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ワンピース二次創作、ゾロたしのSS中心です。 いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
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結局、旦那にもチョコをあげずに過ぎた
バレンタインデーでした。(^^ゞ

だって、いつもラミー食べてるも~ん!
(ラミーかよ~!)

末っ子は早々に手作りチョコを諦めて、
期末試験終わってから作るとこに決めたようです。
潔し!(笑)

友チョコも大変よね~♪


さて、「もう少しこのままで」後編です。
甘いかな~?「つづきはこちら」からどうぞ






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「もう少しこのままで」後編








「2階に行こう。」

ゾロに言われて、たしぎは急に緊張した。


風呂から上がった後、ゾロはたしぎに入るように勧めてくれたが
断っていた。


それじゃ、まるで・・・

あれこれ考えて、たしぎは落ち着かなかった。




ゾロの後に続いて、階段を上ると
部屋に入った。


和室にカーペットを敷き、ベッドと机がある。

カラーボックスの上にスピーカーが置いてあった。

居間に比べて、少し散らかっている部屋に、
たしぎは少し安心した。

ここが、ロロノアのくつろげる場所なんだ。


「わぁ、ロロノアの部屋だぁ。」

なんとなく、はしゃいでみせる。



「さっき必死で片付けたんだよ。
 ベッドの下とか、押入れは見るなよ!」

「は~い。」と言いつつ、ベッドの下を除けば、
なにやら詰め込まれていた。


「あ、こらっ!」

「ふふふ。あやしい~~!!!何隠してんの?」

焦るゾロの顔は、子供の頃と変わらず可愛いかった。



「うそ、うそ。見ないから。」

たしぎは、笑ってベッドに寄りかかるように座った。


一緒に持ってきたお茶をミニテーブルに置くと、
ゾロは、携帯音楽プレーヤーをスピーカーにセットして
曲をかける。



先にスイッチを入れてくれてたらしく、エアコンの効いた部屋は暖かかった。

それでも、隣に腰を下ろすゾロの体温を感じた。


「あ、あれ食べていいか?」

「どうぞ、どうぞ!」

ゾロは、ファミレスでたしぎから貰ったチョコレートを
バッグから取り出した。


張り切って、都心のデパートの催事場まで足を運んだのだ。

たしぎの苦労も知らずに、無造作に包みを開けると
ゾロは、摘まんで口に放り込んだ。


「ん、んまい。」

「ほんと?なんとかっていうショコラティエの人が作ったんだよ!」


ゾロが、たて続けにチョコを口に入れる。

「あぁ、もう、ちゃんと味わって食べて!」

その横顔を見ながら、たしぎが抗議する。



ふっと、ゾロが笑ったような気がした。

「おまえなぁ、横でぎゃあぎゃあ煩いんだよ。味見するか?」


たしぎの返事も待たずに、ゾロの手が首に廻された。


不意に近づくロロノアの顔と、口に広がる甘さ。


「んんっ!」



抗議する間もなく、舌が捕らえられた。


口中に、甘くねっとりとした感触が広がる。


重なり合う甘い唇。



漏れる自分の吐息に、急に鼓動が速くなる。



ゾロの指先が、耳の後ろを這うように
首をなぞっていく。

待ちわびた想いが、強引さに変わっていた。

背中に手が廻り、力一杯抱きしめられた。

ロ、ロロノア・・・


離れた唇からは、声が思うように出てこない。

「あふ・・・ん・・・」


ゾロの手のひらが、たしぎの背中をさするように移動する。

密着する身体が、火照り始めた。



抱きしめられたまま、たしぎの肩にゾロの頭が乗っかる。





たしぎは、おずおずとゾロの背中に手を伸ばした。




「もう少し、このままでいいか?」

「・・・うん。」




「あったけぇ。」

安心したように、目を閉じるゾロ。





次第にゾロの身体が重くなる。



支えきれなくなったたしぎは、思わず声をかけた。

「ロロノア?」


返事はなく、耳を澄ませば規則正しい息遣いが響く。

ズルッ。

たしぎが手を緩めると、崩れ落ちるようにゾロの身体が
のしかかった。




背中に廻されたままの手から力が抜けていく。


たしぎは、しばらくゾロの身体の重みに身をまかせて
目を閉じていた。



ロロノアの方こそ、疲れているのに・・・

ごめんね。



愛おしい想いに満たされる。



風邪、ひかないでね。


たしぎは、ゾロの身体の下からそっと上半身を起こすと、
ベッドの布団を引っ張った。

枕も頭の下に差し入れる。


「んん・・・」

漏れるゾロの声に、ドキリとする。



見下ろすゾロの寝顔は、無防備で
あどけなかった。


そっと髪を撫でる。


「どうしよう・・・好き・・・」




顔を近づけると、頬に触れるようにキスをした。







たしぎは、ゾロの横に身体を滑り込ませるように
