ワンピース二次創作、ゾロたしのSS中心です。
いらっしゃらないとは思いますが、禁無断転載でお願いします。
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我が家では、今週ストーブが登場しました。
ヒートテックも引っ張り出しました。
あぁ、秋は好きだけど、すぐに寒くなっちゃうのよね~♪
そうそう、に、三日前の仕事の帰り、大きな虹を見ました。
秋は、雨上がりの夕方、よく虹がかかる。
やっぱり、いいな~♪ 秋の夕暮れ♪
さて、HPのUPもまだですが、
パラレル「追う背中」続きです。
年の差カップルがイチャイチャしてる話だな~♪うん♪(^^♪
ぽちぽちありがとうございます。
よろしかったら、「つづきはこちら」からどうぞ
「追う背中」2
「じゃあ、今度の日曜日、駅に迎えに行くね。」
電話を切った後、たしぎの顔に自然と笑みがこぼれた。
私が車で迎えに行ったら、
ロロノア、どんな顔するだろう。
きっと驚くだろうな。
ふふふ。
*****
ゾロのインターハイ二連覇を見届けた後、
たしぎは実家に戻り、自動車免許の教習所に通っていた。
大学生向けの教習で、最短二週間で取得を目指すプログラムだ。
予定より、実技がオーバーしたものの、たしぎとしては上出来で
教習所を卒業できた。
そして、二日前に試験場での筆記試験を終え、
晴れて若葉色のラインの入った運転免許を手にすることができた。
ゾロには内緒にしていたので、せっかくの夏休み中に
一日も、会えなかった。
たしぎの大学は、9月下旬まで夏休みなのでゆとりがあったが、
ゾロにしてみれば高校最後の夏休みに彼女とデートも出来ないなんて
相当我慢を強いられたと思う。
勝手に想像するたしぎは、今度会ったら
年上の余裕で、いっぱい優しくしてあげようと考えていた。
*****
約束の日、たしぎのいる街の駅に降りたゾロは
まだ暑い日差しの中、たしぎの姿を探していた。
「ロロノア!」
声の方を振り向くと、膝下の白いパンツに
小さい花柄のキャミソールにネイビーの薄いカーディガンを羽織った姿の
たしぎが小走りにやってくるのが見えた。
一気に夏に戻ったようだった。
ゾロは照れる顔をそむけるように返事をする。
「おぅ。」
「ごめんね、遅くなって。」
顔の前で合わせたたしぎの手には、銀色に光るものが
握られていた。
ゾロの視線の意味に気づいたたしぎは
ペロリと舌を出す。
「あ、バレちゃった。驚かそうと思ったのに。」
「十分驚いてるよ。」
って、親同伴ってことじゃなしだろうし、
たしぎが運転するってことだよな。
「もしかして、夏休み会えなかったのって、
そのせいなのか?」
「えへへ、そう。」
たしぎは、バックの中から免書証を取り出してゾロの見せる。
「じゃ~~~ん!取り立てホヤホヤ!」
「へぇ、ちゃんと写ってんじゃん!」
「って、それは言わないでっ!」
免許証に写るたしぎは、だいぶ緊張してる様子で
眼鏡が少し斜めになっていた。
「くくく。」
笑いながら、ゾロはたしぎの生年月日を見つめる。
「オレも18になったら、免許取ろうかな。」
「就職じゃなければ、学校で許可しないんじゃない?」
「そうなのか?」
なんとなく、先を越された感がした。
別にいいんだけど。
「じゃあ、行こう!」
たしぎに腕を引っ張られて、車へと向かった。
*****
たしぎが乗ってきた車は、母親のものだという赤い軽自動車だった。
「それでは、出発~!!!」
元気よく声をあげるものの、前傾姿勢でハンドルを握る姿は
どう見ても緊張している。
「ちょ、ちょっと待て。はい、深呼吸!」
え?と横を向いたたしぎは、心外だなぁという顔をしたが、
無言で、大きく息を吸った。
「ふ~~~っ・・・あはは、やっぱり緊張するな。」
「どこ行くんだ?」
「えっと、海。」
「道は?わかるってるか?」
「うん、平気。昨日、お父さんに隣に乗ってもらって
駅と海への道、走ったもの。」
ゾロを見て頷く。
「そうか、わかった。よし!じゃあ、覚悟決めた。命預けます。」
