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ワンピース二次創作、ゾロたしのSS中心です。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
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ワタワタとなんとか間に合った~~!!!(^_^;)

79巻も今週のWJも置いといて、

たしぎ!HAPPY BIRTHDAY!!!

+ ロー&バルトロメオも、ねっ(^.^)b

ゾロたし月間の始まりだぁ~~~♪♪♪ヽ(^o^)丿


誕生日話ではないですが、「Bubble Dream」前編です。

ドレスローザを出て、新しい手配書を見たたしぎは・・・
(手配書賞金額ネタバレ注意です。)

「つづきはこちら」からどうぞ




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「Bubble Dream」前編



「スモやん!大佐ちゃん!麦わらたちの新しい手配書が届きました。」

部下達が本部から届いた手配書の束を抱えて医務室にやって来た。


「おう。」

スモーカーが側の机に置かれた手配書を一枚ずつ確認する。


たしぎはスモーカーの側にコーヒーカップを置くと
お盆を抱えたまま、スモーカーが見終わった手配書を手に取った。


「すごいやね~!麦わらのルフィは、とうとう5億を超えちまったぜ!
 あっ、トラファルガー・ローもだ。」




「・・・5億って。」

想像もつかないような高額賞金に思わずたしぎは声を漏らした。


「麦わら達は、七武海のドフラミンゴを倒し、
 ドレスローザの国を救ったんでしょ!?スモやん!」

部下達も藤虎の土下座のニュースは知っている。

「本部の赤犬がそれを認める訳ねぇだろう。」

スモーカの吐き出す煙が濃さを増す。

 
どこまでいっても海賊は海賊。

かつて自分が放った言葉が、意図した方向とは違った意味で自分に返ってくる。


自分の信念と、海軍の在り方の微妙なズレに苛立ちながら、
手にしたコーヒーを飲み下した。


「相変わらずサンジのアニキは、写真映りが残念だなぁ。
 すっげ~~いい男なのになぁ~、気の毒に、これじゃ、モテねぇわ!」

「確かに!」

「ソゲキングからゴッド・ウソップって、あいつ何やらかしたんだ!?
2億に跳ね上がってるぜ!」

「それを言うなら、チョッパーをもう少し上げてやらねぇと、箔がつかねえだろ。
子供達を救ったすげぇ医者なんだから。」

「いや、それは懸賞金とは別もんだろ。にしても、わたあめが好きなんだな!あいつ。」

「わたあめ、子供は好きだぜ。」

「そうだ、今度、スモやんの快気祝いは、わたあめパーティにしようぜ!」

「そりゃ名案だ!」

ベッドの周りで、部下達が騒いでいる中、たしぎは一枚の手配書を見つめていた。


”海賊狩りのゾロ 懸賞金3億2千万べリー”


新しく撮られた写真のロロノアは、黒い手拭いを頭に巻いている。
戦闘の最中だろうか、険しい顔をしている。

「ゾロのアニキは、ピーカをぶった斬ったらしいっすよ、大佐ちゃん。」

「ピーカ?」

「あぁ、岩や土と同化して、大地を自在に操る化けもの。」

「聞くところによると、巨大な岩のバケモノのピーカの胴体を
 真っ二つに斬ったそうだ。一体、どうやったんだろうな。」

・・・斬撃。

たしぎは思い出していた。


パンクハザードのトロッコで見せた岩を斬った技は、
確かに空を切って岩に向かって飛んでいた。



でも、飛んでくる岩とは違う。
大地そのものと化すような巨大な敵を、一体どうやって・・・



手配書の海賊達の話に盛り上がる中、たしぎはそっと医務室を出た。







******





よく晴れた昼下がり。遮るものがない甲板は太陽の光をめいっぱい浴びている。

ゆっくりと流れる雲が、時折、小さな影を甲板に落としていく。



子供達はお昼寝中、隊員たちも昼休みで、見張りの者がマストの上部にいるだけで
静かなものだ。


たしぎは大きく息を吸い込むと、静かに時雨を抜いた。



ヒュッ、ヒュッ。

空を切る風音。


時折、聞こえるたしぎの息遣い。


ダンッ!タ、タンッ!


