ワンピース二次創作、ゾロたしのSS中心です。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
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うは~~~~!!!
なんか、ここ2、3日必死だったな。(笑)
日曜日は末っ子小学校最後の学芸会でした。
お弁当作って、一緒に食べる予定でしたが、
「友達と食べるからね!」と前日から言い張って、
結局、別々に弁当作って、娘のだけ渡して
家で旦那と食べました。
もうね、お父さんと一緒にいる所
見られたくないんだわ!
あ~~、気の毒な旦那。^m^
アナとエルサが5人ずついる劇を見て、(^_^;)
我が子の発表を見て
そんで帰ってきましたわ。
毎度のことですが、学校行事は
いろいろ大変よね~♪
そして、WJ
ナルト最終話
お疲れ様だってばよ~~!!!
感想は後日
そして、ロロ誕!
おめでと~~~う!!!!
ゾロ月間はエロ月間にしようかしら♪
むふふふ♪^m^
さてさて、お待たせいたしました。
リクエスト作品ラストです。
なんとか間に合いました!
よかったよ~!(T_T)
いつもポチポチありがとうございます。
感謝です。
だらだらたぬきさんからいただきました
「ウソップとたしぎのお話」
ありがとうございま~す!
設定は、「それでもいいと」の一場面と
考えていただければ。
たしぎがサニー号に乗っています。
少しずつ麦わらの一味とも打ち解けてきた頃の
お話です。
結構、長いです。ウソップ語ってます。(^^ゞ
「つづきはこちら」からどうぞ
なんか、ここ2、3日必死だったな。(笑)
日曜日は末っ子小学校最後の学芸会でした。
お弁当作って、一緒に食べる予定でしたが、
「友達と食べるからね!」と前日から言い張って、
結局、別々に弁当作って、娘のだけ渡して
家で旦那と食べました。
もうね、お父さんと一緒にいる所
見られたくないんだわ!
あ~~、気の毒な旦那。^m^
アナとエルサが5人ずついる劇を見て、(^_^;)
我が子の発表を見て
そんで帰ってきましたわ。
毎度のことですが、学校行事は
いろいろ大変よね~♪
そして、WJ
ナルト最終話
お疲れ様だってばよ~~!!!
感想は後日
そして、ロロ誕!
おめでと~~~う!!!!
ゾロ月間はエロ月間にしようかしら♪
むふふふ♪^m^
さてさて、お待たせいたしました。
リクエスト作品ラストです。
なんとか間に合いました!
よかったよ~!(T_T)
いつもポチポチありがとうございます。
感謝です。
だらだらたぬきさんからいただきました
「ウソップとたしぎのお話」
ありがとうございま~す!
設定は、「それでもいいと」の一場面と
考えていただければ。
たしぎがサニー号に乗っています。
少しずつ麦わらの一味とも打ち解けてきた頃の
お話です。
結構、長いです。ウソップ語ってます。(^^ゞ
「つづきはこちら」からどうぞ
「臆病者エレジー」
「うわぁ、こんなに採れるものなんですね。」
「そうよ、このミカンの木は最高なんだから!」
カゴに山盛りの蜜柑を大事そうに抱え、たしぎは
目を丸くした。
秋晴れの透き通った空の下、たしぎはサニー号での蜜柑の収穫の
手伝いをしていた。
木から蜜柑を採るナミは、とても嬉しそうで、
ひとつひとつを、大事そうに両手で包み込む。
傍にいるたしぎは、なんだか心が温かくなった。
「じゃあ、キッチンに運んできますね。」
「うん、ありがと。あ!ルフィに見つからないようにね!