「やだ、そんな大げさな。」
はははと渇いた笑い声をあげて、再びたしぎはハンドルを握る。
ゆっくりと二人の乗る車が動き始めた。
*******
ハンドルにしがみつくような体勢で
生きた心地のしない15分ほどのドライブで着いたところは
海水浴場だった。
もちろん誰も泳いでいる人はいない。
駐車場もガランとしていて、地面に張られた枠のロープに
律儀にたしぎは車を停めた。
「ふ~~~~うっ。やっと着いた。」
「あ、あぁ。」
ほっとした表情のたしぎを見て、思わず同意の返事をした。
「ね、平気だったでしょ。」
こんなに緊張するとは思わなかった。
ゾロは心の中で呟いた。
昨日、練習に付き合ったというたしぎの父親が気の毒だった。
「行こう。」
たしぎは、やりきった自信をにじませて、車を降りる。
風で勢いよくドアが閉まった。
波打ち際へ近づくほど、波音が二人を包み込む。
風で舞い上がる髪を押さえながら、たしぎは裸足になっていた。
「うわっ!つめた~い!」
ゾロも真似をして、運動靴を脱ぎ捨てた。
ズボンのすそをまくり、湿った砂の上に足を置く。
ザザ~~。
1センチほどの海水がゾロの足の甲を撫でていく。
汗ばんだ身体には、心地よい冷たさ。
暫く立ったまま、足元を行き来する波を眺めていた。
「気持ちいいね。」
いつの間にか、隣にいるたしぎに腕を取られ、顔をあげた。
「あぁ。」
ゆっくりと歩き出すゾロの周りを、波を追いかけたり逃げたりしながら
たしぎがくるくると纏わりつく。
長いキャミソールの裾がひらひらと揺れて、まるで小鳥のようだと思った。
腕に巻きついていたたしぎの手を掴んだ。
指と指とを絡めてしっかりと握る。
引き寄せられるようにたしぎが、ゾロに寄りそう。
「しっかり捕まえていかないと、どっかへ飛んでいきそうだな。」
「ほんと?あはは。」
褒めたつもりはなかったが、たしぎは嬉しそうに笑う。
能天気な様子に、ちくりと胸が痛んだ。
繋いだ手にぐっと力を込めて、もう片方の手を背中に廻した。
「どこにも行くなよ。」
たしぎの返事を待たずに、唇を重ねた。
絡めた指と指が、身体のバランスを取りにくくしている。
砂に足をとられてたしぎの身体がふらついた。
「だ、誰かに見られたらどうすんの!?」
「誰もいないぜ。」
「い、いないけど!でも、ダメっ!」
「ほら、車も通るでしょ!」
「そんなもん、誰が見るかよ!」
「わかんないでしょ!」
必死に理由を探すたしぎに、吹き出してしまう。
「そんじゃあ、誰も見てなきゃいいのかよ。」
顔を真っ赤にしながら、考え込むたしぎ。
「・・・う、うん。」
頷くたしぎを見て、今度はゾロがソワソワする。
「そうか、いいのか・・・」
なんとなく、二人とも黙り込んでしまい、
並んで砂浜に座り直すと、凪の海を眺めていた。
寄せる波の音が、二人を包み込む。
本当に世界にたった二人しかいない感じがした。。
時折、聞こえる通り過ぎる車の音も、
どこか遠くで鳴っている風のようだった。
夕暮れが空を茜色に染める。
風に当たる腕がひんやりと冷たくなった。
「そろそろ、戻るか?」
「そうだね。」
立ち上がり、砂を払う。
教習所で、どれだけ大変だったかを話すたしぎの声に耳を傾けながら、
ゾロは、落ち着かなかった。
また、先に行く。
車なんて、オレが免許を取ったら
いくらでも乗せてドライブに連れて行ってやるよ。
ちがう。
首を振る。
別に、たしぎだって免許ぐらい取るだろう。
社会人になれば、必要になるものだ。
なんだろう、この釈然としない胸の内は・・・
「ねぇ、聞いてる?」
たしぎのムッとした声に、慌ててフロントガラスの向こうの
海岸から視線を移した。
「だから、来月の誕生日には、ロロノアのとこ行っていい?」
「あぁ、かまわねぇ。」
「あの、連休あるから、6日は過ぎちゃうけど、泊りで大丈夫だから。」
「そうか。じゃあ、親父の勤務確かめて連絡する・・・・っ!!!」
思わずたしぎの顔を二度見した。
オレは、何、普通に返事してんだっ!?
