ワンピース二次創作、ゾロたしのSS中心です。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
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最近、爪の縦皺が気になって、
ベースコートを塗るようになりました。
うぬぬ、少しは効果あるかな♪
頑張れ自分みがき!(笑)
先日、東村アキコ「かくかくしかじか」5巻を
読みました。
今年の漫画大賞の作品。
その影響でしょうか。
頭の中に、「書け!」という言葉が
響いてます。(^^♪
さて、ちゃんと後編で収まりましたよ~!
ポチポチありがとうございます。
「オレが悪いのか」後編 です。
「つづきはこちら」からどうぞ
「オレが悪いのか」後編
地元の人で賑わう食堂は、味も雰囲気も抜群だった。
カウンターに並んで座る二人。
たしぎが一言、「おいしい。」と漏らしただけで、
お互い一言も口をきかなかった。
たしぎは、刺身を口に運び、熱々の白飯を頬張る。
味噌汁をふーっと冷ましながらすする。
お新香をパリパリとかじる音も、リズミカルだ。
ゾロは、横目で食事をするたしぎの様子を伺う。
当の本人は
隣に座る男になど全く関心がないかのように、黙々と食べ続けている。
ゾロは、少しだけ安心する。
こんだけ食べれりゃ大丈夫だ。
なにが大丈夫なんだろうかと自問しながら、
ゾロも碗を空にした。
「ごちそうさん。」
店を出る頃には、すっかり空は暗くなっていた。
お腹いっぱいとばかりに、
はぁと満足げに一息くと、たしぎは無言で歩き出した。
その後を、あわてて追うゾロ。
「おいっ!まだ怒ってんのか?」
たしぎは、ピタッと立ち止まり、振り返る。
「なんの事ですか?」
どうも言い方が冷たく感じるのはオレ気のせいだろうか。
「今朝のことだよ!」
負けじとゾロも言い返す。
「・・・・・」
たしぎにじっと見つめ返される。
「別に、ロロノア誰とどんなことしようが、
私にはまったく関係がありませんからっ!」
一気に吐き出すように、まくし立てるたしぎの
眉間の皺が、心を表していた。
「それなら、いい加減その仏頂面、なんとかなんねぇか?」
「もともと、こういう顔ですっ!」
ゾロは、頭をがりがり掻きながら、低い声で話し出す。
「あれは、女達が勝手にやったことだ。オレは寝てて
なんも知らねえ。」
「知らないなら、何されてもいいっていうんですか!」
「別に、何もされてねぇって。」
「あんな体中に口紅つけられて、裸の女の人がそばに居ても
気づかないなんて、どうかしてます!」
何を言っても、言い返される。
「・・・悪さしてた訳じゃねえんだから。」
不意に口をぎゅっと結んで、おし黙るたしぎ。
ゾロはまずいこと言ってしまったかと、
たしぎの様子を伺う。
「私が、私が嫌なんですっ!!!」
手をギュッと握り、堪えきれずに出た一言に
思わずゾロは目を見開いた。
「そうか。」
「そいつは・・・悪かったな。」
いつのまにかゾロは笑っている。
今度はたしぎが意外だというようにゾロを見つめ返す。
「オレが、触りたいのは、お前だけだ。」
たしぎは見つめられたまま、その瞳から目をそらせない。
「そ、それは・・・」
肩を掴まれる。
後ずさると、路地の塀が背中にあたった。
思わず下を向くたしぎの顎に手が伸びる。
くいっと持ち上げられたかと思うと
すぐそこに、ゾロのまつ毛が見えた。
ぬくもりが唇に重なる。
「・・・なに、するんですか・・・」
長い口づけの後の、たしぎの抗議に力はない。
「したかったからに決まってんだろ。」
「・・・」
「機嫌直ったか?」
「べっ、別に!」
「まだ、足りねぇか?」
ゾロの腕が背中に回る。
たしぎは、ぎゅっと抱きすくめられた。
「人が、見てますって。」
「関係ねぇだろ。」
たしぎは観念したかのように目を閉じて、ゾロの胸に身体を預ける。
街のざわめきが、二人の耳から消えた。
気がつけば、ゾロに手を引かれ、歩き出していた。
「祭り、終わっちまったな。」
「はい。」
「ま、いいか。こういうのも。」
出店も神宿もない神社を歩く。
さわさわと境内の木々が風に揺れる音が心地よい。
祭りで楽しそうに歩く人々を眺めながら、
私、寂しかったのかも。
ふっとたしぎの肩の力が抜ける。
ぶらぶらと歩くゾロの手は、しっかりとたしぎの手を握ったままだ。
この人は、私の気持ちを知って、こうやって歩いているのだろうか。
たしぎの耳に、微かにお囃子が聞こえてきた気がした。
小首をかしげるように、ゾロの肩にトンと頭を置く。
その顔には、微笑みが浮かんでいる。
重なる二つの影は、静かに夜の帳に消えていった。
〈完〉
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