あいつに見つかるとすぐなくなるんだから!」
「はいっ!」
まじめに返事すると、回れ右をしてキッチンへ向かう。
「見つかったら、一個投げて、その隙に行けばいいわ!」
「は~い!」
後ろから呼びかける声に、思わず笑ってしまった。
サニー号では、蜜柑を運ぶだけなのに、
とんでもない冒険みたい。
辺りに注意を払いながら、そろりそろりと蜜柑の入った籠を
運んでいく。
なんでもない甲板だというのに、たしぎの足は何かにつまずく。
「あっ!」
ぐらついた身体を必死に保って、籠をひっくり返すことだけは免れた。
ポトン。
ころころ・・・
一つ、落ちて転がる。
「あ~~!」
動けないまま、目で追うと
勢いよく転がった蜜柑は、甲板の梯子の下へと落ちていった。
「いけない。」
ナミの大切な蜜柑。
たしぎは籠を抱えながら、転がった蜜柑を追いかけ、
船内へと続く梯子を下りた。
「あったぁ。よかった。」
梯子を降りると、丸いソルジャードックの床に落ちていた蜜柑を拾い上げる。
ふと見ると、ドックの間の通路が続いている。
確か、ウソップとフランキーの作業部屋があるって
ナミが言ってたけど。
たしぎは少し気になって、その通路を進んでいった。
部屋のドアが開いていて、中に人の気配がする。
ドアの上部を見れば、壁に「ウソップ ファクトリー」と
看板が掲げられている。
「お、今年もナミのミカンが採れたか。」
「はい。あ、よかったら、これどうぞ。」
「サンキュ。」
早速、目の前で剥いて口に運ぶ。
「うんめぇ。お礼に、俺様の作品の数々、見ていくか?」
「はいっ!」
思えば、PHで子供達の為におもちゃを作ってくれたのはウソップだった。
タンカーが出航した後、ずいぶん助かった。
出航までの短い時間で、よくあんな沢山のおもちゃを作れたものだと感心したのを
覚えている。
ウソップファクトリーの至る所に、完成したものや作りかけのおもちゃが置いてあった。
この船では、おもちゃなんてもう必要ないだろうに。
そんなたしぎの思いに気づいたのか、ウソップが説明する。
「それ、今作ってるおもちゃだ。今度、あいつらの所へ送ってやるんだ。
後で、教えろよ、住所。」
「あ、はい。」
忘れてなかったんだ、あの子達のこと。
たしぎは胸が熱くなった。
「約束したんだ、今度はもっとすげえの作ってやるって。
まったく、俺だって暇じゃなぇのにな。」
照れ隠しなのか、ウソップは鼻をこする。
たしぎは、かがんで目の前の、スロープがついた木の枠を見つめた。
「その玉を穴に入れてみろよ。」
ウソップが声をかける。
たしぎは言われた通りに、木枠の底に転がっている小さな玉を拾い上げ、
枠の上の開いている穴にポトリと落とした。
ころころころ・・・
スロープを伝い、赤い玉が滑り落ちていく。
ポトン、ころころ。
ポトン、ころころ。
行ったり来たりと繰り返しながら、最後のスロープの穴にたどり着いた。
もう終わりかと思った途端、
チンチロロロロン
かわいらしい音階が奏でられた。
「わぁ!」
たしぎの感嘆の声があがった。
もう一回!
たしぎは、再び玉を上の穴から落とす。
その度に、階段状に並べられた鉄琴が奏でられる。
たしぎは繰り返し玉を転がしては、嬉しそうな顔をする。
その様子を見て、気をよくしたウソップは次々と新作を
たしぎに試させる。
「これなんかどうだ?上からこいつがパタンパタンとだな。」
「うわ~~!おもしろ~い!私にもやらせて下さい!」
「これ知ってるか?こうやって・・・」
ウソップが竹トンボを飛ばしてみせると
たしぎは、落ちた竹とんぼをまっ先に拾いに行き、
飛ばしてみる。
「けっこう難しいですね。コツはあるんですか?」
「どれどれ、いいか?よ~く聞け!」
「はい!」
散々遊んで、はしゃぐたしぎをウソップは、改めて見つめた。
こいつ、海軍大佐なんだよな・・・
「すごいですね!ウソップさん!」
「まあな、俺にかかれば、これくらいのこと!」
「ふふふ。」
たしぎは笑ってウソップの前の椅子に腰をおろした。
「お前、どう見たって、海軍大佐には見えねぇな。」
言われた瞬間、たしぎの眉間に皺が寄る。
「よく言われます。」
たしぎの真剣な物言いに、ウソップは思わず吹き出した。
「笑わないで下さい!それに、お前じゃありません。たしぎです!」
「あ、わりぃ、わりぃ。たしぎはこう見えても、剣士なんだよな~。」