「ほら、この間は、眠っちゃったし・・・」
そういうことだよな。
何も答えないゾロに、急に心配になるたしぎ。
「あ、もし、迷惑だったら・・・やめるから・・・」
ゾロは何も言わないまま、首を左右に振った。
やべぇ、なんか言わなきゃ。
「ほんとに、いいんだな!?」
念を押すようにたしぎをじっと見つめる。
「うん。」
たしぎも、ゾロの目を見つめ返して頷いた。
なに言ってんだ、オレ。
こいつに言わせてどうすんだよ。
気まずさを隠すように、手を伸ばすとたしぎの頭をくしゃっと撫でた。
そのまま、自分に引き寄せて唇を重ねた。
車の中、目の前は海。
後ろを通る人も車もない。
遠慮はいらねぇだろ。
舌でこじ開けるように、たしぎの咥内に侵入する。
たしぎの舌を絡め取るように、奥に奥にと舌を入れる。
苦しくなったたしぎから漏れる吐息が、ゾロを熱くする。
首の後ろをさすりながら、もう片方の手が、たしぎの脇腹から腰へと移動する。
長いキャミソールの裾を引っ張ると、その中へ左手が入っていく。
ピクン。
素肌にゾロの手が触れると、たしぎの身体が動いた。
不意にたしぎが腕を伸ばして、ゾロの身体は押し返された。
「ま、まだ、ダメ。・・・帰りも運転あるんだからっ!」
どんな理由だよ!と思いながらも、ゾロは納得してしまう。
やっぱり運転するんじゃ、あんまり動揺させちゃいけないよな。
「・・・わかった。」
名残惜しげに唇に軽くキスをすると、ゾロは身体をシートに預けた。
*****
たしぎの家に戻ると、車を置いて再び駅前に戻った。
ファミレスで食事をして、帰る時間まで街をふらふらした。
「誕生日、何が欲しい?」
ゾロが聞く。
「何でもいいよ。」
「それが一番、難しいんだよな。・・・やっぱり、指輪とか、そんなのがいいか?」
「いいよ、高いでしょ。・・・本当だよ。
私、ロロノアと一緒にいられるだけで十分・・・幸せだもん。」
「・・・・」
嬉しい反面、気を使われているような気がした。
「二十歳だもんな。なんか、ずっと残るものがいいよな。
それとも、バラの花束なんて言うなよ。絶対ムリだから。」
「あ~、それいいかも!ロロノアが花束抱えているところ見たい!」
「なんだよ、そういう理由かよ!?」
そうか、二十歳なんだよな。
言ってから、『二十歳』という響きがやけに胸に残った。
大人・・・なんだよな。
「お酒も飲めるんだよね。そうだ!ロロノアも二十歳になったら
一緒に乾杯しようね。シャンパンかなんかで!」
「バーカ。」
オレが二十歳になった時には、お前は二十二歳。
いつまで経っても、その差は縮まることはない。
だからなんだっていうんだ。
ゾロは頭を振って、モヤモヤとした想いを振り払った。
*****
「じゃあ、楽しみにしててね。」
嬉しそうに言うたしぎと駅で別れた。
どうやら、オレの家で手料理を振る舞ってくれるらしい。
自分の誕生日だっていうのに。
でも、まぁ、楽しそうだし・・・いいのか。
部屋、掃除しとかないとな。
急に落ち着かない気になって、電車の窓の外に目をやる。
すっかり暗くなった街を走る電車の窓ガラスに映る自分の間抜けな顔を見て、顔をしかめた。
これも大人なるってことだよな。
そう遠くない未来をあれこれ想像しているうちに
座席に身体が沈み込む。
心地よいまどろみの中、ゾロはたしぎと一緒に迎える朝を夢見ていた。
〈続〉
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