一緒の布団に入った。


ゾロの体温を感じていたくて、身体を密着させると
静かに目を閉じた。



きっと、遠くない未来に、
こうやって同じ布団で、眠って朝を迎える時が来るだろう。


少しの不安と期待を胸に、たしぎは眠りについた。




*******





勤務を終えたゾロの父親は、家のドアを開けた。

玄関の見慣れぬ女物のブーツが目に入る。



用心深く居間に入ると、コタツの上にコーヒーカップが
二つ置いたままになっていた。



昨日まで剣道部の合宿だと聞いていたが、
ハテと首をかしげながらも、帰ってきたことがわかるように
物音を立て、テレビを点けた。





階下の気配に、ゾロがガバッと身体を起こす。


「うわっ!マジかよ!」


時計を見るまでもなく、カーテンの隙間から
明るい陽射しが入り込んでいて、もう陽が高いことがわかった。


「っで!」
全身を襲う筋肉痛に、思わず声を上げながらも
両手の下のたしぎを見つめる。

丸まって眠っているたしぎの服はそのままだ。

えっと、キスして抱きしめたところまでは覚えている。



たぶん、何もしなかったはずだ。

でも、なんで一緒の布団に入ってるんだ?



訳もわからぬまま、立ち上がった。


その気配に、たしぎも目を覚ました。

「ん?あれ?・・・ロロノア、起きた?」


「あぁ、もう10時過ぎてるぞ。」

「ふぁあ、おはよう。」


すっかり無防備なたしぎに、ゾロは戸惑う。


「オレ、何かした?」

「ん?んんん、別に。」

ふにゃりと笑うたしぎに、ゾロは気が気でなくなる。

それでも、詳しく聞いている暇はない。


「親父、帰ってきたみたいだ。」


「えっ?ほんと?」

たしぎも、それを聞いてすっかり目が覚めたようだ。




「どうしよう、ちゃんと挨拶しないと。」

「別に、いいよ、そんなの。」



「でも、黙って帰る訳には。」

変に真面目なところがあるたしぎに、ゾロは
父親への気まずさを説明する気力は失せつつあった。




ゾロの後ろから、居間にいるゾロの父に声をかけた。

「こんにちは。たしぎと申します。昨日、電車がなくなって
 家に泊めてもらいました。断りもなく、すいません。」


「あぁ、いや、別に構わんよ。」

照れくさいのか、ちらりとたしぎを見ると、
そのまま、テレビを見続けている。


「じゃ、オレ駅まで送っていくから。」

ゾロは、ろくに紹介もせずにたしぎの腕を引っ張って、
家を出た。


「おじゃましました。」

たしぎの声が居間の父親の耳に届いた。



*****


「お父さん、怒ってないかな?」

心配するたしぎとは別に、ゾロは落ち着かなかった。



今日は月曜日だが、推薦入試の試験日で学校は休みだ。



駅前で、ファーストフードの店に入った。


とりあえず、腹を満たした。

「昨日、チョコ食べたまま、すぐ寝ちゃったから、
 後でちゃんと歯磨きして下さいね。」

「お前もな。」

二人、一瞬間が空いて、夜を思い出した。



「合宿帰りで疲れているのに、夜遅くまで
 ゴメンね。」


「いや・・・それより、先に眠ってしまって、悪かったな。」

「ううん!全然!」


ゾロとしては、あまり詳しくも聞けず、
たしぎの表情から、たぶんそんな醜態を見せてはないようだと
推し量って、ようやくホッとした。

*****



家に帰るたしぎを駅のホームで見送ると、
明るい陽射しの中、家へと向かう。



あ~~~、なんか、すげぇ
もったいない事した気がする。


せっかく、夜通し一緒に居たのに。



ゾロの脳裏に、うつむくたしぎの姿が浮かんだ。



・・・弱ってたもんな。


たぶん、あれが精一杯だったんだ。




ゾロは、自分に言い聞かせる。


「痛・・・」

筋肉痛の肩を、ぐるぐる廻しながら歩いた。



*****



「ただいま。」


家に戻ると、親父が昼食を作っているところだった。


「おう、メシ出来てるぞ。」


ゾロは、黙って皿を並べた。


「いただきます。」
両手を合わせて、二人食べ始める。



「なかなか、いい子だな。」


「・・・・」

「どこに住んでるんだ?」


引っ越す前の地名を伝えると、あぁと頷く。


「ああ?あの剣道の子か?」


無言で頷くゾロ。


「そうか、そうだったのか。」

何かを思い出したように笑顔になった。





「別に、何もしてねぇから。」

仏頂面で呟く。


「だろうよ。」

は?


「あんなしっかり挨拶できるんじゃな。」


お見通しかよ。



ぶすっとした顔で食事を終え部屋に戻ると、
チキショーとばかりに、ベッドに倒れ込んだ。



布団に残る甘い香り。

もらったチョコなのか、たしぎの匂いなのか、
ゾロはおおきく息を吸い込んで、目を閉じた。



<完>



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自己紹介:
ワンピース大好き。
ゾロとたしぎは公認カップルと信じて疑わない。
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