踏み込みたしぎの靴音。



長閑なひとときの中、たしぎの周りの甲板の空気だけが、
張り詰めていた。





・・・・遠い。


また、あの男は、とてつもなく遠くまで進んでいる。


湧き上がる焦燥感に、時雨を振らずにはいられなかった。



額から流れ落ちる汗が、時雨を振る度に雫となって飛び散る。






どんなに差が開こうとも、

それが私が進むことをあきらめる理由にはならない。



私の目の前には、私の道が続いている。




一瞬、水平になった時雨に空の青が映る。

くっとかいなを返せば、陽の光を反射して白く瞬く。

垂直に立てた時雨は、黒く鋼の輝きを放つ。




ふっとたしぎの頬が緩む。



綺麗。



ずっと共に生きてきた時雨の表情。


一度として同じ輝きはない。





ねぇ、ロロノア、あなたは、こんな風に
感じることってあるのかしら?



たしぎは、舞うように時雨を振り続けた。



汗の雫が甲板に、幾つも小さな染みを作る頃、
ようやくたしぎは時雨を鞘に収めた。


「はぁっ、はあっ・・・」

息が上がり、あえぐように、ふらふらとマストに寄りかかかる。



ずりずりと背中を滑らせ崩れるように座り込んだ。



焦燥感も、劣等感も、どこかへ消え去ってしまった。




刀バカと呼ぶなら呼べばいい。

これを幸せだと感じる自分は、決して歩みを止めることほない。


そして、この喜びと共に私は強くなる。



陽が傾き始めた甲板には、ぬるい風がたしぎの頬を撫でる。




まっすぐに前を見すえるたしぎの瞳には、強い輝きが灯っていた。




*****








船室のドアが開き、モチャが顔を出した。



「おねーちゃん!ここにいたの?」

「あぁ、モチャ。起きたのね。」

返事はするも、まだ立ち上がれない。


「みんなは?」

「まだ、寝てる。でも、もうすぐ起きるよ。おやつのいいにおいがしてきたもん。」


「あら、今日はなんだった?」

「んと、たぶん、わたあめ!」

「そう!」


たしぎは笑う。本当に、わたあめパーティをするようだ。


モチャはたしぎの隣に並んで座った。


「おねーちゃんは、どうして、そんなに強いの?」

「わたしなんて、まだまだ。」

「だから、そんなに練習するの?」

「そうよ。」


「ふ~~~ん、でも、練習、苦しそう。嫌になったりしない?」


ふふとたしぎは笑う。

「嫌になんかならない。だって、好きなんだもん。」



「へぇ。」

「モチャにもあるでしょ?大好きなこと。」



少し首をかしげたモチャが、思いついたようにパッと顔を輝かせる。

「うん、私はね、本が好き。本を読むの大好きなの。」


「モチャは、ずっと本を読んでるものね。」


「あたしね、お医者さんになるの。チョッパーちゃんみたいな
 やさしくて強いお医者さんになるの!」

「それはすごい!楽しみだな。」


「だからね、難しい本も平気だよ。頑張って読むから。」


「そっか、偉いね。難しい本でも、読むの嫌にならない?」


「うん!途中でやめるときもあるけど、また読むもん!大変だけど、
読むの嫌いになんて、ならないよ!」


「ふふ、おねえちゃんも同じだよ。」


「あ!」

モチャは気づいたように目を見張る。




「ふ~~ん、そっか、そうなんだぁ。」

モチャは二、三度頷いて、たしぎを見た。





船室のドアが開いて、部下の一人が顔を出した。


「大佐ちゃん!こんなところに居たんですかい?
 今から、スモやんの快気祝いするんで、医務室来てください!」


「今から?って、スモーカーさん、まだ包帯外れてませんけど。」

「いいって、いいって!こういうのは、気分だから!」


「わ~~い、わたあめだぁ!行こう、おねーちゃん!」

モチャに手を引かれて立ち上がる。


部下が振り返りながら笑う。

「麦わら達もドレスローザを七武海から救った訳だし。」


「それは・・・関係ないと・・・」

藤虎が言うように、海軍が野放しにした七部海の闇を
世にさらけ出し、国を救ってくれた。


これで海軍も、自らを省みることになればいいのに。


藤虎の勇気ある一歩に、やはり祝ってもいいのかなという
結論にたどり着いた。



「胸がすいた。」と言ったスモーカーを思い出す。

「よし、わたあめ、食べまくろう!モチャ!」

ぎゅっとモチャの手を握ると、「うんっ!」と元気のいい返事が返ってきた。





<続>





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自己紹介:
ワンピース大好き。
ゾロとたしぎは公認カップルと信じて疑わない。
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