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ワンピース二次創作、ゾロたしのSS中心です。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
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こんばんは~♪


連日ワンピースクルーズ47を
聴いて、むふふふ♪してます。(*^_^*)

ポチポチありがとうございます。
なんだか、書くのが久しぶりな感じで、
手直しばかりしてました。 (^_^;)



>葱りんさんへ
 「風シリーズ」楽しんでいただき、
 ありがとうございます。
 >ペロちゃん いい娘なんだな~。
 健気なんだな~。
 二人を取り巻く周りの人々も変わってきます。
 2年後、どうやって再会しようか、
 あれこれ想像しながら、私も楽しんでま~す。(^^♪
 
 
  


やっぱり、吹雪の夜といえば、アレですよね。^m^

「Blizzard Night」後編です。
「つづきはこちら」からどうぞ








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「Blizzard Night」後編









ひゅううう。


たしぎは、耳元を撫でていく冷気で目を覚ました。




ゾクリ。

全身に震えが走る。







寒い・・・・


重たい瞼を開けると、
暖炉の火は消え、薪がわずかに赤く灯っているだけだった。

部屋全体が薄暗い。


どれくらい眠っていたのだろう。

それでも、確かなゾロの鼓動は目の前で脈打っている。



そっと、顔をあげ、身体を起こす。








ふと、すぐ側に人の気配がして、息を呑んだ。




白いドレスの女がいる。




驚くと同時に、この屋敷の主人が居たことに、恐縮してしまう。




白い髪に、老婆かと思ったたしぎは、
たたずむ女の顔を見て、自分と同じくらいの若い女だと知る。


銀髪?

時折、暖炉の火の光で、輝くような髪は、白ではなく
銀髪なのだろうか。

見たこともない輝きに、たしぎは、暫く時を忘れて、見つめていた。



動く様子もない女に、たしぎは慌ててて
コートの前を合わせると、声をかける。


「す、すいません。勝手にお邪魔してしまって。
 あの、雪がひどくて・・・何度も、声をかけたんですが。」


たしぎの声が届いているのか、いないのか、
女は、動きもせずに、じっと見つめている、その先は、ゾロだった。





「・・・これは・・・おまえのか?」


首をかしげながら、たしぎの方を見る。



その声の響きと、何よりも、人を「これ」と呼ぶ
不気味さに、たしぎは身を固くする。




「わ、わたしの連れです。」


拳をグッと握りしめ、答える声が上ずる。



「そうか。」




話しは通じたようだと、ホッとした途端、女がニヤリと笑う。


「私に、くれ。」









笑った口元から覗く真っ赤な舌が、生々しくてゾクリとする。


たしぎの身体は固まったように動かない。



恐怖なのか、寒さなのか、息をするのも忘れ、たしぎは、
女を見つめる。



震える身体で、ぎこちなく首を左右に振る。

「ダ、ダメ・・・。」




絞り出した声で、ようやく鎖が解けたかのように、ゾロの方に手を伸ばした。



どうして、こんな時に、寝ていられるの!?


