ぼろぼろになって、ベッドにたどり着く。
部屋に戻ってこれただけ、今日はまだましな方か。
ドサッと身体を投げ出し、目をつぶる。

身体は動かないのに、頭の中で今日一日が再現される。
もう少しで掴みかけたあの感覚を頭の中で繰り返す。

鷹の目との差が詰まることことがあるのだろうか。
伸ばした手が、虚しく空を切る、そんな日々が続いていた。

ぎりっと歯を食いしばる。

俺は強くなっているのか？
ちゃんと前に進んでいるのか？
仲間の顔が浮かぶ。
そしてもう一人、幼い親友に問いかける。
大丈夫だと、笑って欲しくて。

その親友の顔が、いつの間にか大人になって、
あいつの顔になる。

くいなと同じ顔で、
くいなと同じことを言った女。

あいつの黒い瞳は苦手だ。
俺の心の奥まで見透かされそうで。

たしぎという名前だった。

あいつの頬に手を触れたら、どんな顔をするだろうか。
細い折れそうな身体を抱きしめたら、どんな顔をするだろうか。
泣くんだろうか・・・

そしたら、
そしたら、唇を奪えばいい・・・

襲ってくる深い眠りに、
ゾロは抗うことなく、落ちていった。

ルフィの覇気！やっぱり瞬殺でしたね、偽ルフィ。
フランキー、ええ～～っ！指も四角いし、
ほんと人間として難しくなってしまいましたね・・・
ロビン、どうする？
チョッパーいい加減、気づけ～！（笑）

そして、
前回の表紙では、まぶたに傷だと、信じていました。

私はゾロは片目の方がかっこいいとは、絶対言わない！

愛する者の目の機能が失われたと知る想いを
三度も味わうとは思ってもみませんでした。
あ、三度目は、ゾロです。はい、愛してますよ～ゾロ！
まあ、ゾロは、片方ばっちし見えると思うし、大丈夫なんだなぁ。
今度から、家人の説明する時、ゾロとほぼ同じだよ～～って言えるぞっ！
外見はジンベイとMｒ.１とボンちゃんをまぜて３で割ったような感じですけど（笑）

お！今「めちゃイケ」見てたら、おだっちが麦わらヴァージョンのメンバー似顔絵を
プレゼントしてたっ！すごい！

「二年も消息不明で、何やってたんですかっ！！！」

「・・・生きていたんですね・・・・」

たしぎは、力が抜けてその場に座り込む。
ゾロは逃げもせずに、たしぎと向かいあう形でどかっと胡坐をかく。
少し驚いたが、つかまえようともせず、たしぎは話始める。
「シャボンティ諸島で、麦わらの一味は壊滅したと聞きました。マリンフォードでも
麦わらだけしか居なくて、あなたや、他のクルー達も確認できず・・・」

「ロロノアは何をしていたんですか？」
つと顔を上げて、ゾロを見つめる。

「鷹の目のとこにいた。」
「！鷹の目って、七部海の、あの、ミホークですか？」
たしぎの目がまんまるになる。
「あぁ・・・剣を教えてもらってた。」
「！」
ゾロの左目の傷が、その過程でついたことは容易に想像できた。
「そうやって、あなたは、どんどん高みにのぼっていくんですね。」
「おまえだって、同じだろ。」
「私は、目の前の任務をこなすのが精一杯で、」
「おまえの目指すものは何だ？」
「世界最強か？」
「いえ、私は、ただ大切なものを守りたい・・・」
首をふり、ゆっくり答える。

「それは、オレも同じだ。」
「ロロノアの大切なものって、なんですか？」

「・・・仲間と・・・約束。」
目の前のロロノアが、急に遠くに感じた。
「麦わらのルフィを海賊王にしたいのですか？」
「オレ達がするんじゃねえ、あいつがなるんだろ。」
楽しそうに、にやりと笑う。
「あなたは、それに協力するんでしょう？」
「あいつとは、約束したからな、共に行くって。オレは自分の生き方はまげちゃいねえ。」
「海賊となってでもですか？」
「海賊だろうが、賞金かせぎだろうが、海軍だろうが、オレの生き方変わんねえな。
まあ、オレには海賊があってたんだろうな。」

「私は、海軍です。海賊は捕まえます。」
「ああ、それがおまえの生き方なんだろう。」
肯くたしぎ。
「・・・でも、あなたは、捕まえたくあり・・・ません・・・」
「ぶっ！なんだそりゃ！」
吹き出して、二カッと笑う。
「あなたは、私が追いかけます。そして、私の目で、あなたの生き様を見届けたいんです。
け、剣士としての、ロロノアを。」
「そうか、オレを追うのか。」
「はい。」
こいつのまっすぐな黒い瞳から目が離せない。

「じゃあ、どんなことがあっても死ぬんじゃねえぞ。こんな傷、つけられやがって。」
すっと左手を伸ばして、たしぎの左の頬に触れる。
マリンフォード頂上決戦で、つけられた小さな刀傷。
もう、白くなって目立たなくなっていたのに、
この人は、気がついたんだ。

「だっ、大丈夫です。私は必ずこの新世界を生き抜いて、あなたを追い続けますから。」
そんな目で見ないでください。さっき触れられた頬の傷が、熱い。
「ああ、わかった。」
すっと立ち上がるゾロ。「じゃあ、またな。」
緑の髪の後ろ姿が、小さくなっていくのを、たしぎはいつまでも見つめていた。

陽が傾きかけた頃、気が付いていまった自分の気持ちとともに、たしぎは、ゆっくり立ち上がる。
いつか、追いついたら、共に並んで歩けたらいいのに・・・

「プレゼント」

「んっ・・・」
暗闇の中、突然体にのしかかる重圧を感じた。

抱きしめられている。

相手の体温が伝わってくる。
左の首筋に、髪の毛が触れる感触がある。

何も見えないのに、
誰かもわからないのに、

この感触、嫌じゃない・・・

思わず腕を、背中にまわしてみる。
一瞬、ビクッとしたのが、指先から伝わる。

すっと、圧迫感が軽くなったかと思うと、
いきなり、唇が熱くなった。
おしつけられる唇。

あつい
「ん・・・ふ・・・っ」
吐息が漏れる。

ゆっくりとその唇が離れていく。
シャランと金属がぶつかる音とともに、
その身体の重さも、ぬくもりも、消えていった。


目覚めたたしぎは、唇に指で触れる。
あれは、夢だったの？
こんなに、この感触が残っているというのに。