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ここ一週間程、胃がおかしくて、
酒と、コーヒー、自粛中。
でも、季節柄、チョコが豊富にあるので、
コーヒーが欲しくなる。この連休、久しぶりに飲んでみた。
一日、一杯ぐらいなら、大丈夫そう。
朝食抜きの、空きっ腹にチョコ&コーヒーは、やめたほうがいいと思いつつ、
私の場合、一年の不摂生がこの時期に、出ること多いです。
皆様も、ご自愛くださいませ~。
(”も”って、こんな不摂生してる奴に言われたくないわなぁ~~!)
>2/13 susuさんへ
コメントありがとうございます。十分でございます。
覗きに来てくれるだけで~!拍手もありがとうございます。
いつも、とっても嬉しいです。
ゾロの言葉は、難しいです。一言一言、迷います。
そこが、また楽しかったりして。(^^)
バレンタインデイです。サニー号での、みんな揃ってます。
「つづきはこちら」からどうぞ
サウザンドサニー号、アクアリウムバーの中から、話し声が聞こえてくる。
ナミとロビンが、何やら相談しているようだ。
紅茶とコーヒーをシャフトに入れて下に降ろした際に、階下から聞こえてきた話の内容に
サンジは、思わず扉を開けたまま、聞き耳をたてた。
食堂に居たウソップが気づいて、寄ってくる。
「やっぱり、ど~んとチョコレートケーキじゃない?」
「そうね、どうせなら、一人一人、好きなものにしたほうが、
喜ぶんじゃないかしら。」
「いいわね、それ。」
「ふふふ。」
「と、すると、ルフィはまず肉。肉かぁ、難しそう。
ゾロは、お酒でしょ。
チョッパーは、綿アメ。ウソップは、タバスコ?とうがらし?」
これって、よく使ってるだけで、好物って訳じゃないか・・・ん、難しいな。」
「フランキーは、コーラね。
ブルックは、紅茶、あ、よく牛乳も飲んでるわね。」
「サンジくんは、何かしら。やっぱ、煙草だよね。」
それを聞いた二人、青ざめた顔で、その場を離れる。
「バレンタインの相談みたいだな。」
「ああ。」
「いったい、何を作ろうとしているんだ?」
「さあな。」
淡々と語り合う二人に、不安の色が漂う。
「あの二人、何とかしねえと、確実に二人、死ぬぞ。」
「ああ。」顔を見合わせる。
俺とお前だよな。
「お前はいいよ、ウソップ。少なくとも、食いもんだ。
俺は、食い物ですらねえ・・・」
煙草に火をつけようとして、手にした煙草をじっと見つめる。
「ロビンの料理の腕は、どうなんだ?」ウソップが尋ねる。
「さあ、ロビンちゃんは、未知数だ。
俺も知らない、すごい料理法を知ってたりして。
・・・いや、そんな筈は・・・ないな。」
「これは、ヤバイぞ・・・」引きつった顔で、力なく笑う二人だった。
デッキに出ると、丁度、ガチャとドアが開く音がして、ナミとロビンが出てくる。
「じゃあ、あれはフランキーにお願いしてみるわね。」
「お願い。こっちは、材料の調達しとくわ。」
二人の計画はまとまったようだ。
恐る恐る近づいて、「あの~、ナミさん?何か作るんだったら、俺、お手伝いいたしましょうか?
料理の手ほどき。何なりと。」サンジが期待を込めて、言ってみる。
「あら、今回はロビンと二人で作るんだから、サンジ君も楽しみにしといてね。」
とニッコリ余裕で答える。
「で、でも・・・」
「あ、そうだ。サンジくん、煙草一箱、借りるわね。ちょっと使うから。」
「!」
有無を言わさず、ナミはサンジの胸ポケットから、煙草を箱ごと取り去っていく。
側で見ていたウソップが、「おい、箱ごとかよ・・・」とおののく。
「一本や、二本って訳じゃあ、ねえんだな。サンジ、覚悟しとけよ。」
と気の毒そうにつぶやく。
言葉が出て来ないサンジ。
その夜、ウソップがフランキーにそっと探りを入れてみる。
「なぁ、ロビンに何頼まれたんだ?」
「あ?それは、いくらお前でも言えねえな。ウソップ。」真面目な顔で答えるフランキー。
「ロビンに、決して口外しないように、って念を押されてるメカ。」急にロボ語になって、
気の毒そうに、いや面白がっているようにも見える顔で、口にチャックする仕草をする。
*******
当日、昼ご飯が終わると、片付けは、二人でやるから、と早々にキッチンから
サンジは追い出された。
「あの、ナミさん?何か、ほんとに、手伝うことない?」
「いいから、いいから。」と笑顔で、ドアを目の前で閉められる。
素敵な笑顔だと、思いつつも、なすすべもなく、途方に暮れる。
ウソップが、近づいて来て、サンジの肩をポンポンと叩いて、無言で首を左右に降る。
