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ワンピース二次創作、ゾロたしのSS中心です。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
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ちょ、ちょっと~~!
今週のWJ~~!!!
えへへ~~♪ (^^♪

って、今、ワンピの世界は、いつ~!?
PH編から何日経ってんの~~!???


ポチポチありがとうございます。
もう、何をさせたいのか
おわかりですね。(笑)

「どちらさんも」後編
「つづきはこちら」からどうぞ




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「どちらさんも」後編




暖簾を上げて、覗くように賭場に顔を出すと
一斉に視線が集まった。


「おおぉ~~~!!!!」

どよめくお客さん達に、急に緊張するたしぎ。


「さぁ、先に賑やかして頂戴!」

ヒナに促され、恐る恐る足を踏み出した。







「今日はG-5の花、たしぎさんが、色をつけに来てくださった。」

イッショウが海兵達に説明する。

「さすが、イッショウさん粋なことするね。」

「よっ!さすが大将!」

どうやらイッショウは、ここでは人気があるようだ。


「ささ、どうぞ、たしぎさん。坪、振っておくんなまし。」


「は、はいっ!」


いつの間にか、正面にどっかり座ったイッショウを目の前に
たしぎは緊張した。


えっと、たしか・・・・

さっき聞いたばかりの手順を思い出す。



あ、そうだ。


たしぎは、ツボ振りの席に座ると、
おもむろに袖から襟元へと両手を入れた。



えいっと掛け声とともに、胸をはだける。


あまりの思い切りの良さに海兵達がのけぞる。

片方だけでいいと言われたはずなのに、
何故だか両肩が露わになってしまった。


胸に巻いた白いサラシが締め付けて苦しい。
少し帯びも緩んだみたいで、大きく息を吸う。


「みっ、みなさん!よござんすか?」

気合を入れて、周りを見渡すと、ゴクリと喉を鳴らした面々が
黙って頷いた。


「これは、頼もしいね。」

イッショウは、たしぎの姿を見て、ふふふと笑みを漏らした。






人差し指、中指、薬指の三本で
二つのサイコロをはさむ。

それを、皆に見えるようにゆっくりと左右に振る。
左手には、ツボを持ち、これも底が見えるように
一緒に検分してもらう。



「では、入ります。」

すうっと、息を吸うと
ひゅっと風を斬るように左右の腕を交差させる。


ツボに入ったサイコロがころころと中で転がりながら、
床に伏せたツボの中で、丁半、決まる筈だった。


バンと思い切りツボを床に伏せる。


「ううっ!!!」

いきなりたしぎの左側にいた男が
顔を押さえて呻きだす。



ボトッ。


なぜか、男の手の内側から
サイコロが二つ落ちて、賭場に転がる。



「サブロクの半・・・」 


誰かがつぶやく。


え?

たしぎは、なぜサイコロがそこにあるのか分からずに、
ツボを上げてみる。

中は、空っぽだった。





「どうやら、勢いが良すぎたようですな。」


イッショウが、まるで見えているかのように呟く。


「すっ、すいませんっ!!!」


顔を真っ赤にしながら、たしぎがサイコロを受け取る。



こ、今度こそ!



神妙にサイコロを持って、再び手を交差させる。


ヒュッ!



