ワンピース二次創作、ゾロたしのSS中心です。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
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たしぎ HAPPY BIRTHDAY!!!
&トラファルガー・ロー&バルト・ロメオ ヽ(^o^)丿
最近ねぇ、ほんと世の中の流れに疎くって(笑)
今日は、午後から休みだったんだけど、
旦那とランチ行ったら、大盛りすぎて、
夜食べてないけど、まだお腹すかないよ~~!!!
ランチの後、家で爆睡してました。
ああ~~、時間が~~~~!
でも、お疲れモードだったのかも。
いい休息になりました。
いやいや、忘れてませんよっ!
ゾロたし月間の始まりだ~~い!!!
今年は、パラレルでございます。
剣道部員 高校ゾロと大学生たしぎのお話。
「壁際の攻防」(H27.2.14)
「もう少しこのままで」(H28.2.14)
の続編となります。って、HPにUPが間に合わず!
おいおい載せていきますんで、
よろしくお願いいたします。
「追う背中」1
よろしかったら、「つづきはこちら」からどうぞ
「追う背中」1
「おめでとう!」
閉会式が終わり、選手達が移動を始める。
会場のアリーナは、熱戦の余韻が残っていた。
自分の防具を担いだ選手がぞろぞろと外に出て行くのを
眺めながら、たしぎはスタンドで座っていた。
「ほんとに・・・凄いな。」
ぬるくなったペットボトルのお茶を飲み干すと
ゆっくりと立ち上がる。
あの瞬間をしっかりと目に焼き付けるように
会場を見下ろした。
ロロノアが、一本を決めた瞬間、
張り詰めた会場の空気が、一気に沸きあがった。
マジか?信じられねぇ。
やっちまったぜ、あいつ!
近くの席の生徒達の声が、たしぎの耳に届く。
インターハイ2連覇という偉業を成し遂げたゾロに
大きな歓声が降りかかる。
決勝の相手も一歩も引かぬ緊迫した試合だった。
それでこそ、一本を決めて勝利したゾロに
大きな拍手が送られた。
*****
会場の外に出ると、出場校が各々集まって、
おそらく最後の試合になるだろう3年生を囲んで
引率の先生だろうか、大人達の言葉に耳を傾けていた。
見慣れた赤いジャージの集団があった。
あ、ロロノアの高校。
一般の人の波に紛れながら、たしぎは、近づいていった。
今ではすっかり大所帯になった剣道部の真ん中で
話しているのは、主将であるゾロだった。
団体戦でも、出場し入賞を果たした。
剣道部始まって以来の快挙だと、ゾロの次に
先生が感極まって、涙声で熱く語っていた。
応援に来ていた保護者の前で、整列し挨拶をする。
たしぎは、少し保護者の集団から距離をとった。
「では、バスに移動。トイレ行く者は、今のうちに行っておくように。
出発は、15分後だ。」
「はい。」
先生の号令と共に、部員達が移動し始める。
ロロノアと目が合った。
たしぎの方へ、ゆくりと近づいてくる。
途端に、他校の選手達に周りを囲まれる。
「ゾロ!一緒に写真撮ろうぜ。」
「ゾロ先輩!おめでとうございます!」
東北大会でも一緒だった、強化合宿を共にした
盟友達だ。
ゾロの顔も、思わずほころぶ。
たしぎは、その様子を嬉しそうに眺めていた。
高校に入って再会した時は、一人でいたのに。
剣道が繋いでくれた縁。
たしぎは自分のことのように嬉しかった。
仲間と話しているゾロを見ていると幸せな気持ちになった。
少し遠慮して、その場から距離をとろうとする。
囲まれていたゾロが、顔を上げる。
「わりぃ、ちょっと。」
たしぎの前に駆け寄ってきた。
「待てよ。」
「ロ、ロロノア!・・・いいの?」
「何が?」
「だって、みんなと積もる話もあるでしょうし・・・」
「って、他に言うことは?」
「・・・あ・・・」
たしぎは、ゾロと初めて言葉を交わしたことに気づいた。
「おめでとう。」
ずっと見てたから。
何度も胸の中で、言ってたの。
ゾロが目の前に居ることが、最高に嬉しかった。
素直な笑顔を浮かべるたしぎに、ゾロは優勝の喜びを実感する。
「ありがとな、見に来てくれて。」
「ん。」
「じゃ、また後でメールするね。」
「待てってば。」
ぐっと腕を引かれ、引き寄せられる。
掴んだ腕を引き寄せられて、ぱふっとゾロの胸に
収まった。
胴着の上から羽織ったジャージの隙間から胸板が覗く。
いきなりの急接近に、たしぎは一気に固まる。
いつの間にか、背中に廻された手に力強く抱きめられた。
「すっげ~嬉しい。」
耳元でぽそりと、ロロノアの押さえた声が響く。
普段は、ぶっきらぼうで、口数の少ないゾロが素直に吐き出した本心。
たしぎの身体から力が抜けて、ぎゅっとゾロのジャージを掴んだ。
「・・・あたしも・・・嬉しい。」
いろんな想いが入り混じる。
なんだかふわふわして、地に足がついていないかと思うくらい
幸せだった。
「ひゅーひゅー。」
「熱いね~~、お二人さん!」
たしぎがはっとして、顔を上げれば
顔なじみの後輩達が周りと囲んでいる。
そうだ、ここは。
なに、公衆の面前で抱き合ってんだろう。
急に冷静になったたしぎは、顔を真っ赤にしながら、
さりげなく身体を離す。
ゾロも、気恥ずかしかったのだろう、何気ない振りをして
頭を掻きながら横を向いた。
「キャー!ゾロ先輩!」
「え~?ゾロ先輩の彼女なの~?」
遠巻きに見ていた女子生徒達の悲鳴のような声が届く。
「またな、お前ら。」
仲間達に手を挙げる。
「行こう。」
たしぎの手を引いて歩きだした。
「ちょ、ちょっと待って。ロロノア、バスの時間。」
「うん、わかってる。だから、バスまで。」
後輩達のはやし立てる声に送られながら、駐車場までの道を
手を繋いで歩く。
「いいの?みんな。」
「あぁ、大会中、散々話したからいいんだよ。」
なんだか話したいことがいっぱいあったような気がしたけど、
言葉が出てこなかった。
砂利を踏む二つの足音が響く。
ふと見上げれば、晴天の空に真っ白い夏の雲がそびえていた。
「きれい。」
たしぎの言葉に、ゾロも空を見上げる。
「ん。」
蝉の声さえも心地よく、街路樹の茂った葉の緑も濃く揺れている。
わきあがる雲は、はっきりと地上に影を落とし、
手を伸ばせば届きそうな程だった。
「まだまだオレは強くなる。」
空を見たまま呟くゾロの言葉には、微塵の迷いもなかった。
〈続〉
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