サンジは煙草を取り出して、三時間程の禁煙をやぶって、火をつける。
ふぅ~~~っと、長く息を吐き出すと、デッキのへりに寄りかかる。
朝食後、「俺、禁煙しようかと思って。はは。」とさり気なく、ナミとロビンの前で言ってみたが、
「無理、無理、かえって体に悪いわよ。サンジくん。」ナミは、笑って相手にしない。
「そうね、サンジくんには煙草、お似合いよ。」とロビンに、にこやかに聞き流された。
ゾロが見張り兼トレーニング室から降りてくる。
「なんだ?お前ら、しけた面してよ。」
汗を拭きながら尋ねる。
「いや、それがよ。」ウソップが経緯を説明する。
「男なら、出されたもん、黙って食うだけだろ。」
と真面目くさって答えるが、どう見ても、口元が笑っている。
「おまえなぁ、人事だと思って。」サンジが睨みつける。
そこへ、チョッパーがやって来たので、ウソップが頼み込む。
「なあ、チョッパー、お前、キッチンの様子見て来てくれよ。」
「そうだ、危険な素振りがあったら、ドクターストップしてくれ!」
サンジが、すがりつくような目で訴える。
「よし、わかった。俺、行ってくる。」チョッパーが、キッチンに入り、
暫くすると、ご機嫌な様子で、出てきた。
すっかり、ナミとロビンに丸め込まれてしまっている。
「大丈夫、具合悪くなったら、俺が治してやるよ。」自信ありげに、チョッパーが胸を張る。
「だから、食べてからじゃ遅いんだよっ!」ウソップが、突っ込んだ。
「俺は、故郷の村に、俺の帰りを待っているひとがいる。
だから、ナミ、ロビン、お前らのチョコは受け取れないんだ。ひじょ~~に、残念だが・・・。」
ウソップが、台詞の練習を始める。
お前、ずるいぞ、一人だけ助かろうとしやがって!
八方塞がりの状況に、サンジはとうとう覚悟を決めたようだ。
ぐっと、拳を握りしめて、空を見上げる。
「ナミさん、ロビンちゃん、俺の愛を試しているんですね!
俺はどんな試練でも乗り越えて見せますっ!」
*******
「みんな、お待たせ~。さぁ、食堂に入って。」
ナミが、みんなに声をかける。
テーブルには、美味しそうなシチューが並んでいる。
よく見ると、ハート型の人参と、ハンバーグが入っている。
味も申し分なく、ルフィのお代わりに、ストップがかかった程だ。
皆、充分に料理を楽しんだ。
そして、食器を片付け終わると、ロビンが冷蔵庫から、小箱を出してきた。
「はい、ナミと私から、バレンタインのチョコレートよ。召し上がれ。」
サンジが自分の前に置かれた箱を恐る恐る開けると、
そこには精巧な、煙草の形をしたチョコレートが入っていた。
ウソップの方を見ると、唐辛子の形をしたチョコレートを摘んで、ホッとした顔で笑ってみせた。
「これだったのかぁ。二人が作ろうとしてたのは・・・は、はは。」
サンジは、脱力して、椅子に沈みこむ。
「ふふふ、レディの話を、盗み聞きするからよ。」ロビンが笑う。
「そうよ、サンジ君、聞いてたでしょ、私たちの話。ウソップも!」軽く睨むナミ。
「いや、そんなつもりは。・・・はい、すいません。」素直に謝る。
「いや、悪りぃ。」ウソップは、頭を掻いた。
「毒なんて、入ってないから、安心して食べて。」ニッコリ笑って、ナミが薦める。
「肉、入ってないのか?これ。」骨付き肉の形をしたチョコを、ムシャムシャ頬張りながら、ルフィが言う。
「あんたのは、入れてもよかったかもね!」
「うわぁ。ふわふわしてるぞ、このチョコ。」
チョッパーが、棒がプリッツのエアインチョコで作られた立体綿アメ型チョコを
嬉々としてにかじっている。
「ミルクチョコですか?美味しいですね。」
ティーカップの形をしたチョコを手にしながらブルックも嬉しそうだ。
ゾロは勝手にチョコに合う酒を出してきて、飲みながら口に入れる。
フランキーは、コーラの瓶の形をしたチョコをじっと見ながら、ディテールがどうのこうの、と呟いている。
サンジの方を見て、「その煙草は、よく出来てるだろ。見本があったからな。」とニヤッと笑い、親指を挙げる。
ロビンが昨夜、フランキーに頼んだのは、チョコの型だったのだ。
サンジもチョコレートの煙草を口に咥える。
昨日からの騒動を思い出して、可笑しくなった。
あ~~~あ、まったく、俺は、何やってんだ。
そんなサンジを見て、ナミとロビンが顔を見合わせ、微笑みあった。
「みんな、10倍返しだからねっ!」ナミの言葉に、皆、固まる。
サンジだけが、「そうだ~!何がいい?ナミさん、ロビンちゃん!何なりと、作って差し上げますっ!」
と目を輝かせていた。
〈完〉