たしぎの手が、ゾロの頬に触れて、びくっと止まる。


冷たい。

まるで氷のように、冷たい。






ゆっくりと上下する胸の動きに、眠っているものだと思っていたのに、
こんな状態で、一体・・・・



「な、何をしたんです!?」

たしぎの胸中は、目の前の女は敵だと認識し始めていた。




「ロロノア!起きて、起きてください!!!」

両手で揺り動かし、声をかけても、ゾロは安らかな顔で寝息を立てている。




「お願い!起きて!」

たしぎの声が大きく、叫び声に近くなる。










ふふと、笑いながら、女はゾロに近づき、覗き込もうとする。

たしぎは、手を離すと、覚悟を決めてゾロと女の間に、身体を滑り込ませた。



「あなたには、渡さない。」



背中で、ゾロをかばうように立ち膝になると、女を見上げる。



必死に伸ばす手は、ソファの端に立てかけられた時雨には届かない。




たしぎの思わぬ反応に、動きを止めた女は、
不気味な笑みを浮かべると、ふうっと息を、たしぎの顔に吹きかけた。



途端に、たしぎは息ができなくなり、喉を押さえる。





触れた自分の喉は、氷のように冷たい。


「っ!・・・!!!」

吸い込んだ空気が凍りついたかのように、苦しくなる。

必死に空気を吸い込むと、なんとか再び息が出来るようになった。



ゼイゼイと荒い呼吸を繰り返しながら、女を睨みつける。




「ロ、ロロノアは・・・」

背中のゾロをかばうように立ち上がる。


後ろ手に触れたゾロの手をぎゅっと握りしめる。


「ロロノア・ゾロは、世界一の大剣豪になるんです!だから、あなたなんかに、渡さない!」


誰の為でもない、自分を奮い立たせるために、たしぎはあらん限りの声で、叫んだ。







「・・・・ん」

ゾロが身じろぐ。



目の前の女が、驚いたようにゾロを見る。

「目を覚ますはずは、ない。」




その瞬間にたしぎは時雨に飛びついた。

立ち上がりざまに、抜刀すると、白刃が空を斬る。




女に傷はない。

ゆっくりとたしぎの方を向くと、
「これは、わたしのものではない・・・」
と、どこか寂しそうに笑うと、目の前で、すっと消えてしまった。





「はぁ、はぁっ・・・」

女の消えた場所を見つめ、その気配が完全に消えてしまったことを
確信するまで、暫く動けなかった。



「なんだ?」

ゾロが首を回しながら、身体を起こす。

「ロロノアッ!」

たしぎが駆け寄る。




ゾロは、ふわ~っとあくびをすると、眠そうな顔で
たしぎの方を見た。

「なんとも、ないですか?」


「別に。」


「よかった・・・」

たしぎは、ほっとしてその場にへたり込む。


「どうした?」


「なんでもありません!無事ならいいんです。」



「ハックションッ!!!」
ゾロが大きなくしゃみをする。

はだけた胸元を慌てて重ねると、
「なんだ、勝手に離れんなよ。」
とたしぎに文句を言う。



そんな!と思いながらも、たしぎは心から安堵する。


ゾロは立ち上がり、薪をくべて、暖炉の炎を大きくする。

部屋は再び、ぬくもりに包まれた。




床にペタリと座ったままのたしぎは、炎が燃える様子を
ぼんやりと見ていた。


「これは、まだあったけぇな。」

そう言いながら、ゾロは腹巻からカイロを取り出した。




あぁ、これがあったから、きっと助かったんだ。


たしぎは、納得した。



「ほら。」

ゾロが差し出した手を取る。


立ち上がるたしぎの腰に手を回すと、ぐいっと引き寄せた。

くるりと背中越しに抱きつく。


「ったく、勝手に離れるな。また冷たくなっちまっただろ!」

本気で言っているのかと、眉をひそめるたしぎに、
笑いながら、指先をたしぎのウェストに滑り込ませる。

「冷たっ!!!」

それでも、さっきまでの恐ろしい程の冷たさではなく、
触れていれば、ぬくもりを感じる手のひらだった。



そっと、ゾロの手に自分の手を重ねる。



たしぎの肩に、顎をのせ、耳元に口を近づける。

「さっきなぁ、お前の声で、オレは世界一の大剣豪になる男だって聞こえたんだか。」


ギクリとしながらも、しらを切る。

「し、しりません!そんなこと、私が言うわけないじゃないですか!!!」


「夢でも見たかな。」
ふふんと笑う気配がする。




「まぁ、見てろって。」


「そんなこと言って、私のいない所で、勝手にくたばったりしたら
承知しませんから!」

「お~~、こえぇな。」


はははと笑いながらも、頬をすり寄せる。


「変な女にひっかからないで下さいね!」

「それって、心配ってことか?」

「誰が心配なんか!そうゆう意味じゃなくてっ!」



さっきから、撫でるように動くゾロの指先に、身体が火照る。
顔が熱いのは、そのせいなのか。


あぁ、でも、無事でよかった。




たしぎは、くるりとゾロに向き直ると、
首に手を廻す。




「あなたを捕まえるのは、この私ですから。」


やわらかく笑う。




「・・・・」



最近、気づいたことがある。

これはこいつなりの、告白なんだろうと。

そんなことを、ぼんやりと考えながらも、
たしぎの眩しい笑顔に目を奪われる。


さっきから、顔が近い。

もうちょっとで、唇が触れそうだ。






背中にまわした手で、引き寄せようとした途端、
頬にたしぎの唇が触れて、ぱっと身体が離れた。



「さぁ、行きましょう、ロロノア。もう、夜が明けました。」







手を引かれて、外に出てみれば、空は白み始めている。

風はやみ、静かな夜明けだった。



音の無い澄み切った大気の中、
まっさらな雪の上に、二人が足跡が刻まれ始める。






<完>







epilogue がちょこっと続きます。




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自己紹介:
ワンピース大好き。
ゾロとたしぎは公認カップルと信じて疑わない。
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