たしぎの抗議をたいして気にせず、籠の蜜柑を手に取る。
「強いんだろ。」
皮をむきながら聞くともなしにポツリと言う。
「いえ、まだまだです。」
たしぎは少しうつむく。
「ふ~~ん。」
ウソップは、パンクハザードでのたしぎを思い出していた。
たしぎとは一緒に行動した訳ではなかったが、その活躍をサンジや
G-5の海兵たちから聞いていた。
もちろん肩に怪我を負い、ゾロに担がれてたことも。
ウソップは素直にその疑問をぶつけてみた。
「なぁ、あんとき、ほら、パンクハザードで鳥女を倒したのは
たしぎなんだろ。でも、ゾロが一緒にいたのに、なんであんな大怪我したんだ?」
「そ、それは私が弱かったから。
私はトドメをさしただけで、本当に倒したのは
・・・ロロノアです。」
「てえっと、ゾロの奴、鳥女にやられてるたしぎを見ても、
あんなになるまで助けなかったのか?」
「あれは、私の闘いでした!だから・・・」
「ちょっと待てよ。剣士ってのは、仲間がみすみすやられてるのを
黙って見てるもんなのか?ちょっとおかしいじゃねぇか!」
「あの、違うんです!」
「何が違うんだよ!」
「えっと・・・」
どう言ったらわかってもらえるだろうか。
たしぎは言葉に詰まる。
「人の勝負に立ち入らない。それが、剣士の礼儀だと・・・」
慎重に言葉を選ぶたしぎの姿に、ウソップはふと思い出した。
ゾロと鷹の目が初めて会いまみえたイーストブルーでの闘いを。
ゾロを助けようと飛び出そうとしたヨサクとジョニーの頭をルフィが押さえつける。
「ちゃんと見届けろ!」
何が何だかわからなかったあの頃とは違う。
見守る覚悟というのもあるってことを、ウソップは知った。
でも、あの時
ゾロは負けることよりも死を選んだ。
今でも思い出すとゾッとする。
ゾロの胸に当たる鷹の目の小さな短剣が、ずぶりとゾロの胸に突き刺さった瞬間、
あいつは、一歩前へ踏み出したんだ。
「剣士ってのは、死ぬのが怖くないのか?」
「・・・怖くはないです。勝負に負ければ、即、死ですから。
命を惜しんでいたら、勝負など出来ません。」
「お前らは、それでもいいかもしれないが、こっちとらぁ、堪んねえぞ!」
「す、すいません。」
どうして私は、あやまっているのだろう。
それに、お前らって、私とたぶんロロノアのことだ。
「大体なぁ、そう簡単に死ぬこと選んじゃ駄目だろう!」
たしぎの態度に、我が意を得たとウソップの声が高くなる。
「勝負に負けたっていいんだ、大事なのは生きて帰るってことじゃないのか?
待ってる方の身にもなってみろ!」
「はい。」
「こっちはな、お前らが負けたって全然気にしねぇ、無事でいてくれりゃあ
また次、戦えるだろ!」
自分の覚悟は出来ている。それは確かだった。
でも、パンクハザードでシノクニから逃れる時に、
部下達が命を張って、自分を助けてくれた。
今でも、その時の無念さが胸に残る。
部下達は、その後、仮死状態になっただけで、
皆無事だったことに、どんなに救われたことか。
その時以来、たしぎの心に少し変化があった。
助けてもらった命を無駄にしてはいけないと。
私の命は、私だけのものではないのかも・・・
皆の想いが、自分を強くする。
たしぎは、そんな事を感じるようになっていた。
だから、ウソップの言いたい事もよくわかる。
「あの・・・そうなんですか?ロロノアは・・・」
たしぎは聞いてみた。
「おうよ!ゾロは、あいつは危険だ。」
ウソップは、何かを思い出すように空を見つめたまま、腰を下ろした。
「ゾロは、死に場所を求める鉄砲玉みたいなもんだ。
一旦、戦いの場に出たら引き返すことなど考えちゃいねぇんだ。」
たしぎは黙ってウソップの言葉の先を待った。
「もう2年前の俺らとは違うけどな。」
そう前置きしてウソップはシャボンディ諸島で
麦わらの一味に何が起こったのか話し始めた。
「俺は、ゾロと一緒にいれば安全だと思ってた。
あいつの傷が、まだ癒えてないこなんて考えもしてなかった。」
ゾロに抱きついてバーソロミューくまの攻撃から逃れ、
ようやく助かったと思ったら、今度は大将黄ザルが現れたときには、
もう終わりだと思った。
なのによ、ゾロの奴ときたら、一言も助けを請わねぇんだぜ。
そりゃあ、俺は一味の中でも弱くって頼りにならなかったかもしれねぇけどよ!
