「なんだ、酔っぱらって眠ったのかと思った。」
ゾロの腕に抱かれ、胸に顔をうずめるようにしていたたしぎが
ようやく声をあげる。
「恥ずかしくて、顔をあげられる訳ないじゃないですか!?」
思い出すだけで、顔から火が出るようだ。
明日からの休暇明けに、どんな顔で部下達の前に出ればいいか、今は考えたくない。
「ま、勝負はオレの勝ちだからな。」
得意そうに言うゾロに、たしぎも懲りずに言い返す。
「わ、わたしだって、最後まで離さなかったから、負けてはいません!」
言われてみれば、先に唇を離したのはゾロのほうだった。
くくく、懲りねえ奴。
「言われてみればそうだな。オレの負けか。」
負けず嫌いのくせに、さっきからしがみついた手を離そうとしないたしぎが
可愛くてしょうがない。
「それなら、お前の勝ちでいい。なんなりと、命令していいぞ。王様。」
え?
王様ゲームってこういうルールだっけ?
ナミから聞いた説明は、もう頭に残っていない。
たしぎは、うろたえながらゾロの耳のピアスを見上げた。
耳から、顎にそっての輪郭。
柔らかそうな緑の髪の毛と、太い鼻梁。
さっきまで触れていた薄い唇。
まだ酔いが残っているのかも。
頭がぼーっとしてくる。
「・・・それじゃぁ、このまま部屋まで連れってって下さい。」
言ってしまってから、赤くなって再び顔をうずめるようにゾロに身体をゆだねる。
「承知。」
どんな顔で歩いているのだろう。
確かめられないまま、たしぎは、襟もとを掴む指先に力を込めた。
〈完〉
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