風が起こったかと思うと、イッショウの隠し杖が
光った。



パラ・・・


真っ二つに割れたサイコロの破片が四つ、
イッショウの杖の両側に、落ちた。




飛んできたサイコロを、居合いで斬ってしまった。


「あぁ、こりゃいけねぇ。」

イッショウは、しまったとばかりに頭を掻いた。



「す、すいません!イッショウさん、怪我はありませんか?」



二度目のサイコロは、まっすぐにイッショウのところに
飛んでいってしまったようだ。


あまりのことに、周りの海兵達は、ビビッて声を出せずにいた。

イッショウの刀を抜かせるなんて、なんちゅう女海兵だと
言わんばかりに、恐る恐るたしぎを見つめる。






「たしぎ!なにやってんの!交代よ!もうちょっと練習しからにしなさい! 」

ヒナの言葉に誰も文句はなかった。


「ヒナさん!」

たしぎは、さっと席を立ち、ヒナに場所を譲る。



「む、難しいですね。ツボ振りって。」


「いや、あんたは、ちょっと違うわよ。」


ふふふと笑ってヒナはたしぎからツボを受け取る。



「いいから、後は任せなさい。」


「はい。ありがとうございます。」



たしぎの代わりに座ったヒナは、最初から肩を出していた。
片膝を立てて、嘗め回すように周りを威圧する。


「さぁ、どちらさんも、用意はいいかい?」




男達の空気が一瞬で変わった。


ヒナの一挙手一動に、目が釘付けだ。



ふっと指に挟んだサイコロに息を吹きかける。

赤い口紅が、艶めかしく視線を絡め取る。




長い指先は、まるでマジシャンのように
サイコロをくるくると指の間で転がす。



十分に目を引き付けておいて、
目にも止まらぬ早さで、ツボに投げ入れる。


左手を高く上げ、中でサイコロがころころを転がる音を
響かせて、トン!と賭場に伏せる。


「おぉ~~~~!」

あまりの鮮やかさに、一同感嘆の声を漏らす。



「さぁ、さぁ、張った張った!」


ヒナの掛け声とともに、「丁!」「半!」
とあちこちから声があがる。



あらかた出揃った後に、
「半」とイッショウが目の前の掛札を、全部押し出した。



「よござんすか!?よござんすね!」

ヒナの啖呵が心地よい。


皆、無言で頷く。

「勝負!」

パッと、ツボを上げると、
ぞろ目の一が、二つ重なって立っていた。



「おおぉ~~~~~!!!」


その見事なツボさばきに、当たり外れ構い無く、
賞賛の声が上がった。



「ピンゾロの丁。」


素敵です!ヒナさん!

たしぎは、心から尊敬した。






******





「たしぎさん、大丈夫ですかい?」


後ろから声をかけられて、たしぎは振り返る。

「イッショウさん!平気です。す、すいませんっ!
 失敗ばかりで・・・」

立ち上がると、恐縮しながら謝った。


「なに、気になさらずとも、おかげで、盛り上がりましたぜ。」


ふっふっと、思い出している様子で笑うイッショウ。


「さぁ、お疲れでしょうから、もう戻りましょう。
 送らせていただきやす。」


「そ、そんな、一人で、帰れます。大将殿に送らせたとあっては、
スモーカーさんに怒られます。」

「そんなことは、ないでしょう。ほら、おいでなすった。」



イッショウが顔をあげた先に、歩いてくる人影が見えた。


着流しに、葉巻を咥えたスモーカーが雪駄で歩いてくる。

「ス、スモーカーさん・・・」



見慣れぬ上司の恰好に、暫し見とれるたしぎ。


「ど、どうしたんですか?」


二人の前に立ったスモーカーは、不機嫌な顔で
「それは俺の台詞だろ。」と答える。


言われて、肌蹴た着物姿でいることを思いだし、
慌てて、袖に腕を通した。


緩んだ襟元が、また艶がある。


「まったく、何させてんですか!?大将殿。」



額を押さえながら、イッショウに向き直る。


「いやぁ、さすがでしたよ、お二人とも。おかげさんで、
 盛り上がりました。」

頭を掻きながら、ゆるりと笑う。



「んじゃ、こいつ、頼んます。俺は、もう一人、回収するんで。」


そう言うと、スモーカーは建物の中に入っていった。

その姿が見えなくなると、イッショウはたしぎを促す。


「さ、行きましょう。なんとも、頼もしい上司ですね。」

「は、ありがとうございます。」

たしぎは、礼を述べた。



「おそらく、あっしと出かけると聞いて、すぐにヒナ嬢に
付き添いを頼んだと思いますよ。」

「そうなんですか?」

思わず聞き直す。


いつも自分の知らないところで守られている。


スモーカーだけでなく、G-5の部下達もしかりだ。



こん、と自分の頭を叩く。


「ダメですね、私。いつも、こうやってみなに心配かけて。」


「いや、いいんですよ。たしぎさん、あんたはそのままで・・・」



「そうでしょうか・・・」


歩幅をあわせてゆっくりと歩くイッショウに
たしぎは、なんだか胸が熱くなる。



*****



イッショウと出かけると聞いて、
嫌な予感はしたんだ。


無類の賭博好きのイッショウが連れて行く場所と言えば
この賭博場しか思い浮かばなかった。


こういう場に慣れていないたしぎの子守り役に
ヒナに同行を頼んだまではよかったが、
まさか貸元の方とは想像してなかった。


たしぎのトロさは、お墨付きだから
何もしなくても賭けにはまることもないだろう。

しかし、ヒナは・・・





とっとと回収しないと、熱くなってるに違いない。

その場の雰囲気を乱さぬように着流しで来て正解だったな。

さっきのたしぎの姿を見て、そう思った。


さぁて、行くか。

首をぐるぐると廻して、一呼吸置いた。




「おう、邪魔するぞ。」

スモーカーは騒がしい賭場の戸を開けた。







〈完〉








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自己紹介:
ワンピース大好き。
ゾロとたしぎは公認カップルと信じて疑わない。
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