今は違うぞ!勇敢な海の戦士だからな。
離れ離れになって、ルフィのことはもちろんだが、
俺はゾロのことも気になってた。
あいつはちゃんと生きてるんだろうかって。
命を粗末にしてるんじゃないかって。
サニー号で再会した時、やっぱりゾロは無傷じゃなかった。
たしぎは話しを聞きながら、
ゾロが仲間に大事にされていることを知った。
「ウソップさん、ちゃんと言ったんですか?ロロノアに。」
たしぎが微笑む。
「命を粗末にするな。お前は、世界一の大剣豪になる男だろって。」
ウソップは難しい顔でたしぎを見る。
「あのなぁ、俺らじゃ駄目なんだ。」
「どうして?」
「あいつにとって俺らは、守るべき仲間なんだ。
仲間の為ならあいつは命を賭けるような奴だ。」
昔、俺はルフィに言ったことがある。
あいつ、敵のボスを戦って、皆、勝てないかもって思ったことがあった。
俺はこう言ってやった。
「ここが地獄じゃあるめェし、お前が死にそうな顔すんなよ!
心配させんじゃねェよチキショー!勝って、みんなで一緒に帰るぞ!」ってな。
そしたらよ、ルフィのやつ笑って勝っちまいやがった。
でもな、ゾロは駄目だ。きっと、じゃあな、先に地獄見物でもしてるって
相手と刺し違えてでも負けるくらいなら死を選ぶ。
そんな気がするんだ。
たしぎは黙ってウソップの話しを聞いていた。
「だから言ったろ。
ゾロは死に場所を探しているような奴だって。
そればっかりは、俺らでも変えられなねぇ。」
「そんなことって・・・」
たしぎはなんだか泣きたくなった。
「お前さぁ、ゾロのこっち側になってくんねぇか?」
どういう意味ですか?
たしぎが無言で問いかける。
少し考えて、ウソップがじっとたしぎを見る。
「あいつが生きたいと思う理由になれってこと。」
たしぎは、どう答えていいかわからずに
ウソップを見つめ返した。
ウソップは、たしぎに伝わるように
身振り手振りを交えて話し出す。
「俺は、死ぬのが怖ぇよ。臆病者と呼びたい奴は呼べよ。
そりゃ冒険はしたいが、命あっての冒険だろ。
死んじまったら、元もこうもねえからな。
それにな、勇敢な俺様の冒険談を聞きたがってる奴がいるんだ。
だから、そいつに話すまで俺は死ぬわけにはいかないんだ。」
「その人は、今もウソップさんの帰りを待っているんですか?」
「さぁ、どうかな?」
ウソップは鼻をこすりながら笑う。
「幸せに生きていればそれでいい。俺のことなんか忘れたってかまわねぇ。」
「ただ、俺が・・・俺がもう一度あいつの姿をこの目で見たいって
思っているだけだから。」
そう語るウソップの瞳は、とても優しい。
「だから、わかるか?俺の言いたいこと!」
「こう、傷ついてもう駄目だって思ったときに、
俺はまだ死ねねえ。あいつにもう一度会うまでは!って思い浮かべるような
存在になってくんねぇかってこと!」
「そ、それは、私が望んだからといってなれるものじゃないでしょう!」
ウソップにつられてたしぎも、ついつい大声になる。
胸がやけにザワザワする。
ふと、たしぎの顔を見て、ウソップは話を止めた。
「わりぃ、なんだか余計なこと言っちまったな。
これあ俺が思ってるだけのことだから、気にするな。」
バツが悪そうに頭をかいた。
「新作できたら、教えてやるから、また来いよ。」
「あ、ありがとうございます。」
たしぎは立ち上がってペコリと頭を下げた。
「じゃあな。」
たしぎは、うまく考えがまとまらないまま
ウソップファクトリーを後にした。
わたしが、ロロノアを引き留めることなんか出来る訳ないじゃないですか。
心の中で、ウソップに反論する。
わたしの顔を見ると、亡くなった親友を思い出すって言うロロノアを。
どうやって・・・
甲板に出て空を見上げると
まぶしいくらいの青空が、やけに眩しかった。
蜜柑を届けないと。
忘れていた任務を思い出し、手元を見る。
話しに夢中で気づかなかった。
籠に山盛りだった蜜柑は、だいぶ減っている。
「大変!」
急いでキッチンへ向かおうとするたしぎは
声をかけられた。
「いいもん持ってるな。たしぎ!」
ドキッとして振り返るとルフィが満面の笑みを浮かべ
ライオンヘッドの上からこっちを見ていた。
「あはは、一つだけなら・・・」
笑いながら後ずさるたしぎのにむかってルフィの手が伸びてきた。
こういう時に限ってたしぎの足は何かに引っかかる。
ズデン!
派手な尻餅をつく。
籠から蜜柑が飛び出していくのが
スローモーションのようにたしぎの目に映った。
「いっけな~~い!」
お尻をさすりながら、立ち上がったころには
騒ぎを聞きつけた一味が集まってきていた。
それぞれが手に蜜柑を持って。
「お、甘いな。」
「もうこんな季節なのね。」
フランキーとロビンが笑う。
「たしぎちゃ~ん!大丈夫?」
サンジがキッチンから飛び出てきた。
「お、やっぱりうめぇな、ナミの蜜柑は。」
「ほんと、美味ですね。」
チョッパーとブルックも早速食べ初めている。
「あはは、配る手間が省けたわ。
たしぎが運んだぶんは、みんなで食べましょう。」
「ナミ!ごめんなさい!」
「いいのよ。ちゃんと見越して、確保してるからね。」
ウィンクをして笑うナミに、自分のふがいなさにがっくり
肩を落とすたしぎ。
視線の先に、落ちている蜜柑が一つ。
黒いブーツが近づき、それを拾う。
蜜柑を一緒に顔をあげれば、ロロノアが
なにやってんだという顔でたしぎを見つめる。
「さあ、たしぎも食べよ。」
ナミに渡された蜜柑を手に、たしぎはそのまま甲板に
腰をおろした。
乾いた風が髪を揺らす。
みずみずしい蜜柑の果汁が口中に広がった。
視線の先のロロノアも、美味しそうに蜜柑をほお張っている。
たしぎの視線に気づいたゾロが、いぶかしげに近づいてくる。
「なにボケッと見てんだ。欲しいのか?」
手にした食べかけの蜜柑を掲げる。
なにをのん気なことを。
「ち、違います!バカ!」
思いのほか強い口調に、ゾロは怒るのも忘れて
たしぎを見つめる。
そこに、船底から上がってきたウソップが梯子から
顔を出す。
「お~~、チョッパー、蜜柑の皮持ってきたぜ。」
大量に袋に入っているのは、さっき食べた蜜柑の皮だ。
蜜柑の皮は乾燥させると陳皮といって、漢方薬になるのだ。
「あ~、ウソップ!一人でそんなに食べて!
みんなの分が少なくなっちゃったじゃないのよ!」
ナミが目ざとく見つける。
「ええ?だって、たしぎが持ってきてくれたんだぜ!」
急にふられて、たしぎは焦る。
「え!?あ、はい!でも、言われた通り一つずつ・・・」
そういえば話しながらせわしく蜜柑の皮を剥いていた
ウソップの姿を思い出す。
「あははは・・・」
たしぎは笑うしかなかった。
ふと、こちらを見ているゾロと目があった。
声を出さずに、たしぎにだけわかるように口を動かす。
ばぁ~か!
!!!
目を丸くするたしぎに向かって、
舌を出すとニヤリと笑いながら、船尾の方へと姿を消した。
なんなんですか!
子供みたい!
ほんとに、もう・・・・
怒りながらも、ウソップの言葉が浮かんでくる。
ゾロのこっち側になってくんねぇか。
もしも、あなたが死に場所を求めているというのなら、
その闘いを見届けたい。
あなたの瞳に、私がどう映るのか
わかりようもないけれど。
この目に焼き付けたいと思うくらいいいですよね。
そして、願わくば・・
たしぎは、そっと目を閉じた。
千々にめぐる想いは
どこまでも透き通った秋の空に飛んでいく。
その行方を追わないことにして、たしぎはそれぞれの場所へと戻っていく麦わらの一味の
背中を見ながら、もう少しだけ残る蜜柑の香りに身をゆだねていようと思った。